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覇権国の与える夢のある生活

VOA60 January 10, 2022

Transcription

In Geneva, U.S. and Russian officials meet for talks on Russia's military movements near the Ukrainian border.

In Myanmar, a court sentences ousted leader Aung San Suu Kyi to four years in prison for importing banned radio equipment and violating COVID-19 rules.

In New York City, officials say an apartment fire that killed at least 19 people was linked to an electric space heater.

And the Economic Community of West African States announces measures to punish Mali for delaying elections after the military seized power in 2020.

訳例

ジュネーブで米ロ高官が会談し、ウクライナ国境付近でのロシアの軍事行動について協議しました。

ミャンマーでは、追放されたアウンサンスーチー氏が、禁止された無線機器を輸入し、COVID-19の規則に違反したとして、4年の禁固刑を宣告を受けました。

ニューヨークで、少なくとも19人が死亡したアパートの火災は、電気スペースヒーターに関連していると当局が発表しました。

そして、西アフリカ諸国経済共同体は、2020年に軍が政権を掌握した後、選挙を遅らせたマリに対する処罰措置を発表しました。

勝手に探究

アメリカとロシアはなぜ争うのでしょうか。また、米ロに対抗しうる中国もアメリカとぶつかっています。何がその対立を生むのでしょう。

情報はもちろん、物流、人流とも世界規模であることが当然の現代、独自路線を守るのは困難です。ユーザーはいつだってより便利なサービスを利用しようとします。そこに国境はないからです。当然、利用されないサービスは淘汰されます。

利用料や情報が国外に流出することを避けたい政府は、できるだけ自国の製品や技術を国民に使わせたいと考え、なんなら、外国に自国のサービスを利用させることで問題の解決を図ろうとします。人口の多い国はそれだけユーザー、つまり利益が見込めるために外国から狙われやすいと言えます。

国家の争いは、領土や資源の争いからユーザーの奪い合いに移行しました。今でこそ国際的なルールの枠内で争われていますが、そのルールに絶対的な強制力があるわけではなく、トランプ前米大統領のように無視することもありえる、微妙なモノです。双方のトップが顔を合わせて人間関係を作ることは、原始的であっても大切なことだと思います。

ところで、世界中で使わている最強のプラットフォームはなんでしょう。工業製品や電子機器などに不可欠な技術でしょうか。あるいは、自由や民主主義、人権といった思想でしょうか。

私は、エネルギーの利用を前提とした生活様式と考えます。現代の「豊かな生活」に電気やガスが欠かせないと感じさせたことで、英米は絶対的に優位なポジションに就くことは決まっていたのです。

これは戦争を抜きにした話です。今では破壊力の強すぎる兵器が世界中に広がったために、事実上大きな戦争は起こせなくなりました。

出来ない戦争に大枚をはたくのはナンセンスであることに気付いたアメリカは、持っている武器を兵器から石油由来のエネルギーにスライドし、アメリカ文化の輸出を始めました。これが効きました。世界中がこぞってアメリカに憧れ、エネルギーの消費を始めたのですから。

米英は世界の油田を押さえ、原油取引は主に米ドルになっています。黙っていてもはカネは入ってきます。また、アメリカはそれを原資に新たなイノベーションに投資しているので、脱石油の準備もできているのでしょう。いや、もう石油に頼らなくても大丈夫になったから脱プラスチックだ、脱ガソリン車だと言っているとも読めます。

英語が世界の共通語となって久しい現代。英語の情報が文化をのせて世界を巡っています。We Are the World、私たちが世界なのだ。自分の正義を疑わないアメリカが、自分たちの文化になびかない国を敵視するのは自然の流れです。

そんなアメリカのお節介を受けきれる国は、アメリカを中心とする西側諸国を敵に回しても成り立つ国家(群)ということになり、それがロシアと中国しか残っていないと考えるべきでしょう。

日本に選択肢はあるようでないのですが、地理的には思い切り近い中国とロシアと共闘する未来もあるのかもしれないと考えた方がいいでしょう。その前に、コロナウイルスをまき散らす米軍基地をなんとかしなければいけませんが。

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