いわきFC:光明は見えたのか?
J2リーグ第21節、6月18日(日)、対ジェフユナイテッド千葉戦をグリーンフィールドで観戦。結果は、0-0のスコアレスドロー。翌19日(月)には、対流通経済大とのトレーニングマッチを同じくGFで観戦。結果、直ぐにやって来る後半戦の開始に向けてポジティブな印象を持った。
先ずは千葉との戦い。千葉は、先発陣に聞きなれた名前が多いのに加え、ベンチの控えも充実、16位に低迷しているのが信じられない選手層の厚いチームであった。実際、チャンスメークは、圧倒的に千葉。ポストやクロスバーを味方にできなかったら連敗していたところであった。Football LABの戦評を引用する。「いわきは序盤から千葉にボールを保持されて守備に回る時間が続く。セットプレーからゴールを狙うも、最後のところで相手の壁を崩せない。前半終了間際には相手に決定機が訪れるが、これをしのいで試合を折り返す。後半は良いスタートを切ったと思われたが、徐々に相手ペースに変わる。サイドを中心に反撃を仕掛けるが、相手の守備を完全に崩すまではいかない。終盤は相手の猛攻を浴びるものの、集中した守備で得点は許さず、スコアレスドローで終了。粘って勝点1を獲得した一方、監督交代後の初勝利は次節以降に持ち越しとなった。」
守備陣は、CBの家泉選手がベンチにも入らず完全休養。遠藤選手の奮闘が目立つ内容だった。右サイドバックには、嵯峨選手を配置、宮本選手をボランチに戻した。サイドハーフは、右に加瀬、左に下田選手を起用、2トップは、近藤、谷村選手で、有田選手も完全休養となった。苦しいやりくりが見て取れる。ただ、下田選手は、サイドハーフというより山下、宮本選手と3ボランチのような動きをした。やはりこの選手がもたらす余裕は、今までのいわきにはない独特なタメががあり、安心感を与える。もっと馴染めば、熊本の平川選手のような優れた司令塔になることだろう。
一方、月曜日の流経大戦は、トレーニングマッチということで、いわきの先発は、GK高木和、CB速水、右SB石田、ボランチ芳賀、CF吉沢選手の5名以外は、背番号が40番台のテスト生(?)。結果は、前半2-0、後半1∸1、合計3-1で勝利した。観客も少なからず来ていて、好プレーや得点時には拍手が起こった。いわきの得点は、43番(2点)と47番の選手。トップチームへ這い上がって来てほしい。ただし、先制点は、芳賀、吉沢選手のお膳立てがあっての得点だったので、トップチーム選手のクオリティと、テスト生のそれには、まだ差があるようだ。この試合で特筆すべきは、後半残り30分ほどから登場した岩渕選手である。ピッチ脇に立っただけで観客から歓声が上がったほど、怪我からの復帰が待ち望まれていた。「待っていました」というところだ。プレーぶりも徐々にエンジンがかかり、見事なサイドチェンジのロングボールで、3点目の起点となった。試合前のシュート練習でもうまさを見せていたので完全復活が近いと思われる。
この他、家泉選手も激しい練習をしていたので、次節の出場は間違いないだろう。先発の選考に苦慮する内容が、「やりくり」ではなく、ポジティブな「難しい選択」に変わる日も近いようだ。次節は、土曜日、アウエーの大宮戦。勝っても自動降格圏を脱出できない2チームの最下位争いではあるが、いわきは、「魂の息吹くフットボール」を見せつけて、後期の明るい展望につなげてほしい。