オンライン研究室合宿をしたけど打ち上げられなかった話
私の研究室(文系文化で「ゼミ」と呼ぶことも多いです)では例年、夏休みの序盤の1週間を「本気ウィーク」と称して、一緒に集まって集中的に卒論や修論に取り組むことにしています。お昼ご飯はみんなで同じ店の出前を取る、おやつタイムはみんなでかき氷を作るなどして、毎日家には帰るけどいつもとはちょっと違う合宿気分が出るようにしています。最終日には1週間の目標をどれだけ達成できたかを共有して、打ち上げをします。
例年「本気ウィーク」をやってきた理由
・授業期間中にはなかなか進まない研究を軌道に乗せる
・1週間集中して頑張るとどれくらい進むのかを自分で把握する
・全員のスケジュールがなかなか合わなくて本当の合宿ができないので、気分だけでも味わってやる気を出す
がんばってスケジュールを合わせて本当の合宿をした年もあったのですが、先生(私)の威圧感が無さ過ぎるのかほぼほぼ遊び倒して帰ってきたので、それ以来、メリハリつけて遊びは遊びで楽しんだ方がいいなあと思うようになりました。
2020は「オンライン本気ウィーク」
今年は対面で集まることもできず、ずっとオンラインでの研究室活動を続けていて、本気ウィークもオンラインで開催することにしました。
・初日は1週間の目標を共有する
・2日目以降は(オンラインで)集まってもくもくと取り組む
・最終日は1週間の成果を共有して、打ち上げをする
流れは例年通りとして、今回は共有スペースとして Gather というシステム上に集まることにしました。
途中、別の予定がある日はそちらを優先してもらうことにして、初日と最終日だけは全員参加できる日程を調整することで1週間を確保するのも例年通りのやり方です。
今回、日程調整が難航して期間が10日間と長くなってしまい、途中に週末をはさむなど変則的な日程になってしまったのは後々響きました。10日間も本気を出し続けるのは少々無理がありますので、期間中、各自の判断で2日程度はオフを作ることとしました。
本気ウィーク2020・序盤
1日目の目標設定と共有、その後の何日かはオンラインになってもある程度各自が目標に取り組むことができていたと思います。しかしながら、例年やっている出前やかき氷作りなどがないせいか、合宿気分はほとんどありませんでした。
1人の学生の研究テーマがオンラインでの研究室活動をサポートするツールの開発で、そのプロトタイプを試してみるところまで期間中に進んだのは収穫でした。このプロトタイプがなかったら合宿気分はゼロだったでしょう。
本気ウィーク2020・週末
合宿気分を味わうことによる本気エネルギーの再充填がなかなかうまくいかない中、週末を迎えました。その週末、私がオンライン学会に参加するためほとんど共有スペースにも顔を出さないでいるうちに、共有スペースはほぼ無人となっていたようです。だいたいみなさんオフだったようです。
学生のみなさんがオフを取るのは必要なことですが、私自身はほぼノンストップの10日間でした。振り返ればこれもよくなかった。
本気ウィーク2020・終盤~最終日
みなさんオフを取りつつも心身ともに疲弊していました。例年だったら、打ち上げを楽しみに乗り切るところですが、この時点で打ち上げで何をするかすら決まっていなかったので楽しみにしようがありません。私があまりに疲弊していて、オンラインでやることになる最終日の打ち上げをどうするか考える余裕がありませんでした。
そして、最終日を迎えました。多くの学生が、初日に共有した目標に対して、なかなかの進捗を生み出してくれました。運営は拙かったのですが、そこは学生のがんばりに救われました。
成果発表会を終えて、私はみなさんに「無理にオンライン打ち上げをするよりも今はそれぞれゆっくり休むのが一番いいと思う」と伝え、了承してもらいました。
オンラインで楽しもうと思ったら何か企画がある方がいいというのはそれまでに参加したオンライン飲み会などの経験でわかっていました。でも、本当にがんばったから、もうそんなエネルギーは残っていなかったんです。
がんばるだけがんばったらあとはおいしいごはんがある飲食店まで歩いていくだけでいいことのすばらしさ。お店の人が持ってきてくれる料理やお酒を「おいしいね」と言いながら味わうだけでいいことのすばらしさ。企画を考える余裕がなくても、話題すら出てこないほど疲れていても、楽しめるし、元気が回復するすばらしさ。
今回、本気を出すことで、それを痛感しました。
反省:オンラインで打ち上げをするためには
今回、オンライン打ち上げについて本気で考えて準備する担当を決めておくことができれば、楽しく打ち上げることができたかもしれません。研究を本気でがんばりながらその片手間で準備できるようなことではありませんでした。誰かがしっかり準備してくれていて、他の人は参加するだけだったらまだ何とかなった、かもしれません。
「お店に行けばあとはなんとかしてくれる」の代わりになるようなオンライン企画を準備してくれるサービス・ビジネスの機会が今生まれているのかもしれません。ホットペッパーとか食べログのオンラインパーティ版があって、幹事が「予約しておきました!」と報告してくれるような時代が来るのかもしれません。
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