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乗り鉄その2〜フリー切符を使った九州一周
2泊3日の気ままな一人旅
乗り鉄を始めたことは、以前書いたが、ついに記念すべき初めての泊まりがけ乗り鉄旅に出かけできた。
最初は九州鹿児島を起点として九州一周をしてみようと思い、スマホで検索したところ
ハロー自由時間ネットパス
というフリー切符を見つけた。
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これは、60歳以上限定の高齢者向けのものではあるが、九州内の新幹線、特急を含むJR全路線が連続する3日間乗り放題というもので、価格も
19,800円
とかなりリーズナブルなものだ。
むろん新幹線や特急は自由席であるが、仕事をリタイアした私にとって、平日旅行すれば自由席が満席ということはまずないので、この切符で十分である。
コースは、鹿児島中央駅から日豊本線を使って特急を乗り継いで北上し、博多駅で下車して近くのホテルにチェックイン後、夜は大学時代の友人3名と会って酒を酌み交わして旧交を温めることにした。
そして翌日は、長崎本線、佐世保線、大村線経由で長崎入りし、以前から見たかった出島を見学して、その夜は長崎泊。
3日目は、昨年9月に開業した西九州新幹線に乗車して、リレー特急を乗り継いで博多まで戻り、博多駅から九州新幹線で鹿児島中央駅まで帰ってくることで完結する九州一周の旅とすることにした。
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出発は2月14日、弾む心で
9時59分発きりしま8号
に乗車して、一路南宮崎駅を目指した。
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桜島の眺望を擁する錦江湾の絶景を眺めつつ列車は進んで行く。
途中隼人駅あたりから、列車は錦江湾を離れ、著名な温泉地である霧島温泉方向に向かうが、それらしき景色には全く恵まれず、ひたすら山間部を走り、宮崎県南部にあたる平野部の都城に出てしばらくすると、乗り換え駅の南宮崎駅に到着した。
ここまでの所要時間は約2時間。
九州新幹線で博多に向かえば、既に着いている時間であるが、ここはあえて列車の旅を楽しむことにした計画なので不満はない。
南宮崎駅で
12時16分発 にちりん10号 大分行き
に乗り換えた。
にちりん10号に乗り換えてからしばらくは進行方向右手に広がる太平洋の景色を眺めながら、ひたすらまっすぐな路線を走ることとなり、アルコールを少し飲みながら昼食を食べたということもあって、まどろみながらの北上となったが、これもまた贅沢な鉄旅ならではの至福の時間である。
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ちょっとピンぼけ?酔ってる?
ここで日豊本線で北上する場合に注意しなければならないのは、この路線で博多駅までつなぐ特急は約7時間を要する日本で最も長い特急であるにもかかわらず、車内販売はなく、乗り継ぎ時間も短いので、始発駅の鹿児島中央駅で昼食や飲み物の準備をしておかなければならないことだ。
これを忘れると、博多駅に着くまでの約7時間あまりを飲まず食わずで過ごさなければならないので、私のように日豊本線を利用する方は頭に入れておいたほうがいいと思う。
大分駅には、午後3時43分に到着して、隣のホームに待っていたリレー特急の
ソニック42号 博多行き
が1分後に発車した。
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ソニックは、787系のきりしまやにちりんより若干車幅が狭く、座席も小さい気がしたが、平均的な車速は速い気がした。
特にカーブでは、車体が遠心力に負けないように自動的に傾く構造となっているようで独特な乗り味を醸し出しており、個人的には好きな車両になった。
当初この特急で博多駅まで行く予定であったが、小倉に近くなったあたりで、その夜飲む予定になっていた友人からラインがあり
6時30分から始めたいがもう少し
早く着かないか
との無理な注文。
博多駅着が17時49分なのでホテル
へチェックイン後店に向かうとして
もちょっと時間的に厳しい、先に始
めてくれ
と返答すると
小倉で新幹線に乗り換えれば少し
早くなるぞ
と言われて
なるほど、その手があったか
と思い、小倉駅で降りたのがまずかった。
新幹線の乗り換え改札口に切符を入れたらドアが閉まって中に入れなかったのである。
すぐに若い駅員さんがやって来て私の切符をチェックし
お客様、この切符では小倉博多間
は御乗車できません
と言うではないか。
そこで切符をよく見てみると、確かにその旨が小さく記載されてあった。
あとで調べて分かったことだが、小倉博多間は九州内を走る新幹線ではあるものの山陽新幹線であり、九州新幹線は博多から鹿児島中央までになるらしい。
私は
九州内の新幹線と特急が乗り放題
と思いこんでいたが、厳密には小倉博多間は山陽新幹線区間だったのである。
仕方なくその区間の新幹線代を支払い
「山陽」新幹線
で博多に向かったおかげで、友人の思惑どおり6時30分に落ち合うことができた。
そのことを席上友人にぐちると
おかげで速く来れてよかったじゃないか
時間は金に変えられないぞ
タイムイズマネーだ
などと、何か訳のわからないことを言われて丸めこまれた。
相変わらずだなと思いつつも、お互い近況や昔話に花が咲き、楽しいひとときを過ごすことができた。
大学を卒業してから40年近くの歳月が流れたが、いまだに友達づきあいをしてくれる友に感謝することしきりであった。
翌日2月15日は、やや2日酔いの状態で起き出して、シャワーを浴びてからチェックアウトし、博多駅構内で簡単な軽食を済ませてから
8時37分発の佐世保行き みどり11号
で佐世保に向かった。
佐世保到着前の10時を少し過ぎたあたりで到着した早岐(はいき)駅から、園児の集団約50名ぐらいが保母さん数名に付き添われて乗り込んできて、静かだった車内は一気にその集団の貸し切り電車状態になり、回りは園児のはしゃぎ声で幼稚園状態に・・・
しかも早岐駅を出たら、列車はなぜか逆走を始めたため、園児らはさらにヒートアップして
列車が逆に走っている
と騒ぎだしたが、これを保母さんが
あれー運転手さん道間違えたかなぁ
と、おどけてみせていたのには笑ってしまった。
あとで調べてみたところ、佐世保線の長崎駅と早岐駅の間は、距離は短いが、全国でも数少ない逆走区間であることを知った。
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佐世保駅では、約30分程度の時間があったので、駅裏に隣接する佐世保港を望む公園に足を伸ばしてみた。
佐世保は有名な軍港でもあることから、自衛隊や米軍の艦艇でも停泊していればと思ったが、残念ながら小さな海上自衛隊の艦艇が一隻止まっているだけだった。
その後長崎駅を11時12分発の
快速電車シーサイドライナー
に乗り込み、右手に広がる大村湾の絶景を眺めながら南下した。
13時02分に長崎駅に到着し、駅構内で長崎名物と言われているチャンポンを食べたが、これがどうも薄味で、口に合わなかったのには閉口した。
いつも食べなれているリンガーハットのほうが美味しいと思った庶民的味覚がなんとも悲しかったというべきか。
腹ごしらえを済ませてから、駅前から
長崎電気軌道
という古めかしい名前の市電に乗って、3駅めの出島電停で下車して、すぐ前の出島に向かった。
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ご存知のとおり出島は、鎖国政策をとっていた江戸時代に、我が国が唯一外国に対して門戸を開いていた貿易の拠点となっていた小さな島で、現在は島ではなく長崎市と直接繋がってはいるが、当時の雰囲気を味わってもらうために周囲を区画して、入り口も水路を渡って入るようになっている。
入場料520円を支払って中に入ると、そこはまるで江戸時代にタイムスリップしたかのように当時の建物を復元しており、それらの建物の中には、当時の家具、調度品、模型などのほか、出島の建築にかかる手法などの説明なども多数展示されていた。
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また、出島の全景が分かるミニチュア模型も展示され、歴史好きの私は時間を忘れて見て歩くことができ、ここで3時間近くを過ごすことができた。
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翌日2月16日、旅行最終日は、長崎駅から西九州新幹線に乗った。
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乗車したのは
8時39分発 かもめ12号
であったが、リレー特急との乗り換え駅である武雄温泉駅までは、わずか30分足らずであった。
その後リレー特急に乗り換えて一旦博多駅で下車し、駅構内で買い物等でしばらく時間を過ごしてから
11時25分発の 新幹線 みずほ605号
に乗車し、わずか1時間あまり後の12時41分には鹿児島中央駅に戻って来て、旅の全日程を終えたものである。
今回3日間に渡る乗り鉄をして感じたことは、新幹線は確かに速いので行く先の観光が目的であれば便利、在来線の普通列車は地元の利用客がメインで旅感が薄いという感じで、乗り鉄メインであれば特急がいいかなという感触を持った次第である。
ただし、旅の楽しみかたは人それぞれで、旅の目的によっても色々見方も変わってくると思うので、そこは様々な旅の仕方があっていいと思う。
私は、今回の旅で一番楽しかったのは、日豊本線を長い時間かけて目的地に着くまでの時間、つまり、列車の走る音を楽しみつつ、車窓の景色をのんびり眺めながら(少し飲みながら)過ごす時間そのものであったことから、乗り鉄(プラス飲み鉄)には向いているのかもしれない。
帰宅して旅装を解きながら
次はどこへ行こうかな
と、早くも次の乗り鉄旅に心をときめかす私であった。
やはり人生には心ときめく楽しみが必要である。
サンライズ出雲で寝台特急の旅もいいなぁ🎵・・・