あとがき - 後編
さて、後編です。
前編は少ししんみりした内容になってしまってすみませんでした。
文章を書くのは得意ではないのですが、THE UNCROWNEDとしてライブが出来なくなった今、こうやって曲に込めた想いやエピソードを皆さんに知ってもらって、それがキッカケで交流なんかも生まれたりするのがライブの代わりになるのかな?なんて思いながら続けてきました。
コイツいつまでやってるんだよって冷ややかな目で見ている人もいたんじゃないでしょうか?(苦笑)
そんな企画も今回の記事でひとまず終了となります。
各曲の解説を書いてきましたが、作品全体としては各所のインタビュー等でも言ってきたように「ジャンルの壁を取り払って、より多くの音楽ファンに聴いて貰えるような作品」を目指しました。
それは、これまでヘヴィメタル的な音を提示してしきた自分達にとっては、新しい音の探求であり、挑戦でもありました。
また「SHALの歌声」と「自分のメロディー」という2つの要素を際立たせるために、出来るだけシンプルに…でもちゃんと深みのある構成やアレンジを自分なりに目指したつもりです。。
シンプルという点に関しては、1stアルバムが9曲で48分なのに対して、今回は10曲で47分というところにも表れてると思います。
過去の作品に比べれば、自分もSHALもクリエイターとして成長した姿を記録できたと思います。
でも仕上がりに満足しているか?というと、そんな事はありません。
自分が思い描いていた通りの音に仕上がったか?といえば決してそうではないし、SHALにしても病気でなければもっと良い歌を残せたのに…と思っているはずです。
でも決して手抜きをしたわけではなく、その時の自分達がやれる精一杯の力をこの作品に込めてきたのは間違いありません。
その経験を積んでレベルアップしたからこそ、もっと良いものが作れたはずなのに…と思う自分達がいるんだと思います。
音楽に限らず、何かを志す人達には少なからずそういった部分はあるんじゃないでしょうか。
自分に限って言えば、かなり自己肯定感の低い人間なので、この先作品を作り続けても永遠に満足する日は来ない気がしますが…。
結果的にWITNESSアルバムが最後の作品となってしまいましたが、もしSHALが生きていて続編があったとしたら、このアルバムは次の3rdアルバムに辿り着くための過渡期のような位置付けになったんじゃないかと思っています。
3rdアルバムがあったなら、2ndで提示したものを熟練させ、より幅広いものを提示できたんじゃないかと…。
WITNESSアルバムを提示したからこそ見えたことがあったし、また次にやれることがあったと思います。
THE UNCROWNEDとしてもっと挑戦したいことがあったし、まだまだSHALに歌って貰いたい曲がありました。
でもそれは今となってはもう叶いません。
我々の事を知ってくれている人に会うと「今後THE UNCROWNEDはどうなるの?新しいボーカルを入れるの?」と訊かれます。
その質問に対する答えですが、新しいボーカルやメンバーを入れてバンドを再始動させることは今のところ考えていません。
SHALの歌声と俺のメロディーの融合こそがTHE UNCROWNEDだと考えています。
アルバムタイトルの「WITNESS」には証人、目撃者という意味があります。
新たな音を探求し変化を遂げてきたバンドのWITNESSに、病に冒されながらも強く生きようとしたSHALの生き様のWITNESSになって欲しい、という想いを込めました。
WITNESSとなってくれた皆さんの心の中に、これからもTHE UNCROWNEDの作品が、そしてSHALが生き続けてくれれば嬉しく思います。
THE UNCROWNEDを応援して下さった皆様、THE UNCROWNEDに関わって下さった皆様に感謝しています。
本当にありがとうございました。
Takeshi ( THE UNCROWNED )