08. JANUS
まずイントロのホールトーン・スケール(全音階)を使ったキメがポイントですね。
個人的には探偵モノのドラマとかアニメが始まりそうな雰囲気だと思っています。
このイントロも結構インパクトがあるので、リード曲にする事を意識していたんでしょうね。
もうちょっと爽やか系のバンドだったらこの曲がリード曲…なんて事もあったかもしれません。
THE UNCROWNEDとしてはさすがにここまでポップな音像を自分達の音楽の主軸にする勇気は無かったですが、7曲目のSAWでややダークな方向に行き過ぎてしまったアルバムの世界観を元に戻してくれるような、そんな役割を持った曲だと思っています。
タイトルは「ヤヌス」と読みます。
歌詞の内容は80年代のテレビドラマ、ヤヌスの鏡にインスパイアされたもののようです。
2年くらい前にこのドラマの動画をたまたま見つけて、何となく見ているうちにハマってしまい、SHALに薦めてみたら彼女もハマって、その流れでこの曲の歌詞が出来てしまいました。
このドラマ、さすがにリアルタイムでは見れてなかったですが、今の感覚で見ると台詞の表現なんかが面白おかしく思える部分があって、それがまた良いんですよね。
SHAL曰く、この曲のデモを聴いたときに主人公の大沼ユミが六本木の街を駆け抜けていく姿が見えた、とのことです。
この曲もCOLD SIGHと同じような80年代っぽい香りがするような気がします。
作り手側としては全く意図していないのですが、一体何なんでしょうかね?
これまで我々の作品が90年代っぽいと言われる事は多々ありましたが、さすがに80年代まで遡りたいという気持ちは無いわけで…。
うーん…、謎ですね。
この曲の歌は、首の手術前後の声が混じっていますね。
たぶん8割くらいは手術後の声だと思います。
手術前後の声の差は極力無くなるように調整はしているので、ほとんど分からないと思いますが、最後のサビ(3:14~)だけは100%手術前の声です。
最後のサビだけキーが違うので、完全な聴き比べは出来ませんが、やはり手術前の声の方がやや明るいトーンだと思います。
逆に手術後の声はやや重みがある声になっています。
重みが加わったせいか、裏声が妙に安定して貫禄のようなものが出ているような気がします。
彼女にとっては歌いやすいメロディーだったのか、歌の安定感という点においてはアルバム中で1番じゃないでしょうか。
この曲のギターはとにかくカッティングです。
オシャレなカッティングというよりはロックらしい勢いのあるカッティングですかね。
俺がギターを始めた頃のヒーローがJUDY AND MARYのTAKUYAさんだったので、それっぽいプレイを前面に押し出した曲をやってみたかったんです。
メタル色の強い1stアルバムではこんなプレイする隙間が無かったですからね。
カッティングって何ぞや?という方は取りあえずBメロ(0:32~)は左側、サビ(0:48~)は右側のギターに注目して聴いてみてくださいね。
ギターソロ(2:38~)はダンサンブルなビートの上で、微妙にオシャレ(?)なスパニッシュ・ギター風のプレイをしてみました。
こういうのも1stでは出来なかったので、今回やれて良かったです。
それにしてもギターソロ終わりからの、イントロと同じホールトーンのキメ(2:52~)…、やたら存在感がありますね。
間奏のギターソロではちょっとオシャレに踊ってみましょうって感じだったのに、無理矢理80年代の世界に引き戻してくれますからね…(苦笑)