タケトピ徒然草 さらば農耕民族
言いにくいが、なんとか店長にも事情を説明してお休みをもらった。
快諾していただいたが、戻ってこれる保証はどこにもない。
かと言って出会って1カ月足らずの人から癌かもしれないから、戻って来れないかもしれないなんて言われてもきっと困ると思って「お休み」と言った。
2時間足らずの労働でもかなり辛かったが、緊張感もありなんとか動けた。気が抜けたのか、お休みになった途端動けない。
ここから1週間。このぱんぱんのお腹を抱えて過ごすことになる。
なんやかんやで忘れていたが、結局処置も薬もなかったのだ。
オーマイガー
恐らく臨月のお腹と同じ原理で色んな臓器が圧迫されている。起きても寝ても座っても辛い。
しばらくゼリーとそうめん以外のものも食べてない。臨月の時食べられたのは、子どもが下がることがあるからだろう。腹水にはそれもない。
私は母譲りの完全なる農耕民族体系で、短く頑丈そうな手足は、太い訳ではないが鍬がよく似合う姿をしていた。産まれてこのかた細いとか長いとかいう形容詞は耳にした事はなく、この腕は一生農耕民族なのだろうと思っていたのだが、ふと気づくと細く見える。細くなると長く見える。そしてどんな時でもカッチカチの堅太りだった二の腕やモモが、高齢女性特有のダルダルな皮、いや柔らかい触り心地になっているではないか。DNAを超越した気がした。
そしてついに
10cmどころではなかったであろうお腹の贅肉が崩れ始めた。ぱんぱんにもかかわらずお腹にシワができている。10cmあれば内側と外側の円周の差は大きい。
どうせならこの分だけ楽になってくれたらいいのにな。
蓄えは着々と減っている。内臓脂肪に到達するのはいつになるのか。もし内臓脂肪がなくなったらこの苦しみは少しでも和らぐのか。
あと1週間。どこまでこの課題に取り組めるのか定かではないが、兎にも角にも
美味しいもの食べたい
これに尽きる
(つづく)