「前九年合戦・後三年合戦」源氏が東国で地盤を築くきっかけ(超高速日本史#02)
承平・天慶の乱を皮切りに、地方が混乱し朝廷の力が弱まっていく中で武士が主役に躍り出る決定的となった事件、「前九年合戦・後三年合戦」です。
解説
東国における源平勢力の交代のきっかけとなった上総で起こった平忠常の乱(1028)、源氏の東国支配を強めた前九年合戦(1051)と後三年合戦(1083)を押さえる。平忠常を制したのは源頼信。前九年の役で反乱を起こした安倍頼時(陸奥)を制したのは源頼義。そして、清原氏(出羽)の内紛である後三年の役に介入したのが頼義の子源義家。
歴史単語の読み方
上総(かずさ)
平忠常(たいらのただつね)
前九年合戦(ぜんくねんがっせん)
後三年合戦(ごさんねんがっせん)
安倍頼時(あべのよりとき)
陸奥(むつ)
源頼義(みなもとのよりよし)
出羽(でわ)
源義家(みなもとのよしいえ)
奥州12年合戦とも呼ばれる戦いですが、入試で問われるのは、東国における源平勢力の交代のきっかけとなった平忠常の乱から。上総、陸奥、出羽の場所、そして、各々の戦いを誰が制したのかが問われます。源氏は名前が似ていてややこしいですが、頼が続き、義が続く、(頼)時 - (頼)(義) - (義)家と3人セットで覚えよう。
<<穴埋め演習>>
東国における源平勢力の交代のきっかけとなった①で起こった②の乱(1028)、源氏の東国支配を強めた③(1051)と④(1083)を押さえる。②を制したのは⑤。③で反乱を起こした⑥(⑦)を制したのは⑧。そして、⑨(⑩)の内紛である④に介入したのが⑧の子(11)。
穴埋め演習解答
①上総
②平忠常
③前九年合戦
④後三年合戦
⑤源頼信
⑥安倍頼時
⑦陸奥
⑧源頼義
⑨清原氏
⑩出羽
(11)源義家
さあ、大学入試問題にチャレンジ!!
11世紀前半に上総国で起きた戦乱は、その鎮圧の過程において源氏武士団の東国進出が進むこととなった。この戦乱に直接関わる人物として正しいものを、次の①から④のうちから一つ選べ。
①平貞盛 ②平将門 ③平忠盛 ④平忠常
(明治大学 2018年度)
正解は④平忠常。①平貞盛は承平・天慶の乱で平将門を討った人物でした。③平忠盛は平清盛の父です。もうすぐ登場します。
次回予告 #03
「後三条天皇と延久の荘園整理令」藤原摂関家の影響を受けない天皇が真っ先に行ったこと
武士が台頭してきたとはいえ、依然として時の権力はまだまだ中央政府にありました。しかし、権力を握っていたのは藤原摂関家。天皇は面白いはずがありません。が、転機が訪れます。天皇家の中から、藤原摂関家に遠慮する必要のない強力な人物「後三条天皇」が登場します。次回は「後三条天皇と延久の荘園整理令」を通じて土地をめぐる権力争いを学びます。