2022/5/28晴れ。ボランティア体験記(関東サッカーリーグ1部 前期第6節「南葛SC vs 東京ユナイテッドFC」)
当日を迎えて
16:00ちょっと前に集合場所へ到着。さすがに関わっている人が多く、あたりは賑やかです。
私はと言えば、つい気合いを入れて(届いたばかりの)南葛SCのレプリカユニで再び参加してしまい、他の人がみんな普通のシャツやキャプテン翼Tシャツだったので、たぶん目立っているのだろうなと意識してしまい、少し恥ずかしかったです。
さて、最初に出席確認として、1人ずつ名前が呼ばれます。参加希望を出した人が全員揃っているわけではなく、何人か欠席されている方もいました。
次に、全員に運営マニュアルが配られ、朝田さんが作業の概要や心構えを説明してくれます。冒頭にこういった説明があるのは良いですね。
マニュアルにはボランティアも含めて全員の名前が書いてあり、私はDゲート(ゴール裏)のチームに配属されてました。
事前準備
18:00から来場者受付が始まるのですが、それまでにテントを建てたりテーブルを配置して準備をします。
準備してる時も、犬の散歩や自分の散歩をしてる人が通り過ぎていくので、その度に「こんにちは!」と挨拶するようにしました。
挨拶を返してくれる人、会釈してくれる人、何があるの?と声を掛けてくれる人と様々でしたが、南葛SCに良いイメージを持ってくれれば嬉しいですね。
17:00過ぎには準備もすっかり終わり、メンバーの役割分担も決定したので、来場者受付開始を待つだけになりました。
ちなみに私は、再入場者のチェックを行う、ある意味重要な役目を担いました。
来場者受付開始
18:00になると熱心なコアサポの方が早くも並び始めます。
U14の子供達が消毒、検温し、ボランティアスタッフが名前確認とリストバンド、プログラムの手渡し。
そして私が再入場のチェックをします!(最初はあまり出番が無い)
初めて来る方も多かったらしく、当日はキッチンカーの場所を聞かれたり、他の入り口について聞かれたり、トイレの場所を聞かれたり、鳴り物軍団の居る場所はこっちかね?と聞かれたりしました。
さて、試合開始も近づいてきて、選手紹介のアナウンスが始まると、消毒・検温をしているU14の子供達がそわそわし始めます。
そこで、来場者が少ない時は子供たちは交代で中を観ててもいいんじゃないか?となりました。
その話が決まった瞬間、子供達4人のうち3人が、ダッシュでグラウンドが見える場所まで走って行きました。
もう1人も行く素振りは見せたんですが、全員行くわけにもいかないと思ったのか我慢してました。
Dゲートは入り口から遠いからか何なのか、それほど列が長くなったりとかは無かったのですが、試合開始15分前ぐらいから大勢押し寄せてきました。
どうやら他のゲートが混雑していて、そこから流れてきたようです。
試合開始
19:00に試合が始まった後も、来場者が絶え間なくやってきます。
結局この流れは後半開始まで途切れることはなく、試合開始には絶対間に合うぞ!という人ばかりでは無いのだな、と思いました。
試合開始から少し経った頃に、会場内からどよめきがありました。チラリと中を覗いてみると、ボールが自陣ゴール内に入っています。どうやら失点してしまったようです。
しかし今日の相手は得点力の高いチーム。これぐらいは想定内です。
心の中で勝利を祈りつつボランティア活動を続けますが、すぐにまた会場内からどよめきが上がります。
チラリと中を覗いてみると、どうやらまた失点をしてしまったようです。
さすがにこの連続失点の時は、会場内でもみんな呆然としていて、声を出す人はおろか、動く人もいなかったのですが、その雰囲気を切り裂くように手拍子が力強く聞こえてきました。
すると、あたりの空気が確かに変わり、さっきまで静かだった会場内も活気付いてきて、再びみんなで南葛を応援しよう、後押ししようという想いが強くなっていくのを感じました。
それを受けて私も居ても立っても居られず、ボランティアを投げ捨てて会場内に飛び込み!手拍子の輪に加わり!…たかったのですが、ぐっとこらえて再入場のチェックを続けました。
得点はしばらく動きませんでしたが、前半終了間際にPKを与えてしまい、残念ながら3-0で前半を折り返すこととなりました。
ハーフタイム
15分のハーフタイムが始まると、出入りする人が増え、再入場のチェックが忙しくなります。
他のゲートに居た来場者がDゲートに来たりもします(リストバンドの色が違うので分かります)。逆に、Dゲートから他のゲートに移動していく人もいました。
すぐそこにあるトイレでは、長蛇の列が出来ています。こんな状況(3-0)でも、みんなハーフタイム中にトイレを済ませて後半に備えるつもりです。
そんな中、会場内が賑やかになった瞬間がありました。時計を確認してみたら、まだ10分も経っていない。
すると、トイレに並んでいた男の子が1人、急いで近付いてきて聞いてきました。
男の子「試合始まりましたか!?」
子供だから、まだ時計を持っていないのでしょう。まだだよ(ニコッ)と答えると、男の子は安心したように、
男の子「良かった〜!」
と言ってトイレの列に戻って行きました。
その子供がどんな気持ちで試合を観ていたのかは分かりません。ただ、後半が始まるのを凄く楽しみにしていることは伝わってきました。
後半が始まる頃には、トイレの行列はすっかり無くなってました。
後半開始
後半が始まってからは新規来場者の数もだいぶ減り(居なくはならない)、出入りする人も少なくなりました。
と言っても、のんびりしてはいられません。早く撤収出来るよう不要なものを片付けて、最小限の状態にします。
テントを片付けて、2つあったテーブルも1つに減らし、荷物をある程度まとめておきます。
そうこうしてるうちに試合は終わり、結局4-1で負けてしまいました。後半は南葛の猛攻があったからでしょうか?少なくともDゲートでは、途中で帰ろうとする人はほとんど居ませんでした。
試合終了後、Dゲート内に入り、来場者が居なくなった後にゴミが落ちてないかどうか見回りをします。
その後、Dゲートの入り口を閉めて、使用した器材やゴミ箱を元の場所に運んでいきます。
まだまだ会場内では後片付けが続いていましたが、我々ボランティアはここで終了となりました。
得点を決めた加藤颯人選手と、今シーズン初出場の梶塚大哉選手がみんなの前で挨拶をしてくれた後に、集合写真を撮りました。
会場を出る時には、再びささやかなお礼をいただいたり、ウイングスの大河原選手を始め、色んな人から労いの言葉をいただきました。
振り返ってみて
いつもはサッカーを観に会場を訪れるのですが(と言っても観戦歴は浅いですが)、ボランティアの場合はサッカーを観に来る人を観るようなものでした。
客層は、それはもう様々で、1人1人色んな想いで見に来てるようでした。
その中で、特に今回思ったのが、南葛を純粋に応援する子供たちが意外に多い。
ひょっとしたら、翼ドリームとか絵本の読み聞かせとか、そういったイベントで南葛の選手と触れ合う機会があって、応援にきたのかもしれません。
あとは、稲本選手のファンだと思わしき方も多い(推定)。
主観なのですが、こういった子供世代グループと稲本世代グループは、会場に来ることだけで既に楽しんでる。そんな風に感じました。
例えるなら、近所のお祭りに家族とかご近所さん同士で行くような感覚でしょうか?
そういった人たちの中には、特にサッカーには強いこだわりがなく、試合の開始時間をあまり気にしないって人も多いのかもしれません。
こういった層も含め、「週末はサッカー観戦をしよう、そしてチームを応援しよう」という文化がこのまま葛飾区に育っていけば…なんて未来を想像してみました。
鳴り物軍団を客観的に見て
とある来場者が鳴り物軍団と言ってたので、今回はそう呼びます。
鳴り物軍団と言ってますが、奥戸は鳴り物禁止なので手拍子だけになります(言ってしまえば手拍子軍団とも言える)。
まず、サポーター…じゃなくて、鳴り物軍団の手拍子が選手の背中を押しているのかどうか、正直なところ私は選手では無いので実感があまり湧いていません。
しかし、連続失点直後のDゲート会場の雰囲気を変える力は確かにありました。あの手拍子が無かったら、途中で帰ってしまう人も多かったかもしれません。
後方からその変化を目の当たりにした私は、心が震えました。ボランティアをしていなかったら、(そして再入場チェック担当でなかったら)、そのことに気付かなかったと思います。
少し妄想をしてみました。もし、この手拍子の輪が少しずつ広がっていって、会場全体(相手のゴール裏は除く)から手拍子が聞こえてきたら?
そしたら、味方の選手の心は震え、相手の選手は体が震えるのでしょうか?
サッカー観戦には色んな楽しみ方があります(サッカーに限ったことでもないですが)。
会場に来るという楽しさもあれば、目の前でサッカーを観るという楽しさもある。好きな選手を近くで見れるという楽しさもあれば、勝利を掴む瞬間を見れるという楽しさもあると思います。
もちろん、どれもこれも楽しいのですが、応援する楽しさを多くの人に味わってもらいたい。
あらためて、そんなことを思いました。
おわりに
運営ボランティアとは、言ってしまえば、チーム、選手、観客、それら全体のサポーター、と言ったとこでしょうか(そしてまた、それを支える運営スタッフの人たちが居る)。
とてもやりがいがあり、このまま運営ボランティアを続けていくのも楽しそうだな、という考えが頭をよぎったりもします。
今回思ったのが、どんな強いチームでも、ずっと勝ち続けることは難しい。それなら、どんな結果でも「来て良かった!楽しかった!」そう思えるような雰囲気を作り上げていくのが大事だな、と。
そうやって何度も観戦に来る人が増えてくれれば、それが地域に根付いていき、いつしか文化となっていくのかも。
この先、南葛SCにどんな未来が待ち受けているのか分かりませんが、これからも応援し続けたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?