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いわきFC:転換点は必ず来る!

 J2リーグ第12節、4月23日(日)、対V・ファーレン長崎戦をいわきGFスタジアムで観戦。結果は、4回目の0-1敗戦(第3節ホーム山口戦、第6節ホーム町田戦、第11節アウエー栃木戦)。4回とも、前半0-0、後半に得点を許し、逃げ切られた。第11、12節の連敗でトータル3勝7敗2分となり、22チーム中19位と自動降格圏1歩手前まで沈んだ。ただし、今回は、栃木戦とは違って、ゲームを支配していたのはいわきだったが、後半27分ファンマデルガドという重戦車に屈した。実際、いわきは攻め続けていた。前半は、いつ得点が生まれてもおかしくないほど押し込んでいた。ハーフタイムには、友人に「今日は勝てそうだね」とメールしたほどであった。後半1点を追う展開になってからも攻撃・攻撃を続けた。シュート数、24対4(枠内6対2)、コーナーキック、19対1のスタッツを見れば、攻め続けていたことが分かる。ポスト、クロスバー直撃もそれぞれ1回あった。
 ある人曰く、いわきFCは、J2レベルに達していないのではないか?筆者は、まったくそうは思わない。スピード、強度、ハードワーク(スタミナ)は、十分J2レベルにある。否、J2レベルを超えている部分も多い。では、何が足りないのか。
 第12節、選手入場時、いわきイレブンを見て驚いた。フェースガードを着けている選手が2名もいたのだ。有田選手と遠藤選手。両選手とも栃木戦で負傷したのだと言う。時崎悠監督のけんかサッカーにやられたのである。同監督は、選手時代から激しい人ではあった。きっと「当たり負けるな」の指示があったのだろう。
 長崎戦では、ファンマデルガド(188cm、90kg)選手のアピールぶりが目立った。しきりに主審に話しかけ、自分の主張を訴えかけていた。また、クレイソン選手の「ちょっと当たっただけですぐ倒れる」のも目に付いた。その他ピッチレベルでは、いろいろなことが起こっているのであろう。いわきFCがJ2レベルに達していないとすれば、このような外から見えない部分ではないか。「90分間止まらない、倒れない」だけでは、ナイーブすぎて、戦場のようなピッチでは、+αが必要なのだろう。例えば、マリーシア的な駆け引きの巧みさである。
 第9節アウエーの金沢戦。3点リードされていた後半、いわきが攻勢を掛け、押し込む展開が続いた。ゴール前の競り合いの中で、金沢の選手が倒れた。全然動かない。重傷なのかと思われたが、ほどなく立ち上がり元気に走り出した。ベテラン選手が、間合いをとっていわきの勢いを弱めたシーンであった。
 ただし、長崎戦では、いわきの選手たちの覚悟も伝わって来た。そこここで「駆け引きでも負けないぞ」という意気込みを感じることができたのである。例えば、永井選手のエンドラインに沿ったドリブルの仕掛けなどは、発明的工夫ではないか。こうした若い選手たちは、「何でもありのJ2という戦場」で日々成長しているのだ。それがはっきりと見えた長崎戦であった。
 次節のヴァンフォーレ甲府(5月3日・水)には、ピーターウタカという怪人がいる。若き勇者たちよ、Relentlessに加えてCleverness(賢さ)で、天皇杯チャンピオンの甲府に打ち勝ってくれ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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