🎵脳内 おもひで 音楽祭🎵・・・♪7曲目♪(2024年1月10日)
♪ 7曲目 ♪
【 絢香 / にじいろ 】
年始に入ってからのことです。
とあるお店のBGMとして流れてきた音楽は、私の沖縄生活の前半期を思い出させてくれるものでした。
その曲は絢香の『にじいろ』です。これは2014年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』の主題歌だったようです。2014年当時はシンガポールに住んでいて、日本のテレビ番組との接点はなかったので、具体的にいつ頃この曲を聴くようになったのか、そしてなぜ聴くようになったのかはよく覚えていません。
しかし沖縄生活がスタートした2016年の前半は、何かの作業をするとなるとこの曲だけをリピート設定にして繰り返し聴いていたのです。
勤務校があったのは那覇市の隣にある浦添市でした。自動車免許はおろかバイクの免許もない私は、日々の通勤であまり時間をかけたくないという思いがあり、徒歩10分くらいの場所にアパートを借りていました。
アパートの周辺には飲食店やコンビニはあるものの、カフェやファーストフードのお店はなく、退勤するとそのまま家に帰る形になるのが通常でした。シンガポール時代にカフェでワンクッション入れてから家に帰ることに慣れていた私としては、シンガポール・ロスの精神状態が続いていたことも相まって、そんな沖縄での生活パターンをとても息苦しく感じていたのです。
そして一週間もしないうちに、退勤するとそこからバスやタクシーで那覇の国際通りまで出ていたのです。わざわざ夜に国際通りまで来て何をしていたのかというと、単にカフェで予習をしたり、SNSの記事を書いたりするだけでした。このときなぜだか、絢香の『にじいろ』だけをリピート再生していたのです。もしかするとどこかでこの曲を耳にする機会があり、歌詞にある「これから始まるあなたの物語」というのが、新たに沖縄での生活をスタートさせた自分の心境に重なると感じたのかもしれません。
他の人からすると予習やSNSの記事など、家に帰ってできるではないかと思うでしょうが、私の中では勤務先と家を行き来するだけの生活に押しつぶされそうな感覚があったのです。さらに全く土地勘がなく、勤務校の生徒や先生からは「本土」の人として扱われる、異物感・アウェイ感によって息苦しさに拍車がかかっていたのです。
そのためせめて退勤したあとくらいは、常にまとわりついている窮屈な空気を自分から引きはがしてリラックスしたいという思いがあったのです。そうして国際通りのスタバなどに行くのが当たり前になってしまいました。国際通りも沖縄であることには変わりはなかったのですが、浦添の家の周りと比べると、観光客が多く沖縄以外の要素を含めた高い流動性があったので、自分が解放されるような気持ちになれたのだと思います。しかし国際通りのスタバは22時くらいで閉まってしまうので、そのあとその近くにあったマックに移動し、日が変わるくらいまで過ごしていました。
沖縄を離れている現在は、当時を振り返るとそこまでネガティブな思い出ではありませんが、土日を含めてほぼ毎日、国際通りに通っていた或る種の異常性から想像するに、通常の生活パターンでは解消することのできない息苦しさ・窮屈さがあったのだと思います。
私が担当していたのは中学2年の歴史で、大部分が日本史の内容でした。あれから7年以上も時間が経っているのですが、どこかで『にじいろ』を耳にする機会があると、日本史の様々な出来事が溢れ出してきますね。
そのため私の中では、今でも「にじいろ=沖縄=日本史」という不思議な関係式が成り立っているのです。
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