30年近く前の作品撮りをお見せします。
今フィルム写真での撮影にハマっている人にはぜひ見て欲しい。
30年前、バブル経済が終わりに近づいていた頃、フリーランスのカメラマンアシスタントを3,4年していた。
わずか10万円の給料でほぼ休みもなく、毎日鬼のように忙しかったが、海外ロケや地方ロケも多かったので、普段出来ない経験やお会いできない人にも会え充実していて、カメラマンになりたいと言う思いだけで日々生活していた。
当時はブルータスやターザンといった雑誌の出版社のマガジンハウスやファッション関係も勢いがあり、車、二輪、スクーターなどの広告やカタログ、タイアップ広告などの撮影現場にもよく同行した。
年代が近いモデルやヘアメイクも多いため一緒にロケに行くと仲良くなり、作品撮りしようと盛り上がって、数少ない休みの日に合わせて撮影しに出かけていた。(今考えると携帯電話もない時代、連絡は固定電話のみ)
ポジフィルムを使うと、1本あたり現像代も含めて2,000円くらいはかかってしまい、さすがに経済的に厳しいので、ほとんどモノクロフィルムで撮影し、自分で現像、プリントをしていた。
今回アップするのは、当時パリコレにも自力で行って出演していた熊本出身の友人のモデルM氏で、撮影したのは1991年か1992年だったと思う。
今ではきれいになった横浜の赤レンガ倉庫、「太陽にほえろ」や「あぶない刑事」などのドラマの撮影でよく使われていた場所。
本来は立ち入り禁止だった場所に2人で忍び込んで、ヒヤヒヤしながら撮影したのを覚えている。
今はプリントする引き伸ばしきも手元にはないので、20数年前に手焼きしたオリジナルプリントを10年ほど前にスキャナーでデジタルデータ化したもの。
フィルムはKodakのT-Max400、ほとんど手を加えていないので粒子なども見てもらえたら。
近々高校時代に写真を始めたころの、モノクロフィルム撮影について書こうと思うが、フィルム現像で粒子を細かくor粗くしたり、プリント時の印画紙の選択から硬くor柔らかく(コントラストを強めor弱め)、覆い焼きや焼き込みといった作業で1枚の作品として仕上げていたので、その時のマイブームによって表現の仕方が変わってくる。
出来上がりをイメージしてフィルムを決め、現像、プリントという一連の流れを計算して撮影していた。
その点、現在のデジタルデータは、撮影でそんなに大きく失敗しなければ、後でいくらでも修や変更がきき、一枚の写真からその時の気分でいろんな着地点が作れるので撮影はかなり楽になった。
前置きは長くなりましたが、あまり細かな説明はしないので、8点の作品を見てください。
身長は185cmくらいなので、服はISSEY MIYAKEのモデルサイズの服を借りてきてくれてます。
解体前の倉庫に潜り込んで撮影。
2,3枚目は高温で増感現像して、粒子をかなり粗くしてコントラスト強めに。
大藪春彦のハードボイルが好きな頃だったので、全体的にハードな雰囲気をイメージして撮影していたような気がする。
後ろのランドマークタワーがまだ建設中なので時代がわかる。
これも粒子粗めなやつ。
かすかにベイブリッジが見える。
24,5歳の頃の写真なので思うところはあるけど、フィルムにこだわって撮影している人は、ぜひモノクロフィルムで撮影して自分で現像、プリントすると(暗室とか貸してくれる場所があるか分かりませんが・・・)もっとフィルムの良さがわかるかもね。
また別の作品撮りの写真もアップしようと思います。
それでは!
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