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DXが医療現場を救うって本当!?

医療DXが進めば、現場は楽になるのか?

この問いに対して、あなたはどう答えますか?

経営層の視点に立てば、答えはシンプルです。
「DXによって現場の負担が減り、医療の質が向上する」

経営会議や管理職の会議では、そんな言葉が何度も交わされています。
システムが業務を代替し、スタッフは本来注力すべき仕事に専念できる。
だからこそ、DXを進める価値があるのだ、と。

しかし、現場の声を聞くと、まったく別の景色がそこにあります。

「仕事が楽になる」ではなく
「仕事を失うのではないか?」

これまでに何度か医療の現場や介護施設の現場で
ワークショップを開く機会に恵まれましたが
そこでは以下のような声が上がります。

「新しいシステムが入るたびに、仕事が増えている気がする」
「効率化と言われても、結局は新しい業務に置き換わっているだけでは?」
「これって、私の仕事がいらなくなるってことですよね?」

DXが進むと、私は不要になる・・・?

経営層は「DXで負担を減らす」と主張しますが
現場は、「DXで自分が不要になるのでは」と怯えているのです。

このギャップを埋めない限り、DXの推進はうまくいきません。

なぜ、このギャップが生まれるのか?

例えば、あなたがプロ野球チームの監督だとします。
ある日、球団のオーナーから
「これからは選手起用も指導内容もAIが決める」
告げられたらどう思うでしょうか?

「これで俺の仕事が楽になる」
と思う人は、ほとんどいないはずです。
むしろ、「自分の仕事は不要になるのでは?」と
不安を感じるのが自然ではないでしょうか?

医療の現場でも、同じことが起きていると考えます。
経営層は「負担軽減」と口にしますが、
現場は「自分の役割を失う恐怖」を感じているのです。

これは、DXの導入において
システムやツールの導入が先行し、
「未来の仕事の再設計」を伴っていないからだと考えます。

DXが進むことで、
現場スタッフの役割はどう変わるのか?

「DXを進める」というメッセージだけが先行し、
「DX後の現場の役割」についての
具体的なビジョンが共有されていない状況に対して
現場は不安になっていると考えてみたらいかがでしょうか?

新しいシステムが入った後、
自分の仕事はどう変わるのでしょうか。
「効率化」の先に、自分の居場所はあるのでしょうか?

DXの本質は、単なる業務のデジタル化ではなく、
医療現場における役割の再構築」ではないでしょうか?

「わかってくれない」ではなく、
「何を大切にしているのか?」

DXを推進する側と、DXに戸惑う側。
どちらが正しい、どちらが間違っている
という話ではありません。

「なんで現場は反対するのか?」と嘆くのではなく、
「現場の人は何を恐れているのか?」と考えてみる。

「なぜ経営層はDXを急ぐのか?」と疑うのではなく、
「経営層は何を実現しようとしているのか?」と問い直してみる。

そこから、新しい対話が生まれるかもしれません。

相手に対して反論するのでもなく、我慢するわけでもなく
言葉の背景にある意向や感情を理解しようとする姿勢が大事になります。

「あなたの職場では、
DXの未来は語られているか?」

DXが進んだ後、現場の仕事はどう変わるのか。
DXの先に、どんな医療の未来があるのか。

この問いが、あなたの職場で語られていますか?
あなた自身は、この問いにどう答えますか?

最新情報や活動報告は、ぜひ私たちのX(Twitter)アカウント@MedicalDesignJPをご覧ください。


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