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自然学校が継続的に事業を行えている理由
先日千葉県館山市で活動しているNPO法人たてやま・海辺の鑑定団の設立20周年記念式典に参加してきました。20周年おめでとうございました!
私以外にも、地域づくりや環境保全に携わってこられた方はじめ、政治家、経済人など地域の有力者の方が多数参加されていて、20年の厚みと積み重ねを感じる式典でした。
20年前というとまだ私はまだ大学生だったのですが、その頃に立ち上げ、活動や事業を継続されたきたこと、本当に素晴らしいなと思います。
実は、「自然学校」と呼ばれる団体やNPO法人は全国に数多く存在し、その多くが同様に長期間事業を継続しています。なぜ、これらの団体が長い年月を経ても事業を継続できているのか。その理由を今回考えてみたいと思います。
起業の生存率
日本では、創業後5年で約20%の企業が廃業し、10年後には6%、20年を迎える企業は1%未満と言われています。この厳しい状況を考えると、自然学校が事業を継続できているのは驚くべきことです。実際、自然学校や自然体験活動を軸にした団体が倒産したり、活動を休止するという話をあまり聞きません。それどころか、コロナ禍を乗り越えた団体も多く存在し、中には設立50年を超える団体もあります。
こうした状況を見ると、一般的な企業とは異なる特徴や要因が、自然学校の事業継続の背景にあることが分かります。
社会企業としての事業・活動
通常の企業であれば、赤字が続くと事業を縮小したり、会社を畳むことが健全な経営判断とされます。
しかし、自然学校やNPO法人が活動を継続できている背景には、利益追求ではなく社会課題の解決を第一義的な目的とした「社会企業」としての性質があります。
多くの自然学校は、地域や環境が抱える課題を解決することを目的に活動を始めています。そのため、収益の追求は後回しで、まずは「社会に必要なことをやる」という姿勢が根底にあります。経済合理性からすると遠回りのような気がするこの「活動を事業として成立させる」視点が、自然学校を長期にわたり存続させるポイントになっているのではないでしょうか。
サバイバル能力高めの自然学校
自然学校と呼ばれるくらいなので、皆さん非常に高い生きる力を持っています。ただ、ここで言う「サバイバル能力」とは、単純に食事や生活を自分たちで作り上げられるという能力だけではありません。良い車に乗る、良い時計やブランド品を身につけるというような、物欲や所有欲にとらわれず、必要最低限のもので豊かに生きる術を知っています。
彼らにとって重要なのは、事業規模を拡大することや個人が経済的に豊かになることではなく、「地域や環境に役立つことを実現する」ことです。この価値観が、自然学校の運営に無理のない持続可能性を与えているのではないかと思います。
密なネットワークの存在
先日記事にした清里ミーティングをはじめ、業界内の交流を活発に行うためのネットワーク、組織がいくつかあります。
同業者はお互い協力や協業し合い、情報や時には人材を共有し合う関係性を築けていると感じています。
困ったときは助け合う、この関係性が築けている業界だからこそ、皆さん苦しい時期も乗り越えて来たのだと思います。私も、県外で活動している同業他社の方とはかなり多くの方と繋がっていますし、情報を交換したり実際に協働したりしています。困ったときには助け合えるという信頼関係が、業界全体を支えてい流のだと思います。
これからの自然学校業界は?
自然学校という団体が立ち上がったのが1970年頃と言われていて、半世紀近くになります。
さて、継続してここまで活動をしてきた、自然学校の団体は年数を重ね、立ち上げされた方達も第一線を退くフェーズに来ています。
この想いや情熱を引き継ぎ新しい形に変え、事業を構再構築していくことが大事です。
私も今年で40歳。それなりに経験も積み、ネットワークもできました。
社会は大きく変化し、たくさんの情報を整理し、あらゆるツールを使いこなさなければなりません。
また、自然学校立ち上げ当初の社会課題も、大きく変化していますし、自然学校が担う役割も大きく広くなって来ていると思います。
自然学校は、自然体験やアウトドア活動だけではなく、地域や社会全体にとって何が必要かを考え、それを事業化していくことが求められる時代に突入しています。
くじらのもり 白井健としてこれからの活動をさらに深め、また、発信していきたいと思いますのでよろしくお願いします!