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第4号『見えない技術に宿る価値 〜プリント基板修理という選択肢〜』
2012年1月22日配信(発行部数 72部)
有料エリアには2024年時点の
【たけしくんコメント】を書きます。
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◆ メルマガ版 「車の修理屋たけしくん」 ◆
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発行人の「車の修理屋たけしくん」です。
あなたは、デタラメだらけの自動車修理にうんざりしていませんか?
納得いく説明を受けたことがない…
あれこれ部品を交換したけど全く直らなかった…
びっくりするほど高額な修理代を見積りされた etc...
プロの整備士の目線で役立つ情報を配信しようと思います。
さて、今回は第4号
『見えない技術に宿る価値 〜プリント基板修理という選択肢〜』
です。
あまり一般的にされていない自動車の修理で、
プリント基板(PCB:Printed Circuit Board、もしくはPWD:Printed Wiring Board)の修復があります。
プリント基板は電子制御されている部分には必ず存在するものです。エンジンコンピュータはもちろん、カーオーディオやナビゲーション内にもありますね。
自動車の電子制御というと最先端なイメージがありますが、もう30年以上も前から採用され、進化を続けているものです。
ですから、古い車に搭載されているプリント基板は、近年のものと比べると集積化が進んでいなかったり(電子部品点数が多い、機能の割りに大きい)
とか、
作りが頼りないところがあったりします(手作業に頼る部分があって完成度にばらつきがあるなど)。
そのような古いタイプの電子制御系に故障や不具合が生じた場合、知識と技術で、ほぼ完全に修復できる場合が少なくありません。
修復が可能な不具合で、主なところといえば、
寿命が比較的短命な電解コンデンサの容量抜けや電解液漏れ、半田のヤニの劣化による導通不良。同じく半田のクラックによる導通不良
などでしょうか。
こういったプリント基板自体に不具合がある場合、プリント基板が内蔵されている部品を丸ごと交換するケースがほとんどです。
一般的に自動車整備士はスパナやレンチは使いこなすけど、半田ごては使えないんです。
整備士は部品丸ごと交換の作業を行い、交換に要した技術料を請求します。
ただ取り替えるだけの比較的簡単な作業技術料に対して、部品の価格が高額になりますから、お客様の負担はトータルではとても大きくなります。(例えばエンジンコンピュータなどは10万円を越えることもあります)
僕はお客様の経済的な負担を軽減するためと、自動車屋としての利益を少しでも多く確保するために金属製のケースに収められたプリント基板を取り出し、ルーペなどで不良箇所を探索し、半ば勘に頼りながら、丹念に修理に挑みます。
(うまく機能が回復しないときは、残念ですが部品交換のお話をいたします)
そして、幸運にも原因が特定できて完全に機能が回復した場合は、概ねその部品の新品価格の1/2~1/3を技術料として頂戴しています。
例えば新品で部品が入手困難な車種の場合を考えると、極めてリーズナブルな設定だと思います。(とはいっても「思っていたより高かった」という理由だけで値切ってくる方もいらっしゃいます。決して法外な価格設定ではないのに僕の気持ちが伝わらず悲しくなります)
最近の修理事例でフィアットパンダのカーステレオ修理がありました。
こちらは、フィアットロゴが印刷された国内メーカーのカセットチューナーです。
もちろん新品の入手は極めて困難です。
極力オリジナルを保存したいご意向を伺っていましたので修理に挑みました。
そして、幸運にも不良箇所が発見できて完治しました。
治ってしまえば、表面的には変わり映えしないのですが、お客様は他の自動車整備士では実現困難な仕事であることを大変評価してくださいました。
僕は、一般的にはわかりにくい仕事の価値をを認めていただいたことが大変うれしく、より一層の達成感を得て満たされた気持ちになりました。
それは、今後、同じお客様からの依頼に応えるモチベーションに大変影響すると思います。
今回はプリント基板の修理に焦点を当てましたが、他の修理も同様で、ご自身のお車に興味や関心を持ち、どういう考え方と手法に基づいて修理が進められているかを僕に聞いていただければ、見えなかったものがはっきり見えてくると思います。
《第4号「見えない技術に宿る価値 〜プリント基板修理という選択肢〜」おわり》
それでは、次号をお楽しみに。最後までお読み頂きありがとうございました。
◆たけしくんコメント◆
メルマガを始めて間もないので、配信予定を週刊に設定していたメール配信スタンド「まぐまぐ」のルールを守らないといけないと、きっちり真面目に週刊で配信していますね(笑)
この当時は、不調のお車の修理でプリント基板を手ハンダで修正できるものが多く、こちらの
フィアットパンダの純正カーステレオの他、多かったのは
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