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流されて円楽に 流れつくか圓生に 六代目三遊亭円楽 著 第八章(最終章)
第八章 流れつくか圓生に 令和二年 二月八日
平成三十年に歌丸師匠が亡くなり、憧れていた恩人の世代の落語家の殆どが鬼籍に入った。俺の師匠である先代の圓楽、スリルたっぷりのお付き合いだったけど楽しかった談志師匠、そして尊敬のあまり人間国宝に勝手に推薦して署名運動までして叱られた歌丸師匠……、背中を追っていた恩人、大先輩の姿が次々と消えた……。
いつの間にか、この俺も落語界を牽引しているトップランナーの一人になっていたのだ。……ホントかね? その自覚は、俺の心に“消しゴム”を持たせた。その消しゴムとは、先代の五代目三遊亭圓楽の名前を世間から消す覚悟のことだ。圓楽は、今、生きて落語を演っている六代目円楽のことだと、俺にも世間にも思わせる覚悟のことだった。
そして歌丸師匠が亡くなったときに俺は、噺家としての己を自己分析してみた。
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