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第37号『送りハンドルを使いこなせ! 〜あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは? ~』

2014年9月17日配信(発行部数 368部)

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発行人の「車の修理屋たけしくん」です。

自動車の本来の性能を引き出す調律師です。
明らかに調子がおかしいのに「こんなものです」で片付けられていませんか?
適切に整備された車はとても調子がよく、一般的に考えられているよりずっと長寿命なんですよ。
僕はあなたにクルマを、そしてモノを大切にして欲しいと思っています。
プロの整備士の目線で役立つ情報を配信しようと思います。

さて、今回は第37号

『送りハンドルを使いこなせ! 〜あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは? ~』

です。

自動車運転の巧拙がわかる山坂道。市街地と違って、いろいろな曲がり具合のカーブの連鎖に、勾配も上り下りと様々です。

ハンドルも右に左に忙しなく回さないといけないでしょう。先にお知らせしたブレーキングやカーブの読み方と同等以上に難しいのがハンドルさばき。

一般的に市販車のハンドルは、左右一杯まで回すと4回転ほど。

スポーツカーと呼ばれるものには3回転以下のものがありますが、どちらにしてもホームポジションの9時15分~10時10分の位置で握ったままでは適切な蛇角まで無理なく操作できません。

すなわち「持ち替え」の動作が必要だということです。

自動車教習所では、クロスハンドルを習います。ホームポジションからハンドルを握ったまま、約90度ハンドルを回したところで手を交差させて切り足すというものです。

山坂道にクルマを持ち込んで走らせると分かりますが、クロスハンドルだと手が交差したままになった状態でカーブを曲がる場面が頻繁になります。

そして、手が交差したままだと上体が不安定だから、カーブを曲がっている最中にホームポジション付近に持ち直したりする危険なハンドリングを見かけます。

勘違いされることが多いのですが、ハンドル操作の機敏性が求められるのはカーブ中盤です。

新車のインプレなどで直進状態から左右に切り込み始めの敏捷性をいわれることが多いですが、山坂道ではそれほど重要な動きとは考えていません。

走行ラインは緩やかで一定なほどクルマは安定なので、ハンドルの切りはじめは、操作も車の動作もむしろ緩慢。

運転上級者の助手席に乗ると、カーブの入り口でブレーキングによる減速Gは強めに感じるかもしれませんが、横方向のGは比較的感じにくいと思います。

カーブの中盤は…

・急に路面が滑りやすく変化した
・カーブを曲がった先に落石や動物が居たので回避したい
・カーブの曲がりを読み間違えて切り足さないと曲がりきれない
・余分なドリフトアングルが付いてしまった

など、

クロスハンドルをしていて、手が交差したり、慌てて持ち替えたりしている状態だと動作が遅れますよね(カーブの途中でハンドル操作に対して車が敏感すぎると却ってクルマの挙動を乱します。理由なく自動車を敏感な方向に改変することを推奨しない理由のひとつです)。

そこで手が交差しない「送りハンドル」です。

一般に送りハンドルがいけないとされている理由は、小刻みにプッシュ、プルを繰り返すものを指しているからで、ここでいう送りハンドルとは全く違います。

カーブの曲がり具合を予測できれば、自ずとハンドルの切り角が決まります。

カーブ中盤、ハンドルを握る位置はホームポジション付近が理想です。左右に機敏に反応できるからです。

カーブ直前、適切なブレーキング。

右カーブであれば、右手をハンドル左側へ迎えに行きます。

カーブに差し掛かかり、迎えにいった位置でしっかりとハンドルを握った右手は時計回りに引き、最初左手は滑らせます。

そして左手でハンドルを送る操作、右手で引く操作を適度に加えつつ両手をホームポジション付近で安定させます。

カーブ終盤はその逆(決して両手を離して滑らせてはいけません!)。

左手をハンドル右側へ迎えにいき、反時計回りに…

そして直進状態のホームポジションへと戻ります。

もちろん曲がりがきついヘアピンカーブなどでは、僕はクロスハンドルや、(これもやってはいけないといわれる)内掛けハンドルを積極的に使います。

やや曲がりの深いカーブでは、迎えにいく手とともに滑らせる方の手のポジションを変更したりとアレンジします。

どのハンドリングが早くて正確で、俊敏性を要求されたときに的確に反応できるか。

適所に適法。

市街地の交差点を右左折時も、山坂道のカーブ通過も同じこと。毎日クルマを運転するあなたなら、一発で決める送りハンドルを市街地で毎日練習できます。

ドライビングの上達は基本の上に延々と繰り返す鍛錬が必要です。

ブレーキングと同様、迷いだらけのハンドリングを一発で決められるよう頑張ってください!

《第37号「送りハンドルを使いこなせ! 〜あなたが知らない安全快適な一般道走行の必須条件とは?〜」おわり》

それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。

◆たけしくんコメント◆

一連のドラテクで一番センスが出るのはハンドリングです。

「両手を離して滑らせてはいけません」

と、この号では初心者の方向けに書いていますが、上級者になるとハンドルを持つより、滑らせた方が早く回せることから、ハンドルを滑らせるテクニックを積極的に使うドライバーがいます。

けどそれはあくまで応用です!基本のハンドリングができない方は絶対にしないでください。クルマの挙動が不安定な時の手離しは、スポークで突き指とか普通に危険です!

さて、僕はステアリングと言えば、

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