流されて円楽に 流れつくか圓生に六代目三遊亭円楽 第二章
第二章 「俺、大学へ行きたいんだ」 昭和四十三年三月
昭和二十五年二月八日、横浜市中区中央病院で俺は生まれた……らしい。
らしいと云うのは、本人の俺は、ずぅーっと東京の下町である墨田区石原町で生まれたと信じていて、本籍をとったときに、「横浜市中区中央病院にて出生」って書いてあったから、はじめて知ったんだ。なぜ実家は両国にあったのに、生まれたのは横浜だったのかは、簡単に言うとウチの母ちゃんが、働き者だったからだ。
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