2022年2月8日
【今日は何の日?】2月8日:ニワトリの日
28=にわ、とりの語呂合わせにちなんで、日本記念日協会が2月8日を記念日に制定しております。ニワトリという和名は「家の庭で飼う鳥」、つまり家禽という意味から名づけられたそうです。
さて、本日の怪談は――
「糞」
宮沢君が子供の頃の話。
神社の敷地を使って友達4、5人と隠れんぼをしていた。
「もう、いいかい」
「まぁだだよ」
宮沢君は、神社の裏手に回り、息を潜めた。
鬼が近付いてきたら、そこからさらに右手か左手に回って逃げようという算段だった。
「もう、いいよ」
それぞれがそれぞれの隠れ場所へ着いた。
というところで、宮沢君は腹が猛烈に痛くなってきた。
〈ヤバッ! 漏れそうッ!〉
先ほどまで火照っていた身体から、ドッと冷や汗が滲んでくる。粗相のないよう肛門に力を入れていると、吐き気すら催されてきた。
〈あああ、まずいまずい!〉
ズボンとブリーフを膝まで下ろし、その場にしゃがみこんだ。
ビビビビビビビビッ! ビブ――!
肛門から大きな音を立てて排泄物が流れ出てきた。
全て出しきると嘘のように体調が戻った。
家を出る前に母から渡されたハンカチを広げて、尻を拭こうと手を伸ばすと、まだ肛門から出きっていないモノがあることが手探りで分かった。
ハンカチ越しに掴んで、ずずっと引っ張りだすと、それは一枚の御札だった。
〈えっ〉
小さく身体をくねらせて、地面にある先ほどの成果物を確認すると、それらは全て糞にまみれた御札だった。
もちろん、そんなものを食った覚えはない。
そういう訳で宮沢君は隠れんぼの途中で家へ逃げた。
翌日、友人達に何故途中で帰ったのかと詰問されたが、野糞をしたことはバレていなかったようので、まあよしとしたそうだ。
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「糞」高田公太『恐怖箱 百舌』