漢字を見ただけで思い出してしまう人
アイちゃんは言った「これが1番うめぇんだぁ」新潟訛りでボスのカフェラテ幸せそうに飲む彼女のせいで20年経った今もボスカフェを見るたびに思い出してしまう。
純粋にボスカフェがうまいと思えたらどんなに楽だろうと毎回思う。アイちゃんのことを思い出してしまう自分が嫌いだ。
映画で好きな人に花の名前を教えてもらってはいけないと言うくだりがあったが、まさにその通りだと思う。おそらく今現在のアイちゃんに「ボスカフェ?あぁそんなこと言ってたっけ?」と言われたとしてもこの呪いは解ける気がしない。
たちがわるいことに客観的に見たら気持ち悪いんだろうなと思いつつ、ボスカフェを見ながら温かい気持ちになってしまう。こんなマイナス思考の42才にも缶コーヒー一つで幸せになれた瞬間があったのだと思い出せるからだ。
こういうたぐいの呪いというか、男女問わず思い出がそこらじゅうに溢れている。人と長く付き合うのは苦手なのに、その時の象徴みたいなものだけ覚えてしまう。
30人ぐらいのパートさんと仕事をしていて
みんな言いたいこといってギャーギャーなっていて同僚と「カオス〜」って笑ってた。
職場も環境も全く違うのに同じような状況になるとその同僚を思い出す。
高校生の頃、しまむらでダウンジャケットを3000円で買ってたあべちゃんはすぐにボロボロになるけど、また買えるからいいと言っていた。それ以来ダウンを見るとアベちゃんを思い出す。
極めつけはメールを打ってるときに漢字がでてきただけでアイツ元気かなとか思ってしまう。漢字一文字で心がザワザワしてしまうのはいかがなもだが、止まらない。
Spotifyで曲を聞くだけで、カラオケ行った事を思い出してしまう。野太いピンクスパイダーとか
歳をとるってこういうことなんだろうか。