第12号『廃クーラントの危険な行方 〜整備士が見つけた『完全リサイクル』という希望〜』
2012年3月18日配信(発行部数 142部)
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びっくりするほど高額な修理代を見積りされた etc...
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さて、今回は第12号
『廃クーラントの危険な行方 〜整備士が見つけた『完全リサイクル』という希望〜』
です。
LLC(クーラント)の定期的かつ適切な交換がクルマを長持ちさせることは繰り返しブログで述べています。
LLC主成分、エチレングリコールは比較的安定な物質で、エンジンの熱に晒されたくらいでは容易に分解されません。
エチレングリコールは不凍効果を担っていますが、不凍液としての性能はかなり長期間保持できると考えていいかと思います。
LLCの定期交換が必要なのは、数パーセント添加されている防錆剤の効果の低下が起こるからです。
防錆剤は酸素より強く金属と結合する性質がありますから、金属表面(水路内面)に酸化防止膜を作ります。
しかし、主にエンジンの熱やその他振動など外的要因で酸化防止膜が剥がれ落ちると、金属表面が露わになり、さらなる防錆剤の添加がないと金属が酸化して(錆びて)しまうのです。
冷却系統内部の腐食は水冷式エンジンにとって致命的です
(参考記事)
さて、LLCの定期交換はクルマにとってはよいことなのですが…
大量に出る廃液のことを無視できませんね。
容易に自然分解しないエチレングリコールは
生体内に取り込まれると肝臓で代謝されて有毒物質を生成してしまう極めて危険な物質。
下水に垂れ流しなどもってのほか!!
適正に廃棄物処理業者に渡しているつもりでも、実情は焼却処分で結局分解されないまま大気放出、もしくは何らかの方法でフィルタされたとしても無害化するのは難しいように感じていました。
そんな中、「エバークリーン」という廃棄物処理業者。
なんと、LLCの完全リサイクルに取り組んでいたのです!
分解されにくいなら精製して製品にしてしまおうという逆の発想です。
大変興味深く、またその企業姿勢に感銘し、僕は知るや否やLLC処理を依頼しました。
LLCの廃液には油分を始めいろいろな不純物が混在しています。
高純度のエチレングリコール抽出のためには大変な苦労があったものと察します。
読者の方の中には、DIYでLLCの交換をされている方も少なくないと思います。
是非エバークリーンの樹脂タンクを設置している修理工場やガソリンスタンドに廃液の処理をお願いしてください。
《第12号「廃クーラントの危険な行方 〜整備士が見つけた『完全リサイクル』という希望〜」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆
何か事情でもあったのか、突然関西地区から撤退したエバークリーンさん。Webサイトを拝見すると東日本地区では変わらず事業を営まれているようです。
LLCのリサイクルも健在のようですが、残念ながら
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