5G線上のアリサ【最終章#9話】G線上の愛利沙〈完〉
#9話:G線上の愛利沙
【視聴時間=05:10】
川や田んぼやビニールハウスや小学校のプールの中に、桜が舞い散り流れ浮かび、木々には新芽が出るその頃に、愛利沙と加護と総理が起こした騒ぎは収束を迎えた。
IOE化へ進む道を新たに開拓するきっかけに。
30億は約束通り近隣町へと還元された。
残る2970億は池田町によって、都市化が成されることよりも先に歳を経ても住みやすい町へ特化方針。
田舎であっても都市と変わらぬ豊かを持ち、自然と共存するモデルを。
池田町長は実行している。
その中心はパソコン教室。
今日もアイデアを出し合いながら、執事によく似た旦那と共同経営をする教室内は、全国各地の地方のモデルケースの話で盛り上がる。
結ばれた後「次の桜が咲く頃までに結婚しよう」。
そう決めていた愛利沙は加護と共に実現させていた。
次に新たな時代に向け6Gの準備も済ませ、その時、IOT化をどれだけ国に普及をできるものか?
地域の格差をなくし都市にも負けない接続性を備え、地方が未曾有の災害に向け連動しながら即時動き、最小限の被害で済むよう考える時を迎えてもいた。
加護夫妻は始まりの地で未来の日本を作り続ける。
総理に対し指南役と指導役も続ける加護が、バックアップをしながら国家もサポートの末、アップデートを。
経済利益の還元はないが慈善活動でアイデアを出す。
趣味で国家の未来を予見しG線上で民を守れるように、愛利沙たちは常に考えあらゆる計画を練っている。
年寄りだろうと若者だろうと国と経済に役立つことを、どこでも可能なことを証明させた最初の二人を見ながら、そろそろ休憩時間に入るとロートルズは切り出した。
現実と仮想空間の境がどんどんなくなる社会に対し、これから先も向き合うようにG線上の愛利沙は笑う。
岐阜県揖斐郡池田町で彼女はいつでも待っている。
赤いメガネをかける彼女は青いメガネのパートナーへ、元気につぶやき隣に寄り添い紅茶を片手に笑いながら、明るい会話を挟み未来の日本を今日も描きだした。
〈完〉
『”Go for Baroque”perfomed by Good News Tunes,used under license from Shutterstock』
『”Rain”perfomed by Tak Music,used under license from Shutterstock』
Thank you for reading!