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人に寿命があるように

地球にも寿命が・・・

    あるテレビ番組で、著名な天文学者が、地球の寿命について
             おおよそあと50億年
と言っていた。

    じゃあこれまでの地球の歴史はどうなのかということにも興味がでてきて、ちょっと調べてみた。

   すると、地球は約46億年前に、小さな惑星同士がぶつかって、大きくなり誕生したらしい。

   その後40億年前に海の原形ができて、酸素などが発生すると、徐々に生命体が発展し、2億年前くらいになって、やっと我々が古代のロマンを感じる恐竜の時代になるが、なぜか6500万年前の白亜紀に絶滅している。

    そして地球上で人類の歴史が始まるのは、ずっとあとのことで、約20万年前ころになって、やっと現在の我々の直接の先祖といえるホモサピエンスが表れる。

    46億年という地球の歴史からみれば、そこに人類が登場するのは、ごく最近ということになるが、そのことがよく分かる捉え方に
             地球カレンダー
というものがあり、長い地球の歴史が感覚的に理解できる。

   それは、金岡裕一という富山県の大学教授が作成されたもので、これまでの地球の歴史を、現代の我々が理解しやすいように、その46億年前の誕生を1月1日とし、現在を12月31日とすることで、その間の地球の変化を捉えたものである。
    それによれば、我々の人類の最も遠い祖先にあたる類人猿が出現するのは、そのカレンダー上では大晦日にあたる
                   12月31日 
でしかないのである。
    つまり、地球の歴史全体からみれば、類人猿の歴史でさえ、わずか
            365分の1足らず
でしかないのである。

   さらに、類人猿のあとを継いで出現した猿人が、知恵をつけていく過程については、12月31をさらに、時間(分単位)で区切って表すしかなく、それによれば

          10:47  類人猿から分かれた最初の猿人
                      が登場(約700万年前)
          15:39  直立二足歩行する猿人が登場
                      (約440万年前)
          19:15  石器を使い始める猿人が登場
                      (約250万年前)
          20:35  火を使い始める猿人が登場
                      (約180万年前)
         20:40   氷河期に入る
                      (約175万年前)
         23:37   ホモサピエンスが誕生
                      (約20万年前)
という経過を経ており、それからようやく人類の歴史が始まるのである。

   その後の人類の歴史は、まさに地上の頂点に立つにふさわしいものであるが、それはカレンダー的見地からすれば、まさに来年に向かってのカウントダウンが始まる大晦日直前ともいえる差し迫った時間から始まり
           
         23:58:52   農耕牧畜が始まる(1万年前)
         23:59:46   キリスト降誕
         23:59:56   ルネッサンス
         23:59:58   産業革命
         23:59:59   20世紀が始まる 
という経過をたどり、現在に至っているのである。

    つまり、現代に生きる我々は、約46億年という、とてつもなく長い地球の歴史を背負っていながら、1年というスタンスで考えた場合のわずか1分程度の歴史、つまり
         1年(31536,000秒)のうちの60秒程度
の歴史しか持ち合わせていないのである。
   パーセントでいえば
          0.002(以下切り捨て)パーセント
である。
 
   46億年の歴史を持つ地球に住む人類の歴史は、そのわずか0.002パーセントでありながら、今や地球の王者として振る舞っている。

   しかし地球の歴史をひもとけば、恐竜に限らず、これまで過去に5回、地球上の生物の大量絶滅が発生しているらしく、そのような現象が将来発生する可能性がないとは断言できない。

   また、それまでの5回の絶滅は、隕石の落下や地殻変動、環境の変化など、自然に起因するものであったが、今後は
             地球温暖化や核戦争
など、人類が引き起こすことによる環境の変化や生物の死滅ということも十分考えられると思う。

   ここまで書いてきて、脳裏に浮かんだのが
                猿の惑星
という映画で、主演のチャールストンへストンが、最後になって、自由の女神像という、アメリカのシンボルとも言えるものの廃墟に遭遇するシーンであるが、彼はそこで初めて自分がいるところが、猿の惑星などではなく地球だったということに気づく。

   あと50億年後という、とてつもなく遠い未来には、地球は、膨張して大きくなった太陽に呑み込まれてなくなってしまうらしいが、
それまでは、せめて人類が原因となる地球上のあらゆる生命を巻き込むような絶滅の危機は避けたいものである。

   未来の我々の世代が、猿の惑星としてではなく、いつまでも美しい『地球』として認識できるために。



          

           

            

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