仏陀最後の旅

第一章 チュンダ

チュンダはマンゴーの林の中を歩いている。 木々は草原に点々とあり、小さな潅木や花々が、吹き渡る風に揺れている。
チュンダは今日、自分の家を訪れる尊師ゴータマの為の供物としての食料を探しているのだ。 日はまだ昇りきらず、光はほのかに大地を照らしている。 修行僧たちの為の食事は昨晩より用意を整え、早朝まだ明けやらぬ頃より、弟子たちが支度を始めている。 チュンダは尊師の為に、この土地の名物である珍しいキノコを探していた。尊敬するゴータマの為に、手ずからキノコを摘んで供したいと考えたのだ。
その様子を木の陰からそっと伺うものがいる。 ゴータマに付かず離れず、まるで影のように付き従って来たマーラ (天魔)だ。 マーラはなんとかしてゴータマの願いを挫こうとしていた。 ゴータマの願い、それは生まれ故郷のカピラヴァストゥへの帰還であった。 マーラはゴータマを病によって寿命を縮め、その旅を終わらせよう としていた。 それも立派な王城や都市ではない、このような辺鄙な場所で。
チュンダが大きなマンゴーの木の下を通り過ぎる。マーラは潜む木陰からチュンダの首筋に息を吹きかけた。 チュンダの眼はたちまちに天魔が支配した。
「ああ、こんなところにたくさんあった。」
チュンダは喜んで毒キノコを摘み取り、手に提げたカゴに入れる。 チュンダは一心にカゴ一杯のキノコを摘み、急いで家へと戻っていった。マーラはほくそ笑み、露のように消えるとチュンダの家へと飛び去った。
チュンダの家では、ゴータマ一行に供する食事の用意に多くの者が働いていた。
チュンダの弟子のみならず、兄弟姉妹、親類縁者や近所の人まで集まって、尊い方への供物の為に、夜が明けやらぬ頃よりマキを焚べ、湯を沸かし準備に余念がない。
家の内外は綺麗に清められ、殊に尊師の座られる床は、花の香りを移した水によって拭き磨かれ、太陽の光を浴びて清められた新しい敷物が、その上に恭しく置かれた。
尊師一行に供する食器も全て、昨日 チュンダが近くの市に赴いて買い揃えたものであった。 戸口から台所に入ってきたチュンダは、キノコを木の器に並べ、丁寧に汚れを取り始める。手伝おうとする者の手を優しく拒み、黙って 一人でキノコからすっかり汚れを取り去ると、自ら料理を始めた。 火の上に自分で今日の為に作った鉄鍋をかけ、油を温めるとそっと香草を入れた。香りが立ってからおもむろにキノコを入れ、かき混ぜながら火を通していく。 頃合いを見て、軽く塩を振り、火から鍋をおろすと鍋に蓋をした。 間もなく尊師一行がお越しになるはずだ。 チュンダはどの器にキノコを盛るかを考えた。そして昨日買い集めた器の中、最も高価な銀の皿を選び、入念に曇りのないように布で拭き清めた。皿の縁には美しい文様が装飾されている。彼はその細かい文様一つ一つをも、一点の曇りもなく磨き上げた。
家の外より人々のざわめくような声が聞こえ、チュンダは尊師の到着を知った。丁寧に皿を机の上に置き、チュンダは戸口より外へ出た。マーラは天井の片隅で、じっとその様子を見ている。そして自分の願いが叶う、その時が迫っているのを息を殺して待っていた。
チュンダが先導して家の中へ入ったゴータマ一行は、簡素ながら、清浄に整えられた床に座った。全ては神聖な光に満ちているかのように感ぜられ、ゴータマは、チュンダがいかに心を尽くして自分たちへの饗応を準備したかを深く察した。
やがて供物がゴータマの前に並べられた。 チュンダが一番後ろから大きな銀の皿を運んできて、ゴータマの前に置いた。 皿には美しい銀の蓋が被せられており、チュンダはそっとその天頂 にあるつまみを持ち、蓋を開けて後ろに下がった。 ゴータマは、その様子からこの料理はチュンダが手ずから用意をし、 調理したものに違いないと思った。それはキノコを調理したもので、かぐわしい香りが辺りにたちこめるようであった。 その時、ゴータマの眼が皿の中の曇りを見つけた。 一点の曇りもなく磨き上げられた銀器が、キノコに触れた部分だけわずかに黒ずんでいる。 そしてゴータマは、この清浄な家の中にいつか旅の途上で出会ったマーラが忍んでいることに気がついた。瞬時に全てを察したゴータマは、チュンダに向かって静かに話しかけた。
「このキノコの料理を私にください。その他は修行者たちに与えてください。」
チュンダは,尊師が自分の作ったキノコ料理を選んでくれたことに感激しつつも、不思議の念を抱いた。
「なぜ尊師は他の供物はいらないとおっしゃるのだろう。なぜキノコ料理だけ他の人と分かち合おうとはしないのだろう。」
怪訝に思うチュンダであったが、尊師の言いつけに従い、人々と一緒に全ての修行者たちへと料理を分けた。 ゴータマは目の前に置かれた皿から迷わずキノコを掴み取ると口へと運んだ。
それを見た修行者たちも一斉に食事を始める。 やがて一口二口とキノコを味わったゴータマは、チュンダを眼差しで呼んだ。 チュンダは嬉しそうに尊師の前に座った。
「チュンダよ。この料理は土の中に埋めなさい。私の他、誰も食べてはいけない。」 
チュンダは激しく驚き、尊師の顔を見つめた。 ゴータマは穏やかな顔で微笑みながら、静かに皿を下げるように促した。
チュンダは深く礼をして、皿を持ち外へ出た。
「不味かったのだろうか。」
チュンダは味を見てみようとして手を伸ばしたかけ、尊師の言葉を思い出した。 誰も食べてはならぬと言う言いつけに逆らうことはできない。 チュンダは泣きながら穴を掘り、そのキノコを捨てた。 その時、チュンダの涙が目を洗い、マーラの呪いが離れた。その眼に自分が磨き上げたはずの器が黒ずんでいるのが見えた。
「なぜ銀の器がこんな色に...」
金属の専門家であるチュンダはあることにハッと気がつき、今捨てたキノコを手に取った。
「なんだこれは。」
自分が慣れ親しんだキノコとは全く姿形が異なっている。
「まさかこれは...」
銀器の変色は毒などによって起こる。それゆえ、王家など高貴な家では毒殺を未然に防ぐためにも銀器を重用する。 金属加工を生業とするチュンダにとっては当然の知識であった。チュンダは慌てて家の中に駆け込んだ。
「尊師お願いです。今食べたキノコを吐き出してください。」
ゴータマの前に震えながらうずくまるチュンダは、必死に声を張り上 げた。
しかし、ゴータマは微笑んだまま、チュンダを眼差しで制した。
「良いのだ。チュンダよ。私は知っていた。」
「では、なぜ。」
チュンダは体を震わせながら泣いている。
「チュンダよ。全ての理は完全なものなのだ。私の身の上に起こる 全ての事は必然である。何一つとして欠けているものも、間違っているものもない。今日お前が用意してくれた料理は、マーラがお前をたぶらかし作らせたものであろう。しかしその事さえが、全ての完成に至る道として欠く事のできぬものなのだ。」
ゴータマは優しくチュンダを見つめた。
「私は病に倒れ、間もなく死ぬだろう。」
驚いたチュンダが顔を上げて尊師を見る。
「チュンダよ。お前のしてくれた事は、私の涅槃に至る大切な契機だ。私はお前に感謝しているのだ。」
チュンダはしかし尊師の言葉を完全には理解できず、泣き崩れ動くこともできない。 周りで静かに食事をしていた修行者たちも、ことの成り行きの余りのことに口を開くこともできず、ただ黙って尊師とチュンダを見つめている。
「チュンダよ。」
しばらくして、ゴータマは呼びかけた。
「お前は今日より出家者として私のそばにいるが良い。」
ゴータマは静かに席を立ち、皆も続いた。 マーラはチュンダの家のそばのマンゴーの木にあって、ゴータマ一行が立ち去るのを眺めている。 ゴータマの心を魔に引き込むことは出来なかった。 しかし、とてもカピラヴァストゥまでは辿り着けまい。 マーラは、弟子たちに支えられるようにして去って行くゴータマの後ろ姿を、じっと見つめていた。

第二章 スバッタ

病に倒れたゴータマは、アーナンダの介抱を受けながら、街道筋の小さな町クシーナガルに到着した。 幸いなことに天気は良く、涼しい風も吹いている。 小さな池や沼が草地の陰に埋もれるようにあり、牛たちがゆっくりと草を食んでいる。 ゴータマを抱えるように歩いていたアーナンダは、尊師を休ませるに相応しい場所を探している。木々は点在しているが、大きな木は少ない。日差しは強く弱ったゴータマの体に降り注いでいる。 やがてアーナンダは、大きなサーラ樹が二本立ち並ぶ場所を見つけた。 修行者たちがその根元に竹で編んだ床をしつらえ、アーナンダはゆっくりとゴータマを横たえた。 季節になれば黄色い花が咲き乱れるだろう大木だが、まだその時期ではないのだろう。花は蕾のままに眠っている。
「しばらくこちらでお休みください。尊師よ、私は水や供物を探して参ります。」 恭しくお辞儀をして立ち去ろうとするアーナンダを、ゴータマは呼び止めた。
「アーナンダよ。もう私にはそれらは必要ではない。私は今日ここでニルヴァーナに入る。」
覚悟はしているものの、尊師自らが口にした以上、もう間違いは無い。 アーナンダはうなだれて目を閉じた。
「アーナンダよ。お前はクシーナガルの町へ行きマッラ族に、私が今日ニルヴァーナに入ることを告げて来るのだ。」
アーナンダは静かに頷くと、尊師の最後を告げるために町の信者たちの元へと向かった。
しばらくすると、マッラ族の人々が大勢でやってきた。 皆の慟哭する声は天をも震わせ、ゴータマの姿を認めると、大地に身を投げ出して泣き悲しんでいる。人々はゴータマに拝礼するために並んだが、その列は町外れの道にまで続いて途切れることがない。 尊師はそんな人々の拝礼に応えるために、病み疲れた身を起こし、優しく微笑みを浮かべながら座っている。 アーナンダは尊師が無理に座っていることを案じて、なるべく早く人々を帰すべく、家族らは一団で拝礼するように促した。やがて長い行列は途切れ、人々は嘆きながら町へと戻って行った。 ゴータマは人々の姿が消えるまで見送っている。
「尊師よ。さあ早く横になってお休みください。」
アーナンダは尊師の顔色がまた悪くなったように感じて気が気でな い。
その時、木陰から一人の修行者が現れた。 ボロボロの黄色の布を巻きつけた痩せた黒い体に光るような鋭い眼でアーナンダに近づいてくる。アーナンダは尊師を守るように離れて修行者に対峙した。
「私を尊い方に会わせてください。」
修行者はアーナンダを圧するような気を込めて、言葉を吐き出した。
「無理だ。尊師は大変お疲れになっている。」
アーナンダは言下に断り、修行者を睨みつけた。
「お願いいたします。修行を完成された尊い方が、今日ニルヴァーナ に入られると聞きました。今お会いしなければ、必ず後悔するでしょ う。」
修行者は鋭く光る眼で、アーナンダを瞬きもせずに見つめている。
「無理を言うな。尊師はもう誰ともお会いにはならない。」
アーナンダは修行者の鋭い気迫に押され、負けぬよう必死に声を絞り出した。 遠くでその様子を眺めていたゴータマは、アーナンダを呼んだ。
「やめなさい。アーナンダよ。その修行者をこちらへ呼びなさい。」
アーナンダは驚き怪しんだが、尊師の言葉には逆らえない。改めて修行者へ近づき向き直った。
「修行者よ。名を何と言う。」
「私はスバッタです。」
アーナンダは先に立ち、サーラ樹の下にいるゴータマに近づいた。
「スバッタです。尊師よ。」
アーナンダは、ゴータマに拝礼するようにスバッタに促す。 スバッタはゴータマに拝礼すると、ゴータマの前に座った。 ゴータマはじっとスバッタの眼を見つめている。 やがて微笑を浮かべたゴータマは、アーナンダへ顔を向けた。
「アーナンダよ。しばらく二人きりにさせて欲しい。」
アーナンダは驚いた。マッラ族の人々は帰ったが、ゴータマを慕う修行者たちが大勢周りを取り囲んで座っている。ゴータマの顔が断固として決意に満ちているのを見たアーナンダは、黙って尊師の意思に従うことにした。 修行者たちを促して、少し離れた林の中へと入って行く。 その様子を見届けたゴータマは、スバッタへ向き直った。
「それで私に何を聞きに来たのだ。スバッタ、いやマーラよ。」
スバッタは座ったまま、黒い顔を上げてゴータマを黙って見つめている。辺りは夕暮れ時に差し掛かり虫の音が聞こえている。 しばらくして、スバッタが口を開いた。
「なぜ毒と知っていながら食べたのだ。」
暗い光の中でさえ突き刺すような眼光がゴータマへ向けられる。
「なぜだ。」
ゴータマは微笑みを浮かべてスバッタを見つめている。
「それが善いことだと思ったからだ。」
スバッタは呆れたように顔を振った。
「何のことだ。毒を食べれば、病になり死ぬと知っているだろう。 それのどこが善いことなのだ。」
スバッタの言葉をゆっくりと噛み締めるように、ゴータマはしばし沈黙した。
しばらくしてゴータマは少し顔を前に動かし、スバッタに近づけながら口を開く。
「スバッタよ。お前はそれだけの力を持ちながら、なぜ天魔として働いておるのか。」
「答えになっておらん。ゴータマよ。問いに答えよ。」
スバッタは少しイラついたように言い放った。
「その答えの為に問うておるのだ。なぜ天魔なのだ。」
ゴータマはじっと優しい目でスバッタを見つめている。 その目に当惑したように、スバッタは少し目をそらした。
「知らぬ。」
「知らぬのか。スバッタよ。お前は修行によって超常の力を得たのであろう。」
スバッタは黙って横を向いている。
「そうしてその力に翻弄されて、魔道に堕ちたのであろう。」
答えるまでもなかった。厳しい修行を積むことで得られた超常の力は、計り知れなかった。空も飛び、水の上も歩ける。人も操れるし、何も恐れるものはない。だがただ一つだけ怖いものがあった。それはその力を持ちながら、正しい道にあり続けている者の存在だ。 まるで自分を完全に否定されているような気がして、心が苦しくて休まらない。マーラとしてゴータマに影のように付き従い、寿命を縮めようと努めてきたのはその気持ちからだった。 黙って座っているスバッタにゴータマはしばらくして口を開いた。
「なぜ天魔と呼ぶか知っておるか。」
スバッタは黙ったまま当惑したような目をゴータマへ向けた。
「お前の働きがまさに”天”だからだ。」
驚いたスバッタは、怒りに震えて立ち上がった。
「言うに事欠いて、我の働きが天の働きだと。」
ゴータマを睨みつけ、手を握りしめたスバッタは、今にもゴータマへ 殴りかからんばかりだ。
「スバッタよ。天の計らいは計り知れない。人には理解できぬものなのだ。私ですらもその摂理の一端を覗き見ただけだ。だからお前が理解できぬのは仕方がない。しかし、スバッタよ。死も病も全て、大きな天の摂理の流れの中では、完成に至る契機に過ぎないのだ。」
「全てを受け入れろというのか。」
「そうだ。」
「詭弁だ。」
立ったままのスバッタが激しく応酬した。
「この世を見ろ。飢えに病、親が死んで捨てられ絶望している子供たち、それらの苦しみをどう受け入れろというのか。俺はその苦しみから逃れるために修行を積み、力を得た。苦しみはもうたくさんだ。」
スバッタの顔は怒りに震えている。
「この世は苦しみに満ちている。この世に生を受けるということは、苦しむ為に生まれてきたという事に他ならぬ。」
静かにゴータマは諭し続ける。
「それならば何の為に生まれてこなければならぬのだ。この世など無くなってしまえば良いではないか。」
スバッタは苦しそうに首を振り振り、声を絞り出した。
「人間の魂は自ずから成長を求めている。その希求こそが、人が人である所以なのだ。スバッタよ。そしてその成長の為の場として、この現世はある。」
ゴータマは言葉を切ってしばらく沈黙した。
「人の魂は苦しまねば、成長せぬものなのだ。」
ゴータマは目を閉じている。
「そうして大きくなった心が正しい道を歩めば、輪廻を脱して苦しみから解放されるのだ。スバッタよ。私のような修行完成者にさえも、苦しみは必要なのだ。」
スバッタは坐り直し、何かを考え込んでいる。
「その完成のための苦しみが、あの毒であったと言う事か。」
スバッタはつぶやきながら、顔を上げてゴータマを見た。
「だから”天”の働きだと言うのか」
「スバッタよ。ようやく正しい考えにたどり着いたな。お前の天魔としての働きさえもが天の計らいの中では必然だったのだ。」
ゴータマは微笑みを止め、裂帛の気迫を込めて、静かにスバッタに対している。命の火はもう燃えつきかけている。その最後の力を、ゴータマは振り絞った。スバッタを見つめる瞳、輝くような額、全てから大いなる光が溢れ、熱を感じさせるほどの愛の波動が、スバッタを包み込んだ。
「だがな。スバッタよ。もう天魔としての働きは終わったぞ。お前は十分に苦しんだ。正しい道を歩んで、苦しみに終わりを告げよ。 真人になるのだ。」
スバッタは驚き、まなこを大きく広げてゴータマを見つめている。 やがてその目から涙が流れ出した。
「私を受け入れてくださるのか。ゴータマよ。」
スバッタが声を震わせている。
「旅の途上からずっと私に付き従って来ているではないか。そして 涅槃の完成に力を注いでくれたお前の功徳は計り知れない。スバッタよ。今日よりお前は正しい道へ入るのだ。」
スバッタはスッと立ち上がり、改めてゴータマに拝礼した。
「尊師よ。」
スバッタの目から暗い光が消え、額に輝きが宿った。
「今より私は尊師に帰依します。」
ゴータマは静かに、そして満足そうに頷いた。
「アーナンダを呼んでくれ。私は間も無く涅槃に入る。」
スバッタは恭しく拝礼して後ずさった。そして尊師ゴータマが、力無く倒れこむように横になる姿を見た。自分のことしか頭になかった己に、自らの命をかけて対してくれていたゴータマの姿が、スバッタの心を深く撃ち抜いた。 スバッタは体の震えを抑えることができずに、よろめくようにアーナンダの元へと歩き去った。

満月が煌々と照らすゴータマの体の上には、いつしか満開となったサーラ樹の黄色い花が、いつまでも降り注いでいた。

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