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Mx.MOON特集 - 1stアルバム『THE MOON RISING』の楽曲解説、メンバー紹介、etc...

はじめに

どうも。
THE UNCROWNEDのギタリスト、Takeshiです。
noteの更新はかなりお久しぶりですね。
昨年はTHE UNCROWNEDの未発表曲を集めた『STOPOVER ~Dedicated To SHAL~』というアルバムをリリースさせて頂きましたが、今年2024年も縁があってMx.MOON(ミクス・ムーン)というプロジェクトに参加させて頂くことになり、9/25には1stアルバム『THE MOON RISING』をリリースさせて頂きました。(CD、配信ともにリリース)

Amazon、タワレコ、HMV、DISK UNION等の有名CDショップをはじめ、全国のCDショップにてご購入頂けます。 店頭に在庫が無い場合はお取り寄せも可能です。
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L : Aki (Vo)  ,  R : Takeshi (Gt, Ba, Key)
1st Album : THE MOON RISING


このMx.MOONは、ボーカリスト:Akiさん (以下、御婦人)と私、Takeshiによる音楽プロジェクトです。
この記事を読んでくださる方はTHE UNCROWNEDのことをよく知ってくださっている方が多いと思うのですが、御婦人のことはほとんど知らない方が多いと思うので初めに軽く御婦人のことを紹介をしたいと思います。

Akiさんこと御婦人はMx.MOONの始動以前から髑髏海月(どくろくらげ)という名義で弾き語りのソロ活動をされていました。
振る舞いや言葉遣いが非常に上品で、育ちの良さが滲み出ている方なので、敬意を表して自分は勝手に御婦人と呼んでいます。(笑)
話すときも敬意を表して敬語です。(笑)
Mx.MOONのメインソングライターは御婦人で、1stアルバムの収録曲9曲のうち7曲は御婦人の作曲で、作詞は全曲御婦人です。
弾き語りというとちょっと大人しそうなイメージがありますが、御婦人はかつて RK ROSEBUD (アールケー・ローズバッド)というロックバンドで歌っておられた非常にロックな方でもあります。

証拠画像↓

証拠映像↓
これはRK ROSEBUDがNHKのテレビ番組に出演したときの映像らしいです。

と、まぁそんなロックな御婦人と共に作り上げたMx.MOONの作品ですが、この記事では主にギタリスト、アレンジャーとして関わらせて頂いた自分の目線から各収録曲を解説していこうと思います。

01. 破戒ノ薔薇

キャッチーでメロディアスなんたけど、ちょっと闇を感じさせる部分があるというか。
この曲がMx.MOONの音楽性を端的に表してるのかなって気がします。
だから衣装を決める際も自分はこの曲をイメージしていました。
御婦人が何も言わずともそういうイメージの衣装を選ぶのは分かっていたので、自分がそこにどう溶け込むか?というのがテーマでした。
この曲は御婦人が過去に在籍していたバンド、RK ROSEBUDの曲で、今回はそれをセルフカバーした形になります。
因みに今作ではRK ROSEBUDの楽曲を4曲取り上げています。
それがどの曲であるかは後述していきますが、もちろん取り上げた曲は全て御婦人の作詞作曲なので権利的な問題はありません。
原曲より尺を短くして、部分的にコード進行を変えたりはしましたが、基本的には原曲に忠実なアレンジにしてあります。
素材をそのまま活かしてブラッシュアップしたという感じですかね。
ただ原曲のキーが低くて、良い曲なのに突き抜けてこない感があったのでキーを1音上げました…と言っても原曲を知らないと何のこっちゃ?って感じですよね。(苦笑)
因みに自分は2:08~の『むぅおおぉぉぉう』という部分の歌声が好きで、その部分だけ巻き戻して聴いたりしています。(笑)

02. deus ex machina

この曲は作中で御婦人が一番最後に持ってきた曲だった気がします。
自分のほうから『REV (レフ)みたいな曲を書いて下さい』とリクエストしました。(ちなみにREVはGRASS VALLEYのボーカルだった出口雅之さんのソロプロジェクトで、1stアルバムは90's J-Rockの名盤。)
御婦人から送られてきたデモの段階ではイントロにテーマのメロディーが入っていましたが、この曲はハードなギターリフが合いそうだと思ったので、サビの歌メロをモチーフにしたギターリフをイントロに持ってくることにしました。
アレンジでは敢えてREVの曲中に出てくるキメフレーズを持ってきたり、自分が好きなTALISMANっぽいキメフレーズやリズムアレンジを入れたりと好き勝手にやらせてもらっています。(笑)
間奏のギターソロはよく聴くと危なっかしいところもあるんですけど(苦笑)、勢いで弾き切っています。
THE UNCROWNEDに比べるとMx.MOONでは全体的に良い意味でラフというか人間味のあるギターソロが弾けていると思います。
御婦人の歌がもろに人間臭いので、それに感化された部分もあるのかな?
機械のような正確無比なギターソロが入っていても曲に合わない気がしますし…。

03. CHEIRON

今作では自分が2曲書かせてもらっているのですが、これがそのうちの1曲です。(作詞は御婦人です。)
ちなみにこの曲はTHE UNCROWNEDのアウトテイクで、曲のキーもTHE UNCROWNED用に書いたときのままです……と言うとSHALってそんなにキーが低いわけではなかったんだなって思いませんか?
彼女は女性としては太めの声なので、高めの音域で歌ってもちょっと低めに聴こえるんですよ。
TM NETWORKにCome On Let's Danceという曲があって、それっぽい雰囲気でちょっとハードロック寄りな曲を…というイメージで書きました。
自分がTHE UNCROWNEDで書くメロディーって結構濃い感じ(?)だと思っていて、それに比べるとこの曲のメロディーはあっさりめだと思っています。
今でいう塩顔イケメン的な。(笑)
THE UNCROWNEDでは塩顔イケメンを出す勇気がなかったので採用はしませんでしたが、Mx.MOONの作品にはうまく調和しそうな気がしたので今回引っ張り出してきたというわけです。
御婦人はこの曲を聴いたときにB'zっぽいと言ってました。(笑)

04. FLOWER

今作のバラード枠です。
ちなみに御婦人はこの曲をすごく気に入っているらしいんですけど、自分はボツにするならこの曲!と思っていました。(苦笑)
絶対に収録したい!という御婦人の希望で生き残った曲です。
御婦人が送ってきたこの曲のデモを聴いたときの第一印象は「TM NETWORKのCome Back To Asiaみたいな曲だなぁ」というものでした。(実は御婦人もTM NETWORKが好きなのです。)
妙に民族音楽っぽい雰囲気を持ちつつ、やや行き過ぎた不協和音っぽいパートもあって「どうしようかなぁ…」と少し悩みました。(苦笑)
結果的にはその要素を残しながら上手くまとめられたんじゃないかなぁと思っています。
曲調に反してAメロのベースがやたら動き回っていますが、これは御婦人のデモの段階からあったもので、面白いと思ったのでそのまま採用しました。
デモの段階では展開がやや平坦だったので、Bメロの途中で転調して、更にサビ導入部でも転調させました。
曲中でサビが2回しかないので「もう1回サビがあったほうが良いかなぁ?」とも思ったのですが、結果としては今の形で良かったんじゃないかなと思っています。

05. ツキアカリノウタ

これは御婦人が在籍していたバンド、RK ROSEBUDの曲です。
もちろん作詞作曲は御婦人です。
この曲の原曲を聴かせてもらったとき、これは絶対に収録するべきだと思いました。
理由はただ1つ、これは名曲だと思ったからです。
曲始まりの「君の空を僕にくれないか?」でもう優勝決定で、逸品のメロディーに逸品の歌詞が乗る…それのお手本みたいな曲だと思います。
自分の曲を自画自賛するようなことはしないのですが、これは御婦人の曲なので褒めたって良いでしょう。
アレンジは基本的にシンプルだけど、意外とギターはたくさん重ねてあって、多いところではそれぞれ別のことを弾いているギターを4本くらい重ねてあります。
ギターソロは収録曲の中でもこの曲が一番気に入っています。
メロディックに歌い上げるんだけど、熱くなり過ぎず切なさを感じさせるような、そんなギターソロになっていたら良いなぁと思っています。

06. 鬼

この曲もRK ROSEBUDの曲です。
もちろん作詞作曲は御婦人です。
この曲の原曲を聴かせてもらったときは何となく聖飢魔Ⅱっぽいなぁと思いました。
あとは陰陽座っぽくもあるかなぁ、と。
原曲の御婦人の歌がタイトル通り正に鬼気迫るようなテイクで、どれだけそのテイクに近づけるか?というのがテーマでもありました。(この曲に限らず今回収録したRK ROSEBUDの曲すべてに言えることではありますが…)
ギターソロもタイトル通り鬼気迫る感じにしたいと思って結構激しく弾いています。
アレンジに関してはこの曲も基本的には原曲の雰囲気を活かしたままブラッシュアップさせたような感じです。
パッと聴いた感じでは気付かないかもしれませんが、各サビの最後、歌詞で言うと「Come in me, stay in my eye」の部分が何気に変拍子になっていて「小癪なことしやがって」と思いながらアレンジ作業をしていました。(笑)
その「Come in me, stay in my eye」は曲中で3回出てくるのですが、個人的には3回目のテイク(4:52~)が好きで巻き戻しポイントでもあります。(笑)

07. 月光のシャッフル

この曲は自分が書かせてもらった曲です。(作詞は御婦人。)
これもTHE UNCROWNEDのアウトテイクだったりします。(02. CHEIRON同様キーもそのまま。ちなみに2曲ともSHALが歌ったテイクは存在しません。)
この曲もTHE UNCROWNEDには合わないかも?と思ってお蔵入りにしていた曲でしたが、Mx.MOONなら合うと思って恐る恐る提出したらすんなり採用してもらえました。
ちなみにT-BOLANがやりそうなシャッフルリズムの曲のイメージで書きました。
所々に出てくるジャジーなアレンジは初めての試みでしたがどうでしょうかね?
自分では良し悪しが判断できません。(苦笑)
それにしてもサビにちょい派手めなブラスっぽい音を入れるだけで一気に90年代のJ-ROCKっぽくなりますね。(笑)
御婦人のリズムの取り方って結構後ノリで重い感じなので、もしかしたらこの曲のリズムに合わないかなぁ…なんて思っていましたが、意外と良い感じにハマってくれたので良かったです。(笑)

08. FLY

この曲もRK ROSEBUDの曲です。
RK ROSEBUD時代に御婦人が書いた曲をセルフカバーするアイデアを出したのは自分だったのですが、初めに御婦人が3曲くらい送ってくれて、その中で一番良いと思った曲がこのFLYでした。
Mx.MOONの曲で一番最初にレコーディングしたのはこの曲で、自分が作ったオケと今の御婦人の歌が混ざったらどんな感じになるか?を試験的にやってみた感じだったと思います。
実を言うとMx.MOONが始動した時点では御婦人はアコースティックギター一本でソロの弾き語りの活動をしていて、歌のスタイルが完全にそっち寄りになっていたんですよ。
なのでまず御婦人がロックボーカリストとしての勘を取り戻すところから始まりました。
アルバムの制作において御婦人が一番苦労した点はそこだったんじゃないかな?と思っています。
この曲のアレンジも基本的に原曲を活かした上でブラッシュアップさせた感じです。
原曲はMx.MOONのバージョンよりもグランジっぽい雰囲気があって、それがカッコ良かったのでもう少しグランジ色を強めに残しても良かったかなぁと今になって思ったりしています…。
エンディングのギターソロももっとノイズっぽく仕上がれば良かったのですが、自分の引き出しの中にそういうのがなくて…。
まぁ結構雑というか荒々しいテイクではあるんですけど、そこそこちゃんと弾いてしまうのがメタルを通ってきたギタリストの悪いところです。

09. MY GODDESS IS REAL

この曲のデモが送られてきたときの第一印象は「キャンディーズみたい」でした。
「もうすぐはーるですねえ」って曲しか知らないんですけど、デモを聴いたときにパッと頭に浮かんだのがその曲でした。
ただ歌メロ自体は良さそうだと感じたので、あとはこれをどうMx.MOONにしていくかというのが課題でした。
この曲で良いなぁと思ったのはBメロの導入部(0:37~)で一瞬「ここからサビ?」と思わせる雰囲気を持っているところですね。
その展開をうまく活かすため、Bメロ頭で一瞬盛り上げていくように見せかけてすぐクールダウンして、そこから転調して本サビで盛り上げる、みたいな感じにしてみました。
これは結構うまくいったんじゃないかと思っています。
アイドル歌謡臭が抜けてると良いのですがね…。(笑)
この曲のエンディングのギターソロ(3:19~)は関係者の皆さんが結構褒めてくださったんですけど、こういう場面でドラマティックに盛り上げられるのがメタルを通ってきたギタリストの良いところです。
まぁ大したことは弾いていないんですけどね。(笑)


余談ですが…

アルバムに収録したRK ROSEBUDの曲のうち『ツキアカリノウタ』と『鬼』は正式なリリースはされていないらしいのですが、『破戒ノ薔薇』と『FLY』の2曲はRK ROSEBUDの『INSECTS : never be categorized』というアルバムに収録されています。
なので原曲に興味がある方は探してみるのもありかもしれませんね。
個人的にはセンスある良い曲がたくさん入ったアルバムだと思っています。
まだ何枚か在庫があるという話を以前聞いたことがあるので、興味のあるマニア諸氏達は御婦人に問い合わせてみるのもありかもしれません。
一応御婦人のx(旧Twitter)のアカウントとホームページのURLを載せておきますね。
Aki/dokurokurage(@dokurokurage)さん / X
Mx.MOON (ミクス・ムーン) Official Site

あとがき

ここの時点で6000字を超えてしまいました。
非常に長い記事になってしまいましたが、ここまで読んで下さってありがとうございました。
この記事を読んで頂くことで、よりMx.MOONのアルバムを楽しんで頂けるんじゃないかと思います。
Mx.MOONが始動した当初は自分の曲をメインにする考えもありましたが、御婦人のこれまでの活動や音楽的センスを知っていくにつれて「この人はもっと多くの人に知られるべき人だ」と思うようになり今に至ります。
自分がこれまで音楽をやってきた中で、自分のことを高く評価し、すくい上げてくれた方達がいました。
いつか自分も微力ながら誰かに対してそういったことが出来れば良いなぁと前々から思っていて、今回やっとそれができたなぁと思っています。(本当に微力ではあるのですが…)
もちろんこれまでからTHE UNCROWNEDや自分の活動を応援して下さっている皆さんに支えられていることも忘れてはいません。
いつも本当にありがとうございます。
Mx.MOONの制作が一段落して、今自分は新しいプロジェクトに向けて曲作りを進めています。
まだ今はそれが何であるかをお伝えすることはできませんが、きっと皆さんに喜んでもらえるものになるだろうと思っています。
新たな報告ができるときまでTHE UNCROWNEDとMx.MOONの作品を楽しんで頂ければ幸いです。

というわけで今後とも宜しくお願い致します。
最後まで読んで下さってありがとうございました。


サポートして下さるファンの皆様、いつも本当にありがとうございます! 頂いたサポートはバンドの活動費として大切に使わせて頂きますm(--)m