vol.92 Q. なぜ人生には、良いときと悪いときがあるのでしょうか?(自己内対話22)
A. こんな例え話をしてみましょうか。あなたは映画館にある映画を観に行きます。はじまったストーリーは、主人公がどこかの砂漠の国の王子として生まれ、何不自由なく育ち、苦労もなく、人生の浮き沈みもなく、そのまま一生を終えるというストーリー。もしこんな映画を観たとしたら、ほとんどの人はつまらなくて途中で映画館を出てしまうかもしれませんね。(笑)
コントラストという言葉があります。真っ白な部屋に真っ白な家具があると、家具の輪郭がわかりません。影の部分があってはじめて光を感じられる、影があってはじめて光という概念を認識できるというのもそうですね。
つまり何がいいたいかというと、あることを体験する・認知するということは、その逆にあたるパターンがあるということを認識して初めて認識が可能になるということなのです。
幸福状態が一生続き、不幸な状態を体験しないとすると、幸福とは何かという概念は知りえないし体験できないということになります。第三者から見ると幸福に見えるのに、あなたにとっては何の幸福も感じられないということはあります。従って、幸福一つとってみても、このように個人によって定義が様々なので、それは実際に体験しないとわからないということもポイントです。
あなたは何か目的があり、何かを知りたくて、何かを体験したくて、この地球に来ています。その内容は、それこを人の数だけ千差万別です。ある二人が全く寸分違わず同じ体験しかしないとしたら、二人はいりませんね。一人で十分です。しかしあなたが存在するということは、あなたオリジナルな体験を求める魂があったからこそ存在する。従ってあなたは宇宙で唯一無二の存在だと言えます。
何かの概念を探求したいあなたがいたとき、宇宙は、それを知るためのお膳立てをしてくれているというモデル仮説を考えてみてください。あなたが見ること、聞くこと、体験することには、何か理由があり、それをコントラストとして知るために、逆パターンを体験させられる。このモデル仮説によれば、特にネガティブな体験、痛み、悲しみ、苦しさなどを体験することは、その逆の世界を鮮明に知るということになります。
では、もうその体験は十分学んだので必要ないと思ったら、卒業を宣言して、その体験に感謝して手放しましょう。そのあと、宇宙はどういう展開を用意するのかを待って観察してみましょう。