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いわきFCの現在位置

 昨日(1月22日)新体制発表会があった。今年のキーワードは、なんと「RELENTLESS(容赦ない)」であった。この発表会の動画配信を見た印象と、同日、午前11時から行われた、関東リーグ1部の東京23FCとの練習試合を観戦した結果から、いわきFCの現在位置を考えてみた。
 練習試合は、Jヴィレッジスタジアムで、関東リーグ1部昨年3位の東京23FCと30分三本とうい形式で行われた。それほど広く告知されていなかったにも関わらず、結構な数のサポーターが駆けつけていた。筆者も、今年はどんなサッカーを見せてくれるのかと、興味津々で観戦した。
 先発は、GK21高木和徹(27歳、ヴェルディ)、DFは、左から8嵯峨理久(24)、3遠藤凌(24)、4家泉怜依(23)、2石田侑資(20、ガイナーレ鳥取)。MFは、28宮崎幾笑(24、ファジアーノ岡山)、6宮本英治(24)、24山下優人(26)、20永井颯太(23)。FDは、13鏑木瑞生(22、拓殖大学)、26坂元一渚璃(18、報徳学園)であった(どこか間違っていたらゴメン)。日高大選手の後には、背番号とポジションを嵯峨理久選手が引き継いだ形。では、嵯峨選手の代わりとしての右サイドは、大阪体育大学からの16河村匠(22)ではなくJリーグ経験者の石田選手が入った。このポジションは、今後競争が激しく誰がくるか愉しみである。
 試合は、30分二本目の15分経過時点で、フィールドプレーヤー10人を全員入れ替えるという完全な様子見モードだった。GKは、二本目が1田中謙吾(33)、三本目が31鹿野修平(23)。後半の45分に登場したのは、15加瀬直樹(22、流通経済大学)、16河村匠、22加藤悠馬(21、特別指定、拓殖大学)、25芳賀日陽(22、作新学院大学)、30黒宮渉(24)、35江川 慶城(22)を含む40番台の背番号を着けた選手たち(特別指定か?)だった。得点は、一本目から0ー0、1-0、4-2、合計、いわきFC5-2東京23FCだった。印象に残った得点は、黒宮選手のミドルぐらいか。
 センターバック2選手嵯峨選手、ボランチの山下、宮本選手は、やはり別格だった。主力の有馬、有田、谷村、吉沢、山口選手やは、出番なしだったが、来週からの鹿児島キャンプでは、鹿屋体育大学やジュビロ磐田との練習試合が組まれているので、そこでは登場するのだろう。岩渕選手は、ランニングを開始しているが、開幕には間に合わないかもしれない。
 さて、同日夕方からのスパリゾートハワイアンズで行われた新体制発表会では、「常磐興産の西沢順一社長の登場」こと、「ことしのキーワードが<RELENTLESS>」が、筆者には驚きであった。前者については、いわきFCが抱える課題の一つ、J1、J2仕様のスタジアムの必要性に関連する。この課題を、エンタメ企業としての常磐興産が「サッカーだけでなく、いろいろなイベントを開催できる総合施設」の実現の中核を担うことで、克服に向けて踏み出してくれることを期待したい。発表会には内田広之いわき市長も登場したので、筆者の期待は膨らんだのである。
 もう一つの驚き<RELENTLESS>について。米国映画ファンである筆者としては、この単語の選択とその解説を聞いたとき、隠れた深い意味を感じた。この単語は、容赦ないという訳語がある一方で、(映画で見た範囲では)「無慈悲な」というニュアンスで使われることも多い。フィジカルが圧倒的に違うとき、相手チーム選手の怪我を心配していた過去。この心構えを180度変え、我々のハイプレスを巧みに(あるいはずる賢く)はがしてくるJ2の各チームに対して、彼らの油断、ミスを容赦なくとがめていく覚悟を示した言葉だと思ったのである。
 突然だが、「とがめる」という言葉から囲碁の戦略を思い出した。囲碁界天才少女、仲邑 菫(なかむら すみれ、三段)の棋風は、「宇宙流」と言われる。陣取りゲームである囲碁で、効率的に囲える隅を相手に与えても、自分は中央を目指すのである。そして、いつの間にか相手の大石を relentless に奪うのである。可愛らしい13歳の少女が、容赦なく、無慈悲に「参った」を言わせる様は痛快である。今期、いわきFCのサッカーで「宇宙流(圧倒的な勝利)」が何回見られるのか、筆者は、スパイ家族のアーニャのように今から「ワクワク、ワクワク」しているのである。
 

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