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shin work out vol.2メイキング

早朝、
5時の二子玉。

とにかく寒かった、、。

いや、それより、
時間との闘い。

常に頭の中で、今、何分だ!?
と、呟いてる自分がいた。

まだ暗いうちから、スタンバイ、
リハを軽くやらなければならない。

更に、かすかに聞こえる電車のホームの音や、
自然の音など録音しながらも、
日の出の時間を気にしながら、
動き回る。

予定の時間に太陽が出ない!?

まずい、、
では、待機せず、別のカットを撮ろう!と、
更に動き回る。

頭の中にプロンプはある。

順撮りなので、次はこう、その次はと、
予め考えていたカット割り、
カメラワークを伝えながら、
どんどん消化していく。

自分のシーンよりも、
今回の主人公、
美香が到着する時間ばかり気になっていた。


日の出をバックに歩く姿をカメラに収める為には、
太陽が登りすぎたらアウトなのだ。

理想通りの"画"  素晴らし✨



予定通り、自分のシーンはうまく消化。
(と言っても、結局、半分は使えず、別の日に撮ったが、、、)


二時間後、
美香、到着。

まだ8時だが、10時には、
麻里とのシーンが待っている、、。

なんて、タイトなんだ、、
(全てスケジュール組んだのは自分、、)

大丈夫、いける!と気合い入れ、
新たに挑むが、
日が登ったとはいえ、
まだ、寒い、、

真冬の撮影の定番、
上着を脱がせ、美香の背中にホカロンを貼り付ける。

定番 ホカロン🔥

太陽の位置、丁度いい感じだ。

急いで移動、
ストリート、ど真ん中を歩く撮影、
帽子をかぶる、かぶらないなど、
何パターンか収め、消化。


この日は、太陽が味方してくれた。絶好の撮影日和。



次は親父の木刀を投げるシーン、

画的に二人の距離を離したかったが、
離れすぎて!?
最初は全くうまくいかない。
汗。。

だが、さすが美香、何回か繰り返した後、
あの本編のように、華麗に投げてくれた。

最初はギクシャク。だが、、


芝居、ストーリーの流れとして、

夢なのか、
現実なのか!?
(最終的には、夢のまた、夢だったが。。)
突如、木刀を受け取り、
この人は、一体、誰なんだ!?という疑問を抱きながら、
自分が美香に
「あの、すいません!」と伝えるわけだが、

実はその後、
彼女が、"振り返る"パターンも撮ったのだ。

当初は、振り返り、笑顔でガッツポーズ。

だった。

だが、よく考えると、
振り返ってマスクを外し、「笑顔」、
になったら、同期の美香だと分かってしまう。

これは、凄く悩んだ。

美香だと分からずに黙って去るほうが、
ドラマチックではないか?

30年前、
舞台、映像で闘った同志が励ましにやってくるが、

あえて、身分を隠し、去る!

みたいな、、。

やはり、そのほうがいい。

後ろを振り向かず、
拳を握り、
「気合い入れろよ!」と言わんばかりのガッツポーズ。

よし、そっちにしよう。

との事で、このカットは封印。

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流れを編集してみて、
やはり、凛々しく、
そのまま去る、というパターンで良かったと確信した。

たった二時間の"再共演"だったが、
改めて思ったのは、
いくつもの作品を共に乗り越えた戦友は、
何かが違う。

正に、阿吽の呼吸。。

親父への追悼に相応しい存在。


やはり美香で良かったのだ。

ありがとう、、。

最大の感謝を。。



と、ホッとする間も無く、
10時、麻里が到着!

例の、「あーーー!!」を撮る為、
移動。

これも、気心知れた仲間との瞬間芸。
ささっと撮り終える。

そう、この日の前日、
麻里は左目を充血させて、眼科に行ったとの事で、
本来なら、
眼を休ませなければいけなかったのを、
約束だからと、わざわざ来てくれた。。

その、麻里の心意気にも感謝だ。

美香にしろ、麻里にしろ、
当時、全盛期だった時代に、
親父、千葉さんから大抜擢された、
最強な二人。

その、人柄、華やかさは、
何年経っても変わらない。

美香にも麻里にも、
20年ぶりぐらいなのに、
昨日、会ったような感覚、、。

食事も喉に通らないような過酷な合宿や、
激しい舞台、映画などに耐え抜いた仲間は、特別だ。

この撮影日、
天界から観てくれていたと、、
思いたい。


今回の再集結、

喜んでいてくれてる事、信じながら、

この二子玉を後にした。



親父のご実家、窓からの、、景色。



人生は短い。



我々も、いずれ、
親父の場所に逝く事になる。

この身体、
明日まで生きているとか、
約束はない。

突然、
当たり前の日常、
全てが無くなるかもしれない。


だからこそ、

悔いのないように、

愛情を注いでくれた人には、

ありがとうを、

感謝を伝えなければと、

行動を起こさねばと、、、


改めて、、

痛感した。



今回の衝撃的な急逝、

自責の念が、

皮肉にも、大きな起爆剤、原動力となった。

最期まで、、

結局、10代の頃から、ずっと、

親父には、最期の最期に、

人として、一番大事な事を叩き込まれた気がする。




改めて、

千葉さん、

親父に、ありがとうを、、。


俺たちは、俺たちなりの、

千葉ismを、、

これからも貫きます。


心からの感謝と、愛を、、。


そして、月命日、
この日の為に、集結してくれた、
二人にも感謝を。。

ありがとう、美香、麻里よ。

麻里は左目充血、痛いので日差しはカット。二人よ。ありがとう。



ラストシーン、

貴重な逸品。

親父の愛用、jacベロアを抱きしめる事ができて、、
良かった。


正真正銘、本物のベロアを前にして、芝居ではなく、感情が湧き出てしまった、、。



増上寺での展示の為、
すぐに返却。

生前、授かったという貴重なベロア、
この日の為に、わざわざ貸してくれた。

西やんにも最大の感謝を。




親父、

行ってらっしゃい。。

よき旅を、、。来世も必ず再会。心を込めて感謝。




合掌


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