第52号『知っておきたい!モリブデン添加剤の種類と特徴 - 省燃費時代のエンジン保護』
2019年2月9日配信(発行部数 559部)
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こんにちは。
車の修理屋たけしくんです。
今回は第52号
『知っておきたい!モリブデン添加剤の種類と特徴 - 省燃費時代のエンジン保護』
です。
前々回から話題の丸山モリブデンは、二硫化モリブデン(MoS2)が主成分です。
一方、市販のエンジンオイル添加剤に多く見られ、自動車メーカー純正の省燃費エンジンオイルにも添加されている「有機モリブデン」があります。
同じモリブデンでも何が違うのでしょうか。
二硫化モリブデンは、固体ですからエンジンオイルに溶けません。
一方、有機モリブデンは、かなりエンジンオイルに溶けます(溶け方は有機モリブデンの種類によって違うようです)。
そして、二硫化モリブデンの黒暗緑色に対して、有機モリブデンは薄茶色ですから、エンジンオイルに添加されていても目視ではわかりません。
省燃費エンジンオイルが指定されているハイブリッド車やアイドリングストップ車。
近年、自動車の省燃費志向が加速して急速に普及しました。
エンジンの始動・停止が頻繁で、エンジン油温・水温とも低い状態で稼働する省燃費車のエンジンは、高出力エンジンとは違った意味で過酷な環境に晒されているといえます。
エンジンは各部材質によって熱膨張比が違いますので、例えばピストンとシリンダの隙間のように、温度によって変化する場所があります。
適切な隙間になるまで暖機運転することが大切ですと、以前に述べました。
そう考えると、市街地走行では、特にハイブリッド車は、暖機が終わらないまま運転しているのと変わらないと言えます。
加えて、エンジンがさらに軽く回るようにと、どんどん低粘度化されるエンジンオイルは、0W-20はもちろん、0W-16や0W-8という超低粘度まで出てきました。
粘度が低くなると、当然油膜が薄くなり、金属同士が直接触れる「境界潤滑」状態に陥りやすく、局部温度上昇による焼き付きの心配があります。
それを回避するため、メーカー純正低燃費オイルには
「有機モリブデン(通称:モリブデンジチオカーパメート(MoDTC)」
が添加されています。
有機モリブデンは、温度が低いときには何も起こりません。
しかし、前述の焼き付き寸前の高温下で、金属表面に二硫化モリブデン皮膜を形成し、焼き付きによるカジりを防止するといわれています。
この性質から、減摩調整剤(FM剤、フリクションモディファイア)と呼ばれています。
ですから、市販の省燃費オイルでも、有機モリブデンが配合されていない低粘度オイルはエンジンにとって非常に危険ということになりますし、メーカー純正の省燃費オイルに市販有機モリブデン添加剤の混用は、(よく溶けるといっても限度がある)過剰添加で、予期せぬトラブルの原因になるかもしれません。
エマージェンシー的に作用する有機モリブデンと違って、効果のある二硫化モリブデンを最初から添加すればいいように思いますが、多くの市販エンジンオイルに配合しない理由は、以下のようなところだと思います。
オイルに溶けなくて黒い
分散安定と微小隙間への導入性向上のために超微粒化しても、すぐに凝集・沈降する親水性の固体(比重差はベースオイルの5倍以上)
エンジンオイルの性質を変えない分散剤(界面活性剤)の選択の難しさ
など、今まで試した二硫化モリブデン添加剤は、これらの技術課題がクリアされているように思えませんでした(効果が体感できませんでした)。
しかし、丸山モリブデンは違います。
超微粒子の長期分散安定。
分散安定と相反するはずの金属吸着と思われる体感効果(静粛性向上、オイル消費低減、燃費向上)。
エンジンオイルの劣化が以前ほど感じないとのご報告もあります。
丸山モリブデンをお試しいただいたあなたのご感想をお待ちしております。
《第52号「知っておきたい!モリブデン添加剤の種類と特徴 - 省燃費時代のエンジン保護」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆
丸山モリブデンのエンジンオイル添加剤とさらに高性能なギアオイル添加剤(ギア用GXはエンジンオイルに問題なく使用できます)は、他に類を見ない性質で、実際の体感効果も高く素晴らしい添加剤だと思います。
走行距離53万キロ以上、ノーオーバーホールで
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