5G線上のアリサ【第5章#8話】共感
#8話:共感
【視聴時間=03:00】
まさか愛利沙のさじ加減で総理辞任ができる事態。
加護のVRメガネを通し、あるいはテレビを拝みながら、国民全員手のひら返し。
総理をそのままいさせて欲しい。
〈お願いします。許してください、アリサ先生!〉とネットが動く。
1000万人以上がつぶやき八名が描いた計画の通り、彼女を責めたことについて謝罪と同時に許しを乞うと―――
八名と加護の最後の願い。
愛利沙に教えていきたいことは、あなたは自己愛などでなくて自分を許せぬ自分自身に、長年苦しめられてきたと暗に導くことであった。
八名のサブアカウントアイムソーリーがアリサアカウントをフォローしたのも、パソコン教室5周年記念。
良かれと思って取った行動。
けれども愛利沙が自分の過去と向き合う途中、思い付いた。
新たなジジイのGG計画。
国家再生と改変作戦。
それとは違う。
一人の女性の心を救う救出戦へ。
暴走しながら炎上をするアリサの景色を変えるために、二人は自分の進退を賭け、すでに決断を下していた。
そして二人はフォローを決めた。
100万人のフォロワーを与え、虚構の中から現実を見付けその目を逸らさぬ覚悟も見つめ、心を射抜かれ進退を賭け、炎上騒ぎの収集へ。
愛利沙の承認次第で総理が交代をする事態になった。
桜満開の立体ビジョンを映し許した日本全土は、アリサも同じく共感するよう願いを込めて祈りだした。
『”Cherish”perfomed by Dorian Charnis,used under license from Shutterstock』
Thank you for reading!