私の考えるプロダクトマネジメントとUXデザインの関係
この記事は、2019年2月26日にレバレジーズ社で開催された BIT VALLEY -INSIDE- Vol.6 で発表したスライドおこしになります。
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こんばんわ。
まずは自己紹介させてください。
竹田 哲也と申します。デザイナーをしていまして主にユーザーの体験の部分などのサービスデザインをメインにしています。カンタンに僕の経歴なんですが、
UIデザイン会社のグッドパッチでPMとして受託やデザインプロセスのワークショップを実施していました。
後半は、今はなくなってしまいましたがbaltoというエンジニアリングフェーズでアプリのフィードバックができるサービスのPMをしていました。
前職オプトでは、UIデザイナーとして社内のシステムのUIデザインをしながら、会社のビジョンや行動指針を刷新することを社長とやっていたり、Studio Optの立ち上げプロジェクトに参画していたり、それらの経験を組織デザインのフレームワークにしたりリアルノートをつくったり、登壇の機会を頂いたりしました。組織デザインやデザイン経営のところを深掘りしたく、2018年の11月にアトラエにジョインしました。
アトラエは、People Techカンパニーの会社です。
我々のビジョンは「世界中の人々を魅了する会社を創る」です。
そのビジョンを実現する為に、3つのサービスを提供しています。私はwevoxチームにいます。
肩書きがなかったり情報が全社員にオープンだったりという会社です。
本題ですが、前のお二人とかぶる部分があるのですが、「私の考えるプロダクトマネジメントとUXデザインの関係」を僕の実際にやっていることをお話させて頂きます。
プロダクトマネジメントの範囲ってどこなんでしょうか?
このThe Product Management Triangleが有名だと思いますが、めちゃくちゃ広いですよね。
一方、UXデザインの前にデザインという言葉の意味なんですが、
「デザイン」と聞くと見た目の部分を指して使うことが多いのですが、設計や構想という意味も含まれています。
それと「UX」とみなさん使いますが、UXはUser Experienceの略です。ユーザーの体験を指していて、ユーザー自身のモノです。このUXを計画したり設計したりすることを「UXD」=User Experience Designと言います。ビジネス要素を加えるとすると、量産・再生産できる仕組みにすることになります。
この体験は、モノとヒトの間にあるコトをデザインすることになり、それが満足したりもう一度使いたいとなるとモノに対して価値があるとヒトは認識します。
このUXデザインはどの範囲か?というと、見た目から戦略まで幅がとても広いです。広義のデザイン・狭義のデザインと言われたりしますね。
もうひとつ、UXデザインは時間軸で捉えることが必要です。ある点ではなく、利用前、利用中、利用後といったように線で捉えてデザインする必要があります。この深さや広さって
プロダクトマネジメントとUXデザインって範囲が似ていませんか?同じだと思うんですよね。
今までの買い切り型とは違い、サブスクリプションモデルやリカーリングモデルは長く利用されるビジネスモデルなので、タッチポイントが増えたことで、今まで以上にユーザーにとって良い体験を生み出すのが重要視されていると思います。
そして、アプリやサービスの使い心地は、UIと機能によって影響されます。良いUIでも機能が劣っていればアプリの評価は下がりますし、機能が優れていても使いにくいUIではアプリの評価は上がりません。なので、デザイナーだけでなくエンジニアも使い心地を考えることになります。これって
UXデザイナーがデザインするものではない。のではないでしょうか。
イノベーションに必要と言われているBTCの図になります。丸の部分や間の線のところに役割がありますが
PMは三角形の真ん中に位置してくると思っています。冒頭のThe Product Management Triangleの真ん中はProductってなってましたよね。
UXDesignは、全体を覆うようなモノでチームのどの職種でも考える必要があるのではないか。
なので、UXデザインはマインドセットであると。そして、チームで持つべき共通のマインドセットにする必要があると感じています。
僕が今実践していることを紹介します。まずはUXデザインになりますが
共通言語づくりをしています。アトラエに入社してまずはチームメンバー全員と話をして、サービスのビジョンへの方向性を可視化したり、カスタマージャーニー描いたり、みんなと議論するワークショップをして、それを図解に落とし込んだりしていました。
その後、新しい機能をつくるべく、XDでプロトタイプつくって、僕のツテを使って一緒に進めるメンバーに同席してもらいつつ、エクストリームユーザーに見せてフィードバックをもらったりヒアリングしたりして、新機能の方向性は大丈夫そうだね。って確認できたらエンジニアに説明して開発に進めてもらったりしました。2019年の1月にこの機能がリリースされています。
それとAARRRCで、これは僕の造語なのですが、グロースハックのAARRRにChurnのCを足した言葉になっています。このAARRRCに沿ってカスタマージャーニーマップの変わりに現状を可視化して、足りないなーカイゼンの余地があるなーという議論をチームでして、追加やカイゼンの施策に繋げていたりします。
それで、今年からプロダクトだけでなく、カスタマーサクセスの方のユーザーのタッチポイントも設計するように守備範囲を広げていたりします。
ここからは、チームでUXデザインできるようにしていることです。
この図は、1991年に書かれた「デザイン・マネジメント」に描かれている図で、昨年のデザイン経営宣言と遜色ないことが約30年も前に本になっていたんですが、経営資源は5つでデザインが入り、そのデザインは、なにを、なにで、どうやって、だれがやるのか、を表現しています。ビズリーチさんが実践されていますが、デザインを組織にインストールする部隊がいる。と書かれています。
それに近いことをしています。アトラエはサービスごとにチームになっていますが、その壁を超えて勉強会したりしました。
もうひとつ、この図は「経験経済」という本にある図で、ここ最近UXがバズワードになっていますが、20年ほど前に経験や体験が経済価値になると予言していた本です。この本ではその先も予測していて、それが変革経済でヒトをガイドして変革させることに価値があるという予測です。わかりやすいのが教育で、何者でもない人が4年間何かを学び体得して仕事につく。というのがまさに変革という話です。
それで、僕はチームみんなの壁打ち相手としてガイドしているようなことをしています。
例えば、カスタマージャーニーマップとか知らないエンジニアがある機能の体験を自ら考えて、カスタマージャーニーマップみたいな時間軸がわかるアウトプットをつくって、それを僕は見せてもらいフィードバックしたりアイディアを出したりして、機能開発しました。
他には、カスタマーサクセスの子が成功例を振り返り、なぜうまくいったかを分解していきます。それをまた僕がフィードバックしたり、アイディアを足したりして、最後は自分たちのカスタマーサクセスの業務をアップデートしています。
こんな風にUXデザインがマインドセットになった、その先は
自らを否定することになりますが、究極的にはUXデザイナーってなくなっちゃうんじゃないの?と、なくなるのが理想なんじゃないかなと思っています。
でも、最高の体験を考えてカタチにできるチームになれたら
ビジョンや価値が実現して、より多くのファンがついてくると思います。
価値を実現するのには、価値を何か発見して、それをわかるように表現して、表現するだけでなく価値を伝えないとわからなくて、提供しつづけた先に、実現すると僕は考えています。
各フェーズの言葉は他にもあると思います。これらは一人ではできなくてチームメンバーそれぞれで役割をもって実行していくことが必要だという考えです。
あらためて繰り返しになりますが、UXデザインはマインドセットです。
UXデザインと何かを掛け合わせることができると思います。
僕自身は、UXデザインとプロダクトマネジメントです。
UXデザイナーの方は、何と掛け合わせますか?
デザイナー以外の方は、UXデザインをインストールしませんか?
ぜひ考えて頂けたらと思います。
ご清聴ありがとうございました。
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スライドに利用した過去のnote
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