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僕が一番カッコ悪かった瞬間

僕が一番カッコ悪かった瞬間。

それは、箱根駅伝で疲労骨折を乗り越え、予選会を突破して「奇跡の復活」とテレビで取り上げられた後のことです。

その時の僕は「自分には何でもできる」と思い込んでいました。自信が傲慢さに変わり、普段大切にしていたケアや節制を怠り始めたんです。本番が近づいても調子が上がらず、不安がよぎりましたが、「なんとかなるだろう」と楽観的に構えていました。

そして迎えた箱根駅伝当日。スタート時間を待つために車の中で休んでいると、テレビカメラが近づいてきました。自分を撮りに来たのだと思い込み、カーテンも閉めずに堂々とカメラに映り込む自分。心の中では「俺は有名人だ」と酔いしれていました。

でも、そんな慢心が祟ったのでしょう。その日のレースは散々な結果に終わり、9人に抜かれる大敗を喫しました。

振り返ると、あのカメラを意識していた自分の姿こそ、人生で一番カッコ悪かった瞬間だと思います。そしてそれは、自分の弱さと向き合うきっかけになった出来事でもあります。

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