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【いろいろ】 ほかの資格試験


1.司法試験の採点実感との感覚のズレ

 ケースブック租税法を勉強すれば、司法試験の過去問は、だいたいわかるのではないかと期待していました。おおむね、その期待どおりでしたが、最近、検討した問題の採点実感とのズレを感じて、ひっかかっていました。
 たとえば、還付加算金の所得分類の問題ですが、当然、雑所得ですが、なんで一時所得にしてしまうのは勉強不足であると厳しく、ご指摘いただいているような感覚です。あと、所得税法51条1項と4項の適用関係(事業と業務の違い)であったり、所得税法72条の損失と支出の違いであったり、なんとなく、所得税法を語るうえで必要なことを見落としているような、そんな感覚です。
 ケースブック租税法の所得税法の問題をひととおり検討したのに、忘れてしまったのかもしれませんが、忘れていたとしても忘れすぎなので、なにか勉強すべき範囲の定め方に問題があるのではないかと感じていました。
 ここでやっているのは、知らないことを知るための勉強なので、こういった引っ掛かりは大事にしてみました。

2.税理士試験

 すこし、時間があったので、国税庁のウェブサイトに掲載されている税理士試験の所得税法の過去問をながめていました。わたくしのもっていた違和感というか、勉強不足のポイントは、税理士試験で中心的にきかれていることなのではないかという感触をえました。
 そこで、税理士試験の独学合格者のかたの対談をインターネットでみつけて、独学者の読むべき書籍を見積もって、取り寄せてみました。取り寄せたのは、予備校の理論マスター(論証集のようなイメージでしょうか)と理論ドクター(演習問題のようなイメージでしょうか)と、個別計算問題集です。あまり、お金の余裕もないので、中古品を選別して出費をおさえました。
 パラパラと眺めていると、個別計算問題集で、還付加算金の所得分類が問われておりました。雑所得が答えで、その理由は、所得税法基本通達35-1⑷と書かれていました。 

次に掲げるようなものに係る所得は、その他雑所得(公的年金等に係る雑所得及び業務に係る雑所得以外の雑所得をいう。)に該当する。
(中略)
(4) 通則法第58条第1項《還付加算金》又は地方税法第17条の4第1項《還付加算金》に規定する還付加算金

(所得税法基本通達35-1⑷)

 そういうことなのかもしれない、と思いました。つまり、司法試験を作られているかたは、税理士試験で、基本的な事項になっていることは、当然、知っているだろうとお考えなのかもしれないと感じました。そして、このあたりの知識が、わたくしの勉強では、まったく、抜け落ちてしまっていたのではないのかということです。

3.所得税法能力検定

 税理士試験は、たいへん難しい試験なので、ほかに手軽に基本的な知識を埋め合わせそうな試験がないかと探してみました。全経が主催されている所得税法能力検定という試験にゆきあたりました。

 しかし、調べたところ、この試験は、1級から3級まであるのですが、1級は、最近難しくなったようで、1桁パーセントの合格率となっているようで、税理士試験の所得税法に難易度が近づいているようです。2級と3級をみてみようかと思います。

4.まとめ

 昔のことですが、特許法を勉強していたところ、特許出願・審査、拒絶査定に対する不服申立、その後の訴訟など、一連のところがわからなかったので、弁理士試験の勉強をしてみたことがあります。ひととおり、過去問なども検討してみて、特許法、実用新案法、意匠法、商標法の理解が深まることを経験しました。
 所得税法も、司法試験と税理士試験で取り扱っている対象は同じなのですが、観点がすこし異なるので、司法試験だけではなく、税理士試験の観点から同じ法律をみると、また違った見え方がするように思います。たぶん、司法試験は、実定法の背景にある租税法の理論に関心があるのに対して、税理士試験は、実定法を前提として確定申告書の作成に関心があるようです。いずれにせよ、知的財産法のときと同じような感覚を得ました。
 当初の目的どおり、ケースブック租税法→司法試験の過去問→まとめノートという手順での勉強を進めますが、十分に勉強できていない範囲が横たわっていることを意識しながら、勉強を進めなければならないと思いました。

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たけ
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