04. PARALLEL LINE
この曲はアルバム中では異色な曲ということになるのでしょうかね。
初めはめちゃくちゃプログレッシヴ且つジャジー且つダンサンブル(?)な曲に仕上げようと思っていたんです。
再結成WANDSが2020年にリリースした真っ赤なLipって曲があるんですけど、その曲がめちゃくちゃカッコよくて、それっぽいのを作ってみたいな、と。
でもアレンジし始めると全く違うものに仕上がってしまったという…。
聴いてもらえば分かると思いますが、真っ赤なLipの影響なんて全く見られないですよね。(苦笑)
何故こんな風に仕上がったのか自分でも謎ですが、出来上がったときは何となく冬っぽい曲だなって思っていました。
2:46~のギターソロの導入部なんて雪がチラついている様子が目に浮かびませんか?(笑)
いや、作っている最中は全くそんなこと考えていなかったですけどね。
冒頭に異色な曲だと書きましたが、個人的にいつも作品にはバリエーションを持たせたいと思っていて、今回のアルバムのバリエーションという点に関しては、もっとあっても良かったと思っています。
バリエーション豊富な作品のアルバム評を見ると「何がやりたいのかわからない」と書かれている事がたまにありますが、それに対する答えは1つ。
「色んな事をやりたい」です。
次の作品があったならもっとバリエーション豊かな作風に挑戦したかったですね。
この曲のベースは完全にシンセベースですね。
ギターに関しては、主に左側がアルペジオで右側がカッティングという振り分けになっています。
ちなみにこの曲のギターパートは、バッキングもソロも含め全てハーフトーンでプレイしています。
以前とある邦ロック系ギタリストがインタビューで「リア・ピックアップは滅多に使わない」と発言していたのに衝撃を受けて、俺もそういう台詞を言ってみたいと思ったんです。
ギターに詳しくない人はちょっと分からない話かもしれないですが、ハードロックやヘヴィメタルをプレイする場合はリア・ピックアップを使わない事はほぼ無いんです。
リア・ピックアップしかないギターを使っている人もいるくらいですからね。
でも捻くれ者の俺は言ってみたかったんです。
「この曲ではリア・ピックアップを一切使っていません」と。
この曲のギターソロではなんちゃってジャズ風のプレイをしています。
特にエンディングのソロ(4:00~)は、やや緊張感高めの音を選んでいるので妖しい雰囲気になっていますよね。
もしSHALが恋愛の歌詞を乗せたりした場合は、曲の世界観に合わないのでギターソロを録り直そうと思っていました。
実はこの曲の歌詞は恋愛の歌詞と見せかけたストーカー目線の歌詞なんです。
だからこの恋愛は交わる事のない平行線(PARALLEL LINE)というわけです。
そんなわけで妖しい雰囲気のギターソロでもOKということになりました。
SHALさん、ナイスな連携プレイですね。
初めはエンディングはフェードアウトにしようと考えていましたが、余韻を残すような綺麗な終わり方よりも、最後にブチっと音が途絶えて終わる方がより歌詞にマッチすると思ったので、ああいう感じの終わり方にしました。