見出し画像

アパレル生産管理が工場研修で、最も意識すべきポイント【重要】

こんにちは、タケロー・ニーノです。

アパレルのデザインやパターンや生産に携わっている方々は、縫製工場へ研修に行かれたことはあるでしょうか?

工場に1日くらいの見学や、出張くらいなら行ったことがあるという方は多いかもしれません。


私は自社工場のあるメーカーに生産管理として中途入社しましたが、工場での研修期間というのはありませんでした。私が入社する以前、今からだと15年以上前には、1か月間くらいの工場研修期間があったそうですが、いつからかなくなってしまったそうです。

そのことが一因となり、事務職と縫製現場の意識はどんどん離れていき、仕事がうまく回っていないことが多いように感じています。

何故、研修がなくなったのか?

1・新入社員が工場にしばらくいても、あまり教育意義や効果がないと感じたから

2・事務職と、現場の工場の仕事を明確に分けたから

3・工場側の受け入れとしても、1か月後にいなくなってしまうので、作業説明や教えるのが手間だったから


そして、残念ながら研修に送り出す側の立ち場の人間が、

「研修に行く人に何を感じ取って、何を学んで来て欲しいかを明確にできなかった」ことがとても大きかったのではないかと思います。

私はアパレルメーカーで生産管理を10年以上経験し、さらに工場の責任者という立場を経験したことで、縫製に関しての知識や技術などではなく「現場の時間感覚」こそ、実際に工場研修現場で学ぶべきだと感じました。


アパレル生産の事務職と縫製工場の感覚差

画像1

生産管理等の事務職と、製品を作る縫製工場とでは、やはりかなりの意識の違いがあると思います。

一番大きいのは時間の感覚だと思います。事務職は時間から時間で、どれだけの売り上げをするといった仕事ではないので、ある程度自分で仕事の優先順位を付けて沢山の種類の事務処理を行っていきます。一人でできる作業も多い分、後回しになったりしていた仕事は残業してこなすといった方も多いでしょう。事務仕事も、もちろん大切な仕事ですね。ですが、この時間からこの時間までに、絶対という仕事の仕方とは少々違っていると思います。

工場とは基本的に1日に何着生産できるかが、そのまま売り上げ額になります。

つまり 見積もりとは  工場の予測生産数 × 工賃 = 1日の工場の売り上げ目標

時間から時間までに、一つ一つの作業を秒単位でなるべく効率化して、1日に目標よりも1枚でも多く仕上げたいところです。人と物の;流れを、止めないことが工場を管理することであり、生産をスムーズにしてもらう生産管理の仕事といってもいいかもしれません。

縫製工場のフローチャート

フローチャート1

簡単な縫製工場のフローチャートを作りました。黒字は、その時点で必ず揃えておかなければならない資材です。

「これぐらいは、だいだい知ってます!!」って言われてしまいそうですね。。。

ですが、本題はここから。

知っているということ、流れを本当に理解して縫製工場さんと仕事をできているかは、全くの別物です。以前に自分が所属していたメーカーの10年以上のベテラン社員でさえ、実際に理解ができていたかは非常にあやしいところです。

アパレル生産管理は流れを止めないこと

フローチャートになかなか表現できない部分とは、これは常に繰り返し、何品番か流れていること

ある品番を裁断していて、生地に問題があって、やり直しになったらどうでしょう??

先に裁断していた品番で縫製は前に進んでいくでしょう。しかし、結果として今日の裁断作業は=ゼロ  場合によっては、たちまち縫製するものがなくなってしまいます。もちろん、苦肉の策としては縫製作業員を芯貼りに回したり、他の作業を行ったりします。


フローチャートで見るべきは流れ

流れを止める、滞らせることに責任を感じることが必要なのです。


それこそアパレルの生産に携わる人には、工場で実際に研修で感じて欲しいことなのです。

アパレル生産管理 工場研修で学び取るべき時間感覚  【まとめ】

私は生産管理は、生産に関しての段取りを整え、製作総指揮を行う立場だと思っています。


工場でも段取りをする立場の人がいます。

生産には糸も必要、資材も必要、そして、工程前に下貼りや、ポケットをアイロン成形するような前作業も必要ですよね。


生産管理とは、現場にはいなくても、その生産を滞りなく進めるための段取りの役割を忘れてはなりません。

画像3

縫製工場にとって、なるべく安く良い製品を早く作るとはどういうことでしょうか?

無駄な作業を減らし、効率よく、滞りなく生産することです。ただ、そこにはトラブルの種もあったり、忘れてはならない確認や検査事項等も存在します。それらを上手くクリアし、止めることなく出来るだけ最短で工場が生産できるようなお膳立てをすべき立場だということを、実感するには、工場に研修に行くのが一番良いと思います。

そうすると

資材を不足なく、必要な時に用意していること
刺繍やプリントの加工が、予定通り戻ってきていること
検査結果や納前サンプルの結果を早く連絡すること
作業を止めるならなるべく早い連絡とその後の流れの連絡
工場の質問・確認は、即確認と即返答

このような確認の一つ一つが大切な作業だと理解できるでしょう。

縫製工場は、材料がないと作れません。

パターンがなければ作れません。

指示がなければ作れません。

確認してゴーサインがなければ、作れません。


その間、止まるということは、、、いかに納期と経営をいかに苦しめる可能性があるのかを、少し頭に入れていただけると幸いです。


お読みいただき、ありがとうございました。

サポートいただき、ありがとうございます。今後もモノ作りをサポートできる記事を書いていきたいと思います。今後とも、よろしくお願い致します。