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めんどくさい国民に選ばれた鼻持ちならない大統領
March 17, 2023
Transcription
Slovakia approves a plan to give Ukraine Soviet-period warplanes to fight Russia one day after Poland announces similar plans.
In Tokyo, Korean President Yoon Suk Yeol calls on Koreans and Japanese to “become good friends and make a better future.”
China says it opposes pressure from U.S. President Joe Biden to force the sale of Chinese shares of video sharing service TikTok or face a U.S. ban.
And French President Emmanuel Macron uses his constitutional power to enact a new retirement law without parliamentary approval as nationwide protests continued.
訳例
スロバキアは、ソ連時代の戦闘機をウクライナに提供する計画を承認しました。前日には、ポーランドが同様の計画を発表しています。
東京では、韓国の尹淑烈大統領が韓国人と日本人に「良き友人となり、より良い未来を作ろう」と呼びかけました。
動画共有サービスTikTokの中国株を売却しない場合、米国での利用を禁止するというジョー・バイデン米大統領の圧力に、中国は反対すると発表しました。
また、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、全国的な抗議運動が続く中、議会の承認を得ることなく憲法上の権限を用いて新しい年金制度を採択しました。
勝手に探究
マクロン仏大統領、これは思い切りましたね。
<議会では少数与党のため、投票で改革案が否決されるのを避けるため>だっていうんだから、批判は覚悟の上でしょう。
実際、ない袖は振れぬといいましょうか、年金を支給するカネがないなら仕方ないと日本人なら思うところなんですが、野党の人たちは何を理由に年金制度改革案に反対するんでしょう。議会で聞いてみたいものです。
真っ当な理由と代案があって野党も国民も反対しているなら、デモもいいのですが、マクロン大統領を失職させるべくリコールなり何なりするべきです。
それでも、これだけの反対がありながら「大統領権限」で重要法案を通してしまえるなんて民主主義国家とは思えません。まぁ、その大統領を選んだのは国民なので民主主義には違いないのですが・・・。
とはいえ、国民の顔色ばかり窺っていると、調整に時間がかかりすぎたり政策に一貫性がなくなったりと問題が生じることがあります。今回の年金制度改革のように先送りが難しい問題でも国民にとって都合が悪ければ実行できなくなってしまいます。そもそも、全て国民が決めるなら政治家なんて要らないとも言えますし、今回の決断は政治家故に実行できたことだとは言えます。
それに、マクロン大統領は今回の年金制度改革を公約に掲げて再選を果たしています。それも去年の4月の話です(まだ1年経ってませんよ)。その上で国民の不満を聞いて若干の修正を入れてもいます。それをどうして国民は受け入れられないのか分かりません。時々「めんどくさい国民」だと言われるのも分かるかも。
その時の気分を行動で表す国民と、それによって生じる不都合を容認する国民を抱える国家の舵取りは大変です。悪役になるのを承知の上で改革法案を通すマクロン大統領は実はまともなのかもしれません。
いやいや、国民もアレだけど、政治家はもっとアレなのがフランス。実際に世界とどう関わり、関係各国に迷惑を掛けていないか見てから評価しなければいけません。
もっとも、日本から遠く離れて関わりの少ない国は、その国らしくいてくれた方が面白くはあるのですがね。
ということでフランスの皆さん、好きなだけ揉めといてください。