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第16号『50万キロのタクシーが教えてくれた、ATF交換の本当の話』

2012年6月11日配信(発行部数 180部)

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びっくりするほど高額な修理代を見積りされた etc...
プロの整備士の目線で役立つ情報を配信しようと思います。

さて、今回は第16号

『50万キロのタクシーが教えてくれた、ATF交換の本当の話』

です。

ATF(オートマチックトランスミッションフルード)の交換については、本当にいろいろな説がありまして、実は誰もよくわかってないんじゃないかとも感じます。

僕が最もよく質問を受けるのは下の2つです。

(1)メーカー指定は6万キロ走行毎の交換なのに、カー用品量販店やガソリンスタンドでは2万キロ毎の交換を勧められるがどちらがホントなの?

(2)約10万キロ交換歴のないATFについては交換すると却って調子が悪くなるって聞くけど、どういうことなの?

(1)については、販促活動と思っていただいて差し支えないでしょう。

(2)については、過去にそういうトラブル事例が無視できないほど多くあったのでしょう。

故障に至るメカニズムについては推測の域を出ないものばかりが情報として流れているように感じます(堆積していた汚れが新油で洗い流されて細い流路を詰まらせた…など)。

最近は、オイルレベルゲージも存在しないATF交換不要のオートマチックがありますので、エンジンオイルのように燃焼ガスなど強い成分の混入の無いATFは交換不要のものがあっても不思議でない気がします。

さて、一例ですが

僕のところに時々入庫しますタクシー車両のトヨタ コンフォートがございます。

概ね50万キロ~60万キロ、多いものでは70万キロを走破する車両です。

ATFの管理は10万キロ毎にオイルパン内の2Lのみを交換するというものです。

全量の半分も交換しないことになりますが、何百台もある管理車両で廃車までにAT本体にトラブルの出た事例は本当に少なく、ほとんどの車両がATの交換、修理をすることなく寿命を全うします。

タクシー車両の部品ですから超高耐久に作っているでしょうが、一般的にダメと言われている10万キロ交換をしていますし、全量交換も実施せずにそのまま約1年走行します。

このような特殊な例もあると参考にしていただいた上で、僕は、オートマチックオイルの交換については、お客様と十分に打ち合わせをし、僕が知る情報をお話した上でお客様に判断いただくことにしています。

そして交換するにあたって最も気をつけるべきは、ATFです。

純正で幾種類も用意のあるATF。

社外品でいろいろなATに使えますとうたっているATFは信用できません。

例外的に純正ATFが不適切な輸入車もあるようですが、基本は純正の指定フルードです。

間違ったものを混入しないように是非注意したいものです。

《第16号「50万キロのタクシーが教えてくれた、ATF交換の本当の話」おわり》

それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。

◆たけしくんコメント◆

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AT(CVTやDCTも)車の取扱説明書には、『交換不要』と書いてあることが増えてきたので、不安になる気持ちはすごくわかります。

ホンダのCVT(ホンダマルチマチック、HMM)搭載車に限っては、

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