⑧ DUELLO
T:次は8曲目のDUELLO。仮タイトルは「根暗魔人」だったんですけど、意味不明なので説明しておくと…。根暗というのはネオクラ (クラシック音楽の影響下にあるヘヴィ・メタルのジャンルであるネオ・クラシカルの略称) からきています。日本のメタル・ファンから鍵盤魔人と呼ばれているRichard Andersson (スウェーデン人キーボディスト) という人がいるんですけど、彼が作るようなネオ・クラシカル系の疾走曲ということで根暗魔人というわけです。この曲は彼へのオマージュ曲になっています。
N:敢えてRichard Anderssonでくるのがマニアックなところで、個人的には気に入ってるポイントの1つですね。
T:この曲ではギターとベースのユニゾンを結構やったけど、イントロからいきなり…。
N:うんうん。
T:あれもだいぶ速いよな?
N:速い!兄もたぶん好きだと思うんですけど、TIME REQUIEM (上記のRichard Anderssonが率いるスウェーデンのメタル・バンド) の1stアルバムがそういったアプローチをたくさんやっていて、僕自身もそのアルバムでベースを弾いていたDick Lövgren (スウェーデン人ベーシスト)になりきってレコーディングしてみました。
T:この曲を書く時点でSHIVERとUNWAVERINGの2曲の疾走曲は書いてあったんですけど、あと1曲くらい疾走曲があったほうがメタル作品として認識してもらいやすいかなと思って書いた曲です。個人的にサビのメロディーはお気に入りかな。
N:そんなメロディーにSHALねーさんはどんな歌詞をつけたんですか?
S:これはですね、戦い…。 この曲を聴いたときに戦争を思い浮かべたんですね。もちろん私は戦争を体験したわけではないですけど…、97歳になる私のお爺ちゃんが戦争の体験談を本にまとめてあったんですね。100ページくらいあったんですけど、それを全て読みました。サビに出てくる「宿命(さだめ)」とか、そういう言葉がいっぱい書かれてあって、これは使えるなって思い…そこからパクりました(笑)
T:97歳の爺さんからパクったと(笑)
一同:(笑)
S:はい(笑) お爺ちゃんがいたから出来た歌詞です、はい。
N:曲の頭のフレーズも?
S:「暁の刻(あけのこく)」ですかね?そうですね、それも書いてあって…、すごくカッコいいなって思ってパクりました(笑)
T:暁の刻というのは戦争でいうところの赤紙がきたときのこと?
S:たぶんそれと掛けてあるんだと思います。暁って太陽が昇り始める明け方のことじゃないですか。それと赤紙がきたことを掛けてるんだと思うんですね。
N:なんと。テクニカルな爺さんですな(笑)
一同:(笑)
S:そんなお爺ちゃんの歌詞です(笑)
T:97歳のお爺さんの協力の下にできたDUELLOでございました。