空想と呼吸(ショートショート)
いつだったか読んだ漫画で、”今自分がいる街が水没する空想”をしている少女の話があった。
もしそうなったらどうするか。彼女は確か、できるだけ顔を上げて、水面から呼吸ができるように背伸びをしていた気がする。
そしてその話には、もう一人登場人物がいた。バイト先で、彼女と知り合った青年。二人は女子高生と大学生くらいの年齢差だった。
街が水没する空想と、そこから生き残るために、水面から呼吸をする対処法を聞いた青年は、彼女の真似をしてみる。
隣でそれを見ていた少女は、青年を羨ま