麻雀プロの内と外。『誰が麻雀界をつぶすのか』を読んで思ったこと
連盟の黒木プロ(近代麻雀勢でもある)の著書『誰が麻雀界をつぶすのか』を読みました。
全体の感想として非常に面白かったのですが、読後にふと思ったことがありました。
それは麻雀プロにおける内と外の使い分けの難しさです。
自分プロじゃないのでアレ(戯言)なんですが、以下でちょっとだけ考えてみました。
麻雀プロは基本的には内向きのサークル活動の側面が強い
麻雀プロの活動として、一般のイメージでは麻雀業界の普及に貢献するために日々尽力してるんだろうなみたいに思っている人も多いかもですが、実際は(仲間内で)競技麻雀を打つ、勉強会をするなどがメインです。
もちろんトッププロともなれば、ファンとの交流やチャリティー活動に参加したり、といったこともありますが、全てのプロがそれをメイン活動にしているかというとそんなことはありません。
ここでのまとめとしては、麻雀プロは月に1〜2回程度競技ルールのリーグ戦を行うサークルであるという点です。
つまり、内向きの組織といえます。
稼ぐには外向きの活動が必要
しかし、プロとしてお金を稼いでいこうと思ったときに、内向きの活動で成果を上げても成り上がることはできません。
圧倒的に(運も実力も)強くて、出る大会全てで優勝できる人であれば賞金だけで暮らすことも理論上は可能かもですが、麻雀のゲーム性的にそれは困難です。
なので麻雀を本業にしようと思ったら、自身にファンをつけ、ゲスト活動やMリーグに抜擢されるなどが勝ち上がるのが王道パターン。
そのためには外向きの活動が必要となります。
内向きと外向きの使い分けが難しそう
ここで難しいのが内外の使い分けかなと思いました。
所属団体内でうまくやっていく(仲良くなる)ためには、内向きのノリが必要な一方で、ファンをつけるには一般受けするノリが必要になります。
具体的にいうと、内輪ノリが強すぎると外受けが悪くなり、あまりにも一般的だと仲間内でノリが悪いと思われてしまいます。
もちろん一概にその限りではないとは思うのですが、リーグ戦が終わった後に毎回すぐに帰ってしまう人と、毎回飲み会に行く人がいれば、おそらく後者の方が仲良くなれる確率は高いと言えるでしょう。
内向きのノリを外部に出してしまうと燃えやすい
そしてもう1つ、内外の出し入れを誤ると炎上のリスクがあるというのも難しい点のように感じました。
仲間内では受ける表現、たとえば「プロとして活動している自分たちはアマチュアとは一線を画している」のような発言を外向きにしてしまった場合、おそらく炎上します。少なくともファンからの好感度は下がります。
でも一方で、仲間内での飲み会でも一般的な内容、たとえば「麻雀プロは麻雀の普及に貢献することが重要」「プロでもアマチュアでも強い人は強い」みたいな話しかできない場合、一体感を出せずに打ち解けることができないかもしれません。
そしてこの出し入れを間違えている(特に内輪ノリを外で出してしまっている)人はけっこう多いように感じます。
(外向きのSNSなどで内向きの話をしてしまうなど)
そこが重要ではないとの判断(自分が重くみているだけ)かもですが、それだけ難しいんだろうなと個人的には思っています。
じゃあどうすればいいの?押し引きの最適化
麻雀業界は元々距離感が近いのでより難しいのですが、
一般
麻雀好きなアマチュア
麻雀プロ(団体ごろに色々ありそう)
の3つのラインがあると考えると良さそうです。
たとえば賭けの話などはセンシティブです。麻雀好きなアマチュアには一般に受け入れられる表現でも、麻雀を知らない人には非常識な内容などもあるからです。
このような曖昧でリスクの高い問題に関しては、政治家のようにのらりくらりと立ち振る舞う強かさも重要です。
一方で、実質的なファン層となる麻雀好きなアマチュアに対しては、麻雀好きなもの同士だからこその深い話を、内輪ノリにならない程度に出していく必要があります。
この辺の押し引きは麻雀にも通ずるところがあるかもしれないし、ないかもしれないですが、麻雀のようなものと考えるとちょっと楽しいのではないでしょうか。
終わりに。自分の立場を表明し、必要であればポジションをとっていくと良さそう
個人的に、麻雀プロになる人には大きく2種類いると思っています。
麻雀が好きだから熱いメンツで打ちたい
自身のビジネスやブランドをプロの肩書を借りて大成させたい
両者が入り混じる複雑な構成を、外側から見て一目で理解することは困難です。
なので、まずは噛まれないように自身の立場を表明すること、その上で、麻雀の普及になんらかの価値を与えていきたいタイプの人は、自身のできることを強めていくのが良いように思いました。
コツは需要があって供給が少ないエリアに、自分が得意なことをベットすること(だと思っています)。
何が必要で、何がしたくて、何ができるのか、それを考えると道が見えてくるのではないかと思います。
複雑で曖昧な麻雀業界は個人的にはわりと好きなので、今後もなんか尖ったプロがたくさん出てきて、わちゃわちゃした感じで麻雀が普及していけば良いなと、そんなことを表題書籍を読んで思いました。終わり。
たkると申します。麻雀用品のサイトと書評サイト、そのほか色々とサイト運営をやっています。Noteではサイト運営とか麻雀のノウハウを書いていきます。よろしくお願いいたします。