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その「うまみ」の成分は現地の痛みでできているんですよ。

June 28, 2022

Transcription

Officials in the U.S. state of Texas investigate the deaths of 46 migrants found in and near a truck near San Antonio. Sixteen other migrants survived.

Finland's president says there is more understanding between his country and Turkey in talks that could admit Finland and Sweden to the NATO military alliance.

In Sri Lanka, the government bans fuel sales for all but necessary services as the country's debt crisis deepens.

And in New Zealand, the U.S. space agency NASA launches a satellite designed to test a new orbit around the moon.

訳例

米テキサス州当局により、サンアントニオ近郊のトラックの中や近くで見つかった移民46人の死亡が確認されています。他に生存している16人の移民も見つかっています。

フィンランド大統領は、フィンランドとスウェーデンのNATO軍事同盟加盟をめぐる協議において、自国とトルコの間でより多くの理解が得られていると述べました。

スリランカでは、同国の債務危機が深刻化する中、政府は必要なサービス以外の燃料販売を禁止しました。

そしてニュージーランドでは、アメリカの宇宙機関NASAが、月を回る新しい軌道をテストするための衛星を打ち上げました。

勝手に探究

不法移民の問題はヨーロッパだけではありません。アメリカでは記録的に増えているそうです。

<メキシコからビザを持たずに、国境を越えて米国に入る人は記録的に増えており、5月だけで約24万人が国境警備隊などに身柄を拘束された。>

1ヶ月で捕まった人だけで24万人???バレていない人とかビザを持って入った(戻る気のない)人も数えればもっと、ということですか。

もともと移民の国であったとはいえ、毎年数百万人のメキシコ人が新たにアメリカに暮らすようになるとすると、移民の多い地区では社会そのものが変貌してしまいます。一般に特別な技能を持った移民は少ないため職探しは難航し、社会保障制度が適応されない彼らは生きるために犯罪に手を染めることもあります。

そんな「未来」が予想できるのに危ない橋を渡ろうとする移民たち。祖国は「犯罪者扱い」となるアメリカよりひどい状況なのでしょうか

移民は主にメキシコからやってくるメキシコ人です。ということです。ちょっとメキシコを調べてみましょう。

あれれ、問題は感じませんねぇ。治安には問題があるものの、メキシコ人は温和で陽気。さらに、意外にも(失礼!)まじめで勤勉だとか。これだとアメリカに行く必要はなさそうですよ。

メキシコの優位性を語る俳優のベルナルからは、彼の祖国愛だけでなく、メキシコの可能性を感じさせます。それにしても、「メキシコは文化的に米国よりも洗練されている。映画や音楽といった文化面だけでなく、経済面においてもだ」という発言は力強い!アメリカを目指す同胞には響かないのかな?

彼の言葉が届かない原因はこれ?

<国民の6割超は平均月収が6万円にも満たない低所得層>

母国で貧困から抜け出せないのなら、リスクを承知でアメリカンドリームを掴みに行こうというわけですね。実際に移民から大成した人も多いわけで、勝負したくなる気も分かります。

それに、アメリカ側も移民の労働者を必要としている面があり、問題は複雑になります。

ただ、アメリカでも貧困層はもちろん存在し、4人家族で年収2万2000ドル(の設定が適切かどうかは別として)以下の世帯が14.3%いるのだそうです。

それでもメキシコの月収6万円以下(年間72万円)よりマシに見えますが、物価が違いますし単純には比較できません。

ならば物価を比較してみましょう!物価の比較と言えばこちら!ビッグマック指数です。

これによりますと、ビックマックの値段は、アメリカでは669円、メキシコでは385円です。ざっくり2倍です。ただし、日本人からすると、食後の満足感に大差ないようなビッグマックとタコスに大きな値段差があるので、メキシコのビッグマックは割高なのかもしれません。

メキシコシティの旅行ガイド情報より

<大き目のタコスで20ペソ(約120円)ぐらい、小さめので10ペソぐらいが一般的で、男性なら4つぐらいでお腹いっぱいになる>とのこと。

「タコス4つ」の大きさが書いていないのですが、間を取って大2小2でおなかいっぱいとすると、360円というところでしょうか。360円で満腹。これは安い!669円のアメリカのビックマックでは勝負になりません。

少なくとも私はビッグマック1個ではおなかいっぱいにはならないので、実際の物価はビックマック指数以上の差があると見ました。つまり、アメリカに行っても生活は変わらない、いや、統計に載らない不法移民であることを勘案すれば、それ以下もあり得るということでしょう。

一発逆転を狙った不法移民というギャンブル。思った通りそう甘いものではありません。しかし、移民は減りません。

良くも悪しくも資本主義に魅せられ、より豊かな生活を求める人が増えたことはハッキリしています。ロハスだなんだいってカネにこだわらない人が先進国に増えているのは皮肉なことなのかもしれません。

何をもって人生を豊かだと感じられるか。資本主義社会の限界はすでに見えています。このままでは社会は持続できないという見方も支配的です。しかし、21世紀に生きる現代人が中世の人々のような暮らしに戻れるのか、と問われれば答えは否、となるのでしょう。さっきのロハスな人もネットは使うのでしょうし。

生まれた地に縛られず、自由や成功を求めて移動する。人類がずっとしてきたことだと言えばそうなのですが、行った先にできあがっているコミュニティに余裕がなければ「パイの奪い合い」にしかならないのが辛いところ。アメリカだけは「アメリカ人」であることに特権を与えない、アメリカの認める人間になれたものだけの国になるのなら面白いのかもしれませんが、そんなプロスポーツチームのような国家、あるわけないかぁ。

う~ん、モナコはどうかな?

「チャンスを掴む国」ではなく、「チャンスを掴んだ人の目指す国」ですよねぇ。残念!

ゼロから再出発できる国があればいいのですが、そんな彼らを受け入れた先のことを考えて大抵の国家は二の足を踏むわけです。「滞在期間が決まっていてダメなら帰国」が徹底できればいいのでしょうが、そうならないから困っているのですし。

一般に人権意識が高く社会福祉制度も機能しているヨーロッパやアメリカでは、移民を受け入れることに対するコストがバカになりません。結局税金でフォローすることになるので、国民も歓迎しません。

受け入れた外国人を自国の最低賃金以下で働かせて平気な顔をできる日本の農家くらいの強い気持ちがあればいけるのかもしれませんが、それを大っぴらに認められる先進国はないでしょう。

そこで提案です。

現地の労働力として求められるリアルな人の移動は低賃金労働の原因となっているのが現状なので、この際原則禁止にしてしまうのはどうでしょう。そのために、国境はがっちりガードで。有能な人材はオンラインで仕事すればいいし、国際的に信用のある企業や組織の人間を例外としたらいいはず。

国際企業が安い労働力を求めて世界各地に工場を作る時代から、国内生産国内消費を優遇する仕組みに変えて、富の偏在を解消しましょう!国際企業は現地での売り上げを100%現地に還元することでその存在を認めることにするんです。「会社があって売り上げもあるのに、本国で税金を払っているので現地法人からの納税はなし」とかどこのアマゾンなんだ!というのはナシで!

「そんなうまみがないなら撤退する!」というならどうぞ!その「うまみ」の成分は現地の痛みでできているんですよ。

国際企業の去った国では、彼らの作った仕組みを利用するも良し、新たに国情に合わせた興業をしてもよし。時間はかかっても自分たちの国を自分たちでコントロールできるようになったらいいなぁと感じています。そのためには多少の不便を許容しなければいけませんが、長い目で見れば現在の貧困問題をいくらかを解消できるような気がします。

ここまで引っ張って、「気がします」で終わってすみません。だいぶ長文になってしまったので、ここまでの流れを整理して終わりとします。

1.アメリカで不法移民の大量死
2.メキシコからアメリカへ行く理由
3.アメリカに渡った移民の生活
4.難しい移民の受け入れ
5.移民を減らすためのルール作り
6.国際企業が果たすべき責任
7.新時代を迎える私たちの心構え

最後までお読みいただきありがとうございました!

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