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物語を書こう

「てんでんこ」
という言葉があります。これは東北の三陸地方に伝わる言葉で、
「津波が来たら、とるものとりあえず、家族もかまわないでてんでんばらばらに高台に逃げろ」
という意味を持っています。

 大昔から何度も津波の被害にあっている先祖たちは、
「津波で沢山死んだ。とにかく逃げて一人でも多く助かるべし。そしてふるさとを再興すべし」
という願いと物語をこの言葉に込めました。そして物語は親から子へ、子から孫へと伝わり、2011年の大津波の時には数百年の時間を超えて子孫の命を守りました。

 長持ちさせるために石碑とか建物に意味を持たせるという方法は、時間によってだんだん洗い流されて、その意味が分からなくなっていきます。なんのために建っているのか分からない石碑なんていっぱいあります。
 しかし、良い物語というのは非常に丈夫で長持ちします。それこそ何百年も。
 私はこのてんでんこの事を知ってから、大事なことを残したかったら物語に書いておくに限ると思いました。だけどそれってとっても難しい事なのです。まとまった文章を書くには訓練が必要なのです。量をこなさなければなりません。

 わたしが今書いていることもどのぐらい残るかわかりませんが、君たちが生きているうちは残ってくれるかなと思います。お金を残すより良い物語を書いた方が子孫のためになるかもしれません。
 良い物語を書けるように、これからもガンバリます。


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