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実力も運のうち

VOA60 January 14 2022

Transcription

The United Nations human rights agency says airstrikes this month have killed at least 108 civilians in the Tigray area of Ethiopia.

Japan reports North Korea test fired a missile on Friday - one day after the United States placed additional restrictions on the North for its weapons activities.

In Britain, Prince Andrew loses his royal support and military links after a legal case against him over sex abuse continued in the U.S.

And in India, thousands of Hindus bathe in the Ganges River in a yearly religious observance.

訳例

国連人権機関によると、今月の空爆により、エチオピアのティグレ地域で少なくとも108人の民間人が死亡しました。

北朝鮮の兵器活動に対して米国が追加制限を設けた1日後の金曜日に、北朝鮮がミサイルを試射したと日本で報じています。

英国では、アンドリュー王子が、米国での性的虐待をめぐる訴訟で、王室の支援と軍とのつながりを失いました。

そしてインドでは、何千人ものヒンズー教徒が年に一度の宗教的行事として、ガンジス川で沐浴をしました。

勝手に探究

ガンガサガールメーラという行事をご存じですか?以下のページに簡単にまとめてありましたので紹介します。

こういうのを見ると、日本人の宗教観はとてもマイルドというか、ご都合主義だと感じます。

時代を経るごとにその本質を追求しないようになり、面倒を避けながら、イベントとして再定義する「知恵」を持っている、と書いていたら、それが日本人の強みなんだなぁと妙に感心させられもしますが、とにかく日本とは大違いです。

やはり、生活が宗教と密接に繋がっている民族は違います。現地では「ワクチン接種の完了か、直近の陰性証明の提示を義務づける」としているようですが、彼らにとって政府の命令と年に1度の宗教行事の価値は比べるべくもありません。「人々の純粋な想いは、21世紀になっても続いているんだ」なんてちょっと感動してしまいます。

インドはIT先進国と聞きますし、核武装もしています。人口は近いうちに世界一になります。それでも、人々は古くからの身分制度を守り、信心深くいられるのですから、我々の価値観では推し量れない芯の強さを持った国といっていいのではないでしょうか。

ところで、最近面白い本を知りました。

ハーバード大の教授マイケルサンデルの著書です。普通、「運も実力のうち」というものだと思うのですが、その逆なのが新鮮です。そして、能力主義に疑問を投げかけ、身分制度を見直しています。

乱暴に要約すると、人間の価値をDNAに依存する能力で図ろうとする現代は、能力差別社会であり、不幸な人間が増えてしまう。それならまだ身分制度の枠組みのように目に見える不公平がある方が特権階級の者も運を自覚している分優しくなれるのではないか、くらいの話です。う~ん、伝わったでしょうか。異論はあると思いますがそういう話としてください。

日本のようにインフラが整い飢えることがない福祉制度があっても満たされない国民が多いのは、自分の不遇を過度に自分のせいにしてしまう状況があるためだと思われます。実力不足は努力不足、なんて切り捨てられてきたのかもしれません。でもそれが本当は「運が悪いだけ」としたら、絶望する事もないでしょう!社会のどこかに自分を生かせる道はあるし、それができないような社会ならどこか間違っているのですよ。

と、そんなことを考えさせられたインドの一大行事でした。

参考にしたページ


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