見出し画像

#3 晩御飯のにおい



春が近づいていますね。猛です。

もうだいぶ服装も軽くなり、おしゃれが楽しくなってきました。


花粉症がひどいため薬をかかさず飲む、かつ極力外に出ないを徹底しないと生きていけない私ですが、軽くなった首元を撫でていく夜風が、もうそんなに寒くないことと、まだ寒さが残っていることの両方を教えてくれる今の季節は切なさがあって好きです。


今年こそは夜桜を観に散歩に出かけたいなぁ。




先日ライブをしたとき、初めてお会いした方がこのノートを読んだことがあるとおっしゃっていて、文章力があるねと褒めてくれました。


謙遜ではなく、自身に文章力がある自覚はそこまでないのですが、単刀直入に言って嬉しかったです。笑

いくつになっても褒められるのは嬉しいもので、最近は少しずつ自分のやってきたことが公私共に芽が出始めていることを自分でも実感していて、だからこそより厳しくあらねばとも思うし、図に乗ってしまうであろう未来の自分に怯えたりもしています。


とはいえ、前に力強く進む今を素直に喜ぶ、そんな日があっても良いなと思い、今日はドーナツを買って帰り、ポキ丼と味噌汁を作って、食からのアプローチで自分を労っていました。


頑張りを誰かに喜んでもらえる、そんな幸せなことはないなと思いながら味噌汁を作っていると、ふと昔のことを思い出しました。


僕が料理をするとき思い出すのは、自炊で生活していた留学に行っていたころと、その少し前、当時お付き合いしていた彼女の家に入り浸っていたころの二つです。そして今日は、その後者です。



当時留学に行くため、アルバイトを三つ掛け持ちしていた僕は主に夜勤をメインに生活をしていました。

そのため、日中働いている彼女とは生活のタイミングがうまく噛み合わないので、ならばせめてと彼女が家に帰ってくるまでにご飯を用意して一緒に食べようと思ったのが始まりで、料理を作り出しました。

それからは私や彼女が、あるいは二人一緒にキッチンに立ち、同じものを食べるというのがなんとなくデートがわりではないけれど習慣となっていきました。


彼女は僕が作るものをとても褒めてくれていました。それに気をよくした僕は、鼻高々に料理をこさえるようになりました。本当はやったことないこともできるような顔をして、少しでもすごいと思われたくて。


しかし、そんな日々も、夢見ていた未来からすればあっけないほど長くは続きませんでした。

結局その方とは日本に帰ってきてほどなくして別れてしまったのですが、今こうやって少し大人になり、一人の時間が増えると、今やっと気づいたことがあって、ハッとしました。


私は自分の選択は間違っていないと思っていました。同じ時間を過ごしたことも、長い間離れたことも、また二人になったことも、そして、一度繋ぎ直した手をもう一度離すことも。


たしかに間違いではなかったのかもしれません。

ただ、ひとつだけ、今になってわかっていることがあります。それは、私は気づけていなかった。

私は押し付けていてばかりだった、自分の描く理想を、不安定な生き方を、不確定な未来を。

そして、私は何も気づけていなかった。彼女が描く未来も、今も、私への思いも、本当はそんなに美味しくない私の料理を、美味しいねと言って食べてくれていた優しさにも。

こんなにも与えてもらいながら、私は自分を正しいと過信し、あまつさえ彼女のためとすら考え、深く傷つけてしまっていた。



過去があって今があります。過ぎてきた日々全部で、今の私です。


今日褒められた私は、褒められたものではない過去の積み重ねでしかできていません。


過去を今更嘆いて、罪悪感を覚えて、許しを乞うたところで何にもなりません。

しかしながら、過去を蔑ろにして、今を全てと思い生きることは、誰のためでも、自分のためにすらもなりません。

忘れないように、引き摺られないように


まだ残る寒さを肌に感じながら、春を待つのではなく、自分の脚で探しにいくのです。

大切な人や、大切なものを、大切にできるように。



今日こそは軽く読める文章にしようと思ったのに、また長く重たい文章になってしまいました。

おそらくドーナツによる血糖値ハイです。大人が5個もチョコついたドーナツ食ったらそら重くもなるってもんです。


一応捕捉しておくと、元彼女はもうめでたく結婚し、今までのことも、ちゃんと話した仲ではあります。許可なしに書き殴ったこの投稿をみたら嫌われるかもしれませんが、、、笑

未練の日記ではなく、春に浮かれた私への戒めの日記です。マジで。真剣に否定すればするほど、と思われそうですがマジで!!笑

フリじゃないよと念には念を押したところで、急降下する血糖値に今日は逆らえそうにもないので就寝したいと思います。


ではまた。








いいなと思ったら応援しよう!