ロシアがヨーロッパに天然ガスを供給する理由
September 6, 2022
Transcription
In China, rescuers continue searching for survivors after a powerful earthquake struck Sichuan Province, killing at least 66 people.
In South Korea, marines join rescue efforts in the southeastern part of the country as Typhoon Hinnamnor causes widespread flooding, killing at least one person.
German Foreign Minister Annalena Baerbock says Russia is limiting energy supplies to Germany in an attempt to blackmail the country over economic restrictions.
And in Britain, Liz Truss officially becomes prime minister after meeting with Queen Elizabeth II. The move follows Boris Johnson's official resignation.
訳例
中国では、四川省で強い地震が発生し、少なくとも66人が死亡しました。救助隊は生存者の捜索を続けています。
韓国では、台風11号(ヒンナムノー)が広範囲で洪水を引き起こし、少なくとも1人が亡くなっています。海兵隊が南東部での救助活動に参加しています。
ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相によると、ロシアは経済制裁を理由にドイツへのエネルギー供給を制限し、揺さぶりをかけているとのことです。
そしてイギリスでは、リズ・トラスがエリザベス2世と会談し、正式に首相に就任しました。これは、ボリス・ジョンソン前首相の正式な辞任に続く動きです。
勝手に探究
ロシアがヨーロッパに供給している天然ガスについて。
なぜ経済制裁を科す「敵国」へ「塩」を送るのか。しかも、長期契約に基づくとはいえ、格安の価格で。客は他にもいるのでたたき売ることはないのに。
エネルギー価格の高騰で困っているのは、ガスを輸入に頼る世界中の国。ただ、ロシアとの関係が良好なら問題はありません。
逆に密かににっこりしているのはガス生産国です。
本当はヨーロッパに天然ガスを売りたい、生産量世界2位のロシア。でも、それを阻止したい勢力がライバルのアメリカにはもちろん、困っているはずのヨーロッパにもいるので様子見せざるを得ないという状況です。
ドイツなどウクライナ支援に積極的に動いた(動かざるを得なかった)国は、そのウクライナによってロシアからヨーロッパに流れるパイプラインを止められる始末。
アメリカからすれば、パイプラインでガスを供給できるロシアにはスピードや価格で全くかないません。勝てない敵を倒す方法を色々考えた結果が現状であると考えるのが妥当なところでしょう。いったいいつからこの計画が始まっているんでしょうねぇ。
こういうのを見ていると、日本の政治家が対米従属になるのも分かります。「羮に懲りて膾を吹く」といいますが、戦後70余年経った今でも「熱い」アメリカ。そんなアメリカがロシアや中・南米、中東に中国、そしてEUにまで狙いを定めて収奪する様子を見てしまえば、誰でも同じような反応になるのかなぁと妙に納得してしまいます。日本も十分やられていますが、「これくらいで収まるなら」なんて妥協しているはずです。
冒頭の疑問、「なぜ経済制裁を科す「敵国」へ「塩」を送るのか」→「なぜロシアがヨーロッパに天然ガスを供給したいのか」の答えは、対アメリカで協力したいということでしょう。
逆に考えると、アメリカが強くあろうとする理由が分かります。力を失えば復讐されると思っているからです。そりゃぁそれ相応のことをしてきたんですもん。そう考えるのもよく分かりますよ。
しかし、本当は功罪相半ばしていて、アメリカにも素晴らしい面が沢山ある上に、多くの日本人のように、済んだことは水に流したい人たちだって多いんですがねぇ。そういう感覚、彼らにはないのかなぁ。
平凡な市民には分からないロジックは確かにあるのでしょうが、誰もが情報を手に入れられる時代にこれまでの常識は通じません。覇権国家の側も時代に合わせてアップデートしてもらいたいものです。