第45号『ローダウン前に要確認!サスペンション選びの基礎知識』
2016年8月8日配信(発行部数 484部)
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こんにちは。
車の修理屋たけしくんです。
今回は第45号
『ローダウン前に要確認!サスペンション選びの基礎知識』
です。
「乗り心地」とは、
路面の局部的な凹凸を通過する際の極大振動が加わった際の瞬時的な評価と、ある一定時間乗車した際の総合的な評価の場合があります。
前者は、主に自動車のサスペンションに関係していて、後者は、それにシートの座り心地や、室内空間の狭広、騒音などの要素が加わります。
そして、乗り心地に関してご相談を承るのは主に前者、サスペンションに関することです。
ご承知の通り、自動車のサスペンションは金属バネとその動きを抑制するショックアブソーバという減衰装置が主な構成です。
路面の凹凸を通過する際にサスペンションは揺動しますが、次の路面不整に対応するために出来るだけ早く静地状態に戻るのが理想です。
金属バネはいわゆる弾性体で、加わった力で変形し、その荷重が除かれると元の形に戻ろうとします。
ところが、クルマは非常に大きな質量があるため慣性が作用し、バネは元の状態(形)を通り越して反対に伸びてしまいます。
この揺動が繰り返されることを
「ばね質量系の周期振動」
と高校の物理で習いました。
この運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、
バネの揺動を抑えるのがショックアブソーバです。
車高を低くするために短く、硬くしたローダウンスプリングを組み付けると、ショックアブソーバへの負担が大きくなるのは当然のことです。
路面からサスペンションに強い入力ある場合、
適切な硬さのバネとショックアブソーバの組み合わせのサスペンションは、うまく衝撃を吸収してくれます。
低反発クッションのようなイメージとお考えください。
ところが、標準より硬いバネと、能力不足のショックアブソーバの場合、吸収しきれなかった衝撃は乗員に加わります。
しかも一旦変形した硬いバネは、前述の通り、
減衰が不足しているとなかなか収束しないので、乗員に上下の振動がしばらく加わり、不快感が続きます。
硬くしっかりした乗り心地なのに不快に感じない自動車は、バネとショックアブソーバの組み合わせが適切なのです。
ショックアブソーバの能力をピストンロッドの動作速度0.3m/sec時の減衰力を代表に語られることが多いように思いますが、路面からの様々な入力に対して、ショックアブソーバのロッドはいろいろな速度で動作していますから、一部ではなく「特性」として考えるべきだと思います。
特に純正のショックアブソーバは、価格の折り合いがつけば、特性を入念に検討しているのではないかなと、一部車種で、安易にアブソーバを社外品に交換して目的の乗り心地を得られない例があることから、そのように想像しています。
乗り心地に不満があり、コイルスプリングを変更している履歴があるなら、真っ先に標準に戻すべきです。
そして、硬いスプリングの動作収束のために
疲れ切ったショックアブソーバを新調することで、ほぼ目的の乗り心地は得られます。
《第45号「ローダウン前に要確認!サスペンション選びの基礎知識」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆</strong>
この内容はブログでもメルマガでも繰り返し書いています。
乗り心地に関する相談は本当に多くて、そのほとんどは
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