挫折から学んだ『仕事での大事な視点』
私がこの仕事を始めて、1番はじめにぶつかった壁は『仕事ができない』ということでした。
私がプロのS&Cコーチとしてキャリアをスタートしたのは大学4年生の時でした。
実業団アメリカンフットボールチームでアシスタントSCとしての仕事と、当時お世話になっていた上司が契約していた競輪選手を一緒にサポートする仕事をしていました。
両方ともお給料をもらいながら年間を通してサポートする初めての仕事だったので、結果を出そうとかなり気合いも入っていました。
でも、プロとしてキャリアをスタートした当初、全く仕事ができませんでした。
それは、選手やチームに対して役に立つような提案ができなかったり、指導していても選手の反応が薄く、自分のやってることがフィットしていない感覚だったからです。
学生のときは、知識を蓄積すれば仕事ができるようになると思っていました。
そのため、書店でトレーニング関連の本や雑誌を買いあさって読んだり、毎月2回以上は必ずセミナーを受けたり、実業団チームでインターンしたりと学外の活動にも力を入れていました。
自分で言うのもおこがましいですが、学生としては積極的に勉強していた方だと思います。
しかし、いざ仕事を始めると、選手やチームに貢献できている気が全くしませんでした。
学生の時に頑張ってきたことが全て否定されているようで、とてもショックを受けました。これが、プロになって初めて経験した挫折でした。
変化を起こす
学生時代は知識さえ身につければ成果が出せると思っていましたし、どこでも通用すると思っていました。
でも、この仕事に限らず、どの業界の仕事でも求められることは『変化を起こす』ことです。
例えば、会社に所属していれば、『世の中を良くする』とか『自分の会社が目指していることを実現する』ことが社員一人ひとりに求められます。
私たちの仕事の場合も、選手のパフォーマンスを向上させることや、チームの目標達成に具体的な貢献をすることで評価されます。
どうすれば目の前の選手のパフォーマンスを向上させることができるのか?
チームを強くするために自分には何ができるのか?
という視点で考えることが仕事をするうえでは大事です。
勉強して得た知識を使って、選手やチームに『変化を起こす』
言葉にすれば当然のことですが、当時の私はその視点で考えることができていませんでした。
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“いろんなことを知っている”だけでは評価されない**ことを、若手の頃の経験を通じて学びました。
現在私はチームに所属しているので、『自分がこのチームのSCになって、具体的に選手やチームの何が変わったのか?』を自分に問いかけながら仕事に取り組んでいます。
まとめ
大前提として知識を得ることは大事ですし、プロとして仕事をするうえでは無くてはならないものです。
でも、知識を持っていることと、仕事ができることはイコールではありません。
それを使ってチームや選手に『変化を起こす』ことが私たちの仕事です。
知識の多さに満足するのではなく、選手やチームに『変化を起こす力』を身につけることが大事であり、その力があればどの環境でも活躍できると思います。
また、自分が指導して選手やチームに『起こした変化』が、自分の強みにもなると思います。
知識や情報を手に入れやすくなっている時代だからこそ、若手のSCやATの方とこれからSCやATを目指す学生には、どうすれば目の前の選手やチームを成長させることができるのか?という視点を持って、勉強やトレーナー活動に取り組んで欲しいと思います。
自分を成長させることは大事だけれど、相手をどうやって成長させることができるか、という視点で考えることも大事だというお話でした。
私もまだまだ変化を起こせる範囲が狭いので、少しずつ増やしていけるように精進します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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