第43号『3つの仮想回転軸を感じよう!(Y軸編)~あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは?~』
2014年10月2日配信(発行部数 388部)
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こんにちは。
「車の修理屋たけしくん」ことです。
運転者に必要なインフォメーションが感じにくくなってきた現代の自動車。ブレーキもハンドルもアクセルも全ての操作が漫然となりがちですね。
市街地で出来るブレーキングやハンドリングの練習など、今までお伝えした内容をすでに実践されているあなたは、痛感されていることと思います。
そして、市街地では分かりにくい運転技術の巧拙は、山坂道で際立ちます。
いろいろな曲がり具合のカーブの連鎖に、勾配も上り下りと様々。
基本をしっかり反復して、カーブの連鎖を華麗に駆け抜けましょう!
市街地ですぐに始められる安全運転術について第35号から具体的にお伝えしています。
そして、今回は第43号
『3つの仮想回転軸を感じよう!(Y軸編)~あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは?~』
です。
走行中の自動車は、3つの仮想回転軸を中心に揺動しています。
これらの動きは市街地走行でも十分感じ取れるものです。
正しいドライビングポジションで敏感になった体各部から情報を感じ取りましょう。
1つ目は前後方向のX軸。
2つ目は左右方向のY軸。
そして3つ目は上下方向のZ軸です。
今回はY軸です。
Y軸を中心にした揺動は「ピッチ」または「ピッチング」と呼ばれ、自動車の挙動で非常に大切なものですが、見逃しがちになる動きだと思います。
ピッチングが分かりやすいのは加減速時です。
アクセルを踏み込んで加速すると車体の後部が沈み込み、逆にブレーキを踏み込んで減速すると車体の前部が沈み込みます。
特に後輪に駆動軸のある自動車は、加速時にリアが程よく沈むことでトラクションを稼ぎます。
そして減速時は、逆にフロントが沈み込むことで、制動を滑らかに発揮することができます。
ローダウンや車高調で固いスプリングを組んでサスペンションがツッパると、タイヤと路面の接触部や、ブレーキングの際はブレーキパッドとディスクローターの接触部に力が集中してしまいます。
ゼロ発進時のホイールスピンや、初期制動力の不足(ブレーキタッチの頼りなさ)などに現れるでしょう。
それをブレーキパッドやタイヤの能力不足と勘違いして、それぞれ極端な部品を装着している例がありますね。
カーブの終盤加速時のホイールスピンもこのピッチング不足によることがあるのですが、これも勘違いしてLSD装着するという間違った改変例があります。
サスペンションは人間の膝に例えるとよいと思います。
地面と靴底の接触面、路面を蹴るとき、止まるとき、膝の屈伸が適切に働くのとそうでないのとでは、グリップが全く違うのが感覚的に分かっていただけると思います。
人間の筋肉はスプリングの役割とアブソーバの役割を兼ねています。
しかも色々な数値が可変のアクティブサスペンションですね。
前回お話した、ローリングがコーナリング中のグリップ力に大きく影響を与えるのと同様、ピッチングも加減速時に自動車の挙動に大きく影響を与えます。
十分にストロークするサスペンションが第一ですが、大切なことは動いた足回りが、いかに「収束するか」です。
そのためには、間違った足回りの改変ではなく、適切な運転技術と良質のショックアブソーバの装着が欠かせないのです。
《第43号「3つの仮想回転軸を感じよう!(Y軸編)~あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは?~」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆
この号のピッチングで思い出したんですが、びっくりするほどピッチングが激しくて、あんなのでイイの?って思う『吊るし』のスポーツカーを見かけます。
なぜあのスポーツカーはあんな激しいピッチングが起こるのでしょう。
答えは簡単、
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