なぜ自分は映画を見続けるのか
なぜ自分は映画を見続けるのか。
この問いに皆さんは答えられますか?
何年も何年も漠然と考え続け、その都度自分なりに答えを出したりはしていたけど、どこか取ってつけたような、付け焼き刃のような、しっくりこない答えしか見出せずにいた。
正直な話、映画を観なくたって人は問題なく生きていける。20代の頃は「映画がないと生きていけない」なんて調子こいて吠えていたこともあったけど、やっぱりそれは若さ故の発言でしかなく、なければないで何の支障もなく日常生活を送っていける。むしろ、年間何百本と観る人の方が少ないはずだろうし、年に数回しか映画館に行かないという人の方が圧倒的に多い。
そう理屈では分かっていながらも、最近またこの問いについて考える時間が増えていて、懲りずに色々と考えてみた結果、今現在の僕が捻り出した答えがこれだ。
良い映画は“気付き”を与えてくれる。その気付きは生きていく上での“指針”となる。その指針はより良い自分を築いていくための“糧”となる。そして、そういった作品に巡り逢えた時に感じられる胸の高鳴りは、日常ではなかなか得難いもの。無論、日常の中でしか得られない大切なものもたくさんあるけれど、人生において最も劇的な箇所を切り取って描く映画の中でしか得られないものがきっとある。
美味しいごはんを食べたらまた食べに行きたくなるのと同じで、面白いドラマを見たらノンストップで何話も見続けてしまうの同じで、大好きな人に会ったらまた会いたくなってしまうのと同じで、あの胸の高鳴りを再び味わわせてくれる作品を探し求めて無限に映画を見続けているのだと、今の僕は思うのです。