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新型コロナウィルスとITシステムに共通する合成の誤謬

こんにちは、digsasの今泉です。最近はYouTubeとかも撮り始めています。

今日は日常でふと思ったことを取り留めもなく書いていきたいと思います。

経済学の用語で合成の誤謬というものをご存知でしょうか?
Wikipediaでは下記のように説明されています。(一部抜粋)

ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。

言い換えると、小さな視点で見たときに合理的なことでも、大きな視点で見たときには決して合理的だとは限らないということです。

例えば、貯金にも同様のことが言えて、一つの家庭で見たときには(特に日本では)貯金は善とされています。もちろん貯金は万が一のためや将来のために必要な合理的な行いです。
しかしながら、大多数の家庭が同様の考え方になってしまうと、全体で見たときにはお金の流通が減り、必ずしも経済的には良い影響を及ぼさない(=全体的に見たら合理的ではない)といったことが起こります。

これがまさしく合成の誤謬です。

新型コロナウィルスでも同様のことが言える

例えばマスクの買い占め。個人や家庭で見たときにはマスクのストックを持っておくことは重要です。
この行いは個人で見たときには合理的だと言えます。
しかしながら、全体で見ると、本来必要とされるべき医療関係者にマスクが行き渡らないといった影響も出ていると言います。
また、トイレットペーパーやティッシュでも同様のことが言えますし、都内から田舎に帰省するといったことも同様ではないでしょうか。

合理的な個人の行いは決して全体から見ると合理的だとは言えません。

企業のITシステムでも同様のことが言える

これはITの仕組みでも全く同じことが言えます。
日本のITシステムは個別最適だと言われています。

事実、経済産業省が発表しているDXレポートでも同様の指摘があります。

各事業の個別最適化を優先してきたため、企業全体の最適化が図られなかったことがある。この結果、システムが複雑となり、企業全体での情報管理・データ管理が困難となっている。

出典
「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
経済産業省 (2019) 

なお、DXレポートを始めとする国が発表しているデータは下記のnoteにまとめています。

また、別のデータでは、2018年にIT部門では初めて減少なっており、事業部門では増加しているというデータもあります。

言い換えると個別最適化がさらに進んでいるとも捉えることができます。

この事実の考察として、SaaSをはじめとするクラウドサービスの台頭があると考えています。
SaaSはサーバー等のリソースが不要であり、ネットワークが接続できれば利用できるので、IT知識が不要となり、より身近なものになったと考えています。

これ自体はITの民主化と言え、素晴らしいと思う一方で、集中管理が難しくなり、個別最適化が助長されるという側面もあります。

気を見て森を見ず。両者の共通点と言えるのではないでしょうか。

どうすればよいのか?

新型コロナウィルスについての行動は合成の誤謬は事象の説明にはなりますが、群集心理など様々な要因があり解決はもっと複雑です。

しかしITシステムについてはもっと簡単だと考えています。
各人が合成の誤謬という存在を意識し、目の前の業務の効率化だけにとらわれずに全体を俯瞰してシステムを導入するという意識を持つ、これだけで少しは変わるのではないでしょうか。

特に経営陣、管理職など権限と判断に足る情報を持っている人が、全体を俯瞰し、適切な判断をすることで、より最適化されたITシステム、ひいてはビジネスの成功を得られるのではないでしょうか。

自分の自戒も兼ねて取り留めもない話を書いてみました。
ではまた次回。

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